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幼馴染は勝ちヒロイン  作者: 隆頭


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三十八話 端田との再会

 あれからまた数日経ち家に帰っている時のこと。

 後ろから誰かが話しかけてきた。


天美(あまみ)君」


「ん?…あっ、端田(はなだ)…」


 声をかけてきたのは端田だった。

 今いる場所は先日彼女が男にぶつかってしまい、ソイツに絡まれていた現場…より少し先に行ったところだ。


「その、話がしたくて…ちょっといいかな?」


「俺がそれを聞くと思うのか?あっ、そこのファミレスでもいい?」


(てのひら)(がえ)しが早いよ!もうっ…いいけど」


 どうしてだろうか?不思議と彼女の話を聞いてやろうと思った。

 あの時より雰囲気が柔らかくなったからかな?



 というわけで傍にあったファミレスに入り席に着く。

 ってかこれ今思ったけど半分浮気じゃね?

 あとで(しおり)に謝らないと!


「お腹も空いたし、もうここで晩御飯にしよっかな。端田はどうする?」


「あっ、私はね…じゃなくてね?」


 俺はついでに夕飯にしようとメニューを見て、端田にもソレを見せる。

 彼女は一瞬メニューを見たもののすぐに視線をこちらに向け直した。


「うむむ、じゃあガッツリ肉だな。これにしよ」


「天美君?聞いてる?おーい」


 端田がなにか言っているが取り敢えずなんか頼もう。


「んで端田はどうする?」


「いや…私は…」


「店に入ったんだしなんか頼んだ方がいいだろ、せめて飲み物だけでもさ」



 俺がそう言うと彼女は渋々といった様子でコーヒーを注文していた。

 俺も料理を注文し、改めて端田と向き合う。


「それでね、天美君…えっと…」


 目を合わせると彼女は目を泳がせおどおどとしている。


「その…この間はごめんなさい!」


 彼女はそう言って頭を下げた。


「もう終わった事だしいいよ。腹が立ったのは事実だけど、ちゃんと謝罪もしただろ?だから…」


「そうじゃないの、この間すぐそこで男の人に絡まれたことがあったでしょ?…あの時もちゃんと、お礼が言えなかったから…だからありがとう」


 端田は改めて頭を下げた。


「それこそ別にいいよ、あんな状況だから仕方ない…まぁ礼は受け取っとくけどさ」


「うん、そう言ってくれると嬉しい…ふふっ天美君は優しいんだね」


「?」


 言葉の意味は分かるのだが、何故そういうことになるのかが分からなかった。


「私は天美君に最低なことをしたのに、あの時あなたは私を助けてくれただけじゃなくて、気遣って背中を撫でてくれたでしょ?」


 確かにそんなこともあったが、当たり前のことだと思う。

 端田に階段から突き落とされたとはいえ…な。


「それが凄く安心したの…あの時は驚いて逃げ出しちゃったけどね」


 端田の表情が少し暗くなる。

 俺はただ彼女の言葉に相槌を打つだけだ。


「そんな優しい天美君のことに酷いことをしたこと、ずっとね…後悔してる」


「それなら俺の復讐は大成功ってことだな」


「そういうことだね…」


 端田は笑っているが纏う雰囲気は暗い。

 やはり俺も甘い人間なんだろう、本来は彼女を無視するべきであり、あの時も助けるべきじゃなかった。


「俺があの時助けに行ったのは、あのまま見捨てたとして後味悪い結果になるだろうってのが分かってたからだ」


 自分なら助けられた、だけど見捨てた。

 それで端田が酷い目にあったら、絶対気にする。


「つまりは自分のためだ、だからそこまで気にするな」


 あくまで自分の心を守るためだ、別に端田のためじゃない。


「…恩を着せることも出来るんだよ?それなのにそうしないなんて、優しくないわけない。…私はそう思うよ」


「そりゃどーも」


 この前はあんなに剣呑な雰囲気だったのに、今ではストレートに優しいだなんて言ってくれることに思わず照れてしまう。


「ふふっ、照れてるんだ」


「うっせ」


 照れている俺をからかってくる彼女に僅かな抵抗しかできない。


 なんだかんだと話をしていると料理が来たのでそれを食べる。

 彼女はどうやら夕食前らしく、あまり間食すれば怒られるとのことで、ただ俺の食事風景を眺めさせるだけになってしまった。


 食事が終わり店を出る。


「ごめんね、話聞いてもらったのにお金まで」


「べつに飲み物くらい気にするな」


 まぁちょっとくらい女の子に見栄張りたいでしょ?それくらいさせてーや。

 加えて後半はただ俺が飯食ってるだけだったので、それの迷惑料みたいなもんだ。


「…長名さんには悪いことしちゃったな」


「まぁ、今回のは俺が悪い。ちゃんと謝るさ」


「女の子と二人きりだとまるでデートだもんね?」


 端田はニヤニヤとしながらからかってくる。やめなさいよもー。


「そういえば天美君、帰り道はこっち?」


「そうだよ」


 全然違います真逆です。でもやっぱり良いトコ見せたいやーん。


 しばらく歩くと彼女の家に着く。


「私の家はここだから…今日はありがとね」


「おう、どういたしまして。じゃあおやすみなー」


「うん!おやすみ、じゃあね!」


 そう言って彼女は家に入る。

 それを見て俺も家に向かって歩き出した。


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