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とあるプレイヤーの後悔

乙女ゲームとは都合のいいものだ。

婚約者が居ようと身分が違おうと、愛の力で万事解決。攻略対象誰を狙ってもハッピーエンド!


……でもそれは、私達プレイヤーから見た話。


もしもキャラクターが生きていたなら。

感情を持っていたならば。


私達の望む幸せはきっとただのエゴに過ぎないんだろう。


ーーーそんなこと考えても、何も変わらないけどね。


ーーー

見慣れた自室の、寝慣れたベッドの上。何度寝返りを打っても秒針がどれだけ進んでも、私の頭は冴えたままだった。



「……リリアの事を考えながらシナリオを見たら眠れなくなった、と」


「そうなんだよレイちゃん!! ホラゲの目をかっぴらいた幽霊よりおめめぱっちりギラッギラなんだよ!」


「荒ぶる君も可愛らしいけれど、ちょっと落ち着こうか。明日ルカは1限だったよね?」


「でもでもでもでもだってさぁーーーー!!!」


バタバタと足を鳴らして枕に顔を埋める。電話越しに聞こえる苦笑いも、今の私には届かない。


「今さ、断罪執行のスチル見直したの。そしたら後ろにちっちゃーくミカがいてさ! しかも兵士と揉み合ってる風! あれぜっったい止めようとしてるよそうだよねぇ初恋だもんねぇ!! ミカ×リリに目覚めるしかないよあんなん!」


「よくそんなの気づいたね。私もそのスチルは見たけど、一体どこにいるんだい……?」


「えっ、スチル右下モブの奥」


よくよく見ないとわからないぐらい、小さく書いてあった。本当に芸が細かすぎる。米粒にかかれた絵を見た気分。


「相変わらず凄まじい観察眼だね。今調べたらネットにも書いてないよ、それ」


「えっ、じゃあ私が第一発見者!? それはそれで嬉しいけど今はそれどころじゃないんだよ〜!」


改めてプレイして見えた色々な側面。スチルの奥のミカ、デビ×リリルートで微妙な反応だったラファエル。見れば見るほど、見落としていたキャラクター同士の関係性が増えていく。


「私はなんて浅いところだけ見てたんだろう……。こんなんじゃファン失格だよ……!」


自責の念で、胸が押しつぶされそうだった。


「落ち込んでるところ悪いけど、あくまで乙女ゲームの話だよね?」


「むしろだから落ち込むんだよ……!」


こんなにしっかり作り込まれた神作なのに、私は全然分かってなかった。リリアの気持ちも、みんなの気持ちも。


デービットルートが本当に正しかったのか、メアリーちゃんはそれで幸せになれるのか、考えれば考えるほどわからなくなって。


「はぁ……もしも、みんな幸せになれるルートが存在したらなぁ……」


そんな夢を、見てしまう。


「ディスチェ7の書籍版、来月発売だろう? 番外編に期待しようよ」


「だといいなぁ……マジでそうなってくれないかなぁ……」


リリアだって、ただデービットが好きなだけだったんだ。その愛さえあれば、それで良かったはずなんだ。……そう考えると、リリアが不憫で仕方なかった。


「寝ないと発売日は来ないからね。くまができないうちに休みな、ルカ」


「はぁい……遅くまでごめんね。おやすみ〜」


ぷつりと電話を切って、ベッドの上に放り出す。電気を消して目を瞑っても、意識は全然落ちていかない。


もしも、リリアがもっと積極的になれたら……全部、違ったのかなぁ。


ーーーもしあの世界に入れたら、推しカプまるっと成就させたいなぁ


そんな限界カプ厨の妄想だけが、頭の中でぐるぐると回った。


本当にその願いが叶うなんて、知りもせずに。

こちらで前日譚は完結になります!

お読みいただきありがとうございました〜!


9/13 22時に、本編である

『あと7日で断罪とかマジですか? ーヤンデレ幼馴染と走る断罪回避RTAー』

の連載が開始となりますので、よろしければそちらもご覧いただけますと幸いです。


こちらの方にもキャラ2人のモノローグを21時、『番外編 versionミカエル』を22時に投稿予定です

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