第3章 響きわたる炎にのせて 3-28
「ふふふ、可愛いらしいね
どうしたんだい?武器を持つのは初めてかい?
君の非力な細腕ではこの武器は重過ぎると思うけど?」
「これでも、通常状態よりも力上がって
70キロくらいまでの物なら振り回せるんだけど……
貴女のそのハンマーどれだけ重いのよっ?」
「たったの300キロくらいさ、淑女
そうだね、グランドピアノより少し重いくらいだよ」
「300⁉︎
異常な程の怪力ね、それはスキルのせい?それとも役割のせい?」
「教える訳無いじゃないか」
「イジワルね」
「互いにね」
オリアナは、数歩後ろに下がると
着けていた通信機でジャックの詠手である燈子と通話をする
「ドローンカメラで最初から見ていたんだろ?
なら、私の相手が加速してから普通の速度に戻るまでの時間とかって解析とか出来るかい?」
「ああ、見ていたし
お前に言われるまでもなく計測してたよ
だけど、一回目と二回目で3秒も違ってた
だからスキルの制限はそこじゃないと予想する
出来ればもう少し長く発動させる様に誘導とか出来ないか?
そうすれば、情報が集まると思う
それと、センサーとか映像解析の準備があるから数分間、時間稼ぎをしといて欲しい」
「無茶振りを言うね
だが、それで解析出来るなら頑張ってみるさ
(こちらがスキルを探る為にワザとスキルを使わせようと悟られないようにするには……
出さざる負えない状況を作るしかないか…
今回の為にわざわざ調整した奥の手を使わせて貰うか)」
今度は通信機で時武と連絡を取る
「もしもし、聞こえるかい?」
「わざわざ声をかけて来たって事は、1のスキルの改良版を使うって事でいいのか?」
「察しが良くて助かるよ、頼めるかい?」
一連の会話を聞いていて、里帆は今までの事を思い出し点と点が線で繋がった
時々、呟いていた数字
詠手が居ないはずなのに身体能力もスキルも衰えた様子が無い事
そして、オリアナの後ろにあるドローン
「貴女、そのドローンで遠くに居る詠手に映像を送って、詠手は安全圏からスキルを発動させてるのねっ!」
「まぁ、その通りだね」
オリアナは隠す素振りも見せずに答える
「でもデメリットはあるよ、スキル発動にタイムラグがあるから瞬間的な対応はし辛い」
「それでも詠手が安全圏に居るから狙われないメリットの方が大きいから懸命な判断ね
貴女の詠手って病院で見た如何にも病弱そうなあの子でしょ?
狙われたら逃げる間もなく殺されそうだものね
この場にいたら私も間違いなく狙うもの」
「いや、今回妹が来なかったのは病状が悪化したからだよ
スキルを自分で使っても良かったけど、自分でスキル発動したらスキルの威力が下がるでだろう?
そんな経験今まで無かったんだよ、そしたら作戦を立てたヤツが不確定要素は徹底的に潰そうって言ったから
詠手を一時的に他の人に譲渡したんだ」
「って言う事は、今の貴女の詠手はあの赤ずきんの詠手の人かしら?」
「exactly」
「というか貴女急に饒舌に話出したわね?
さっきまで情報を出し渋っていたのに」
「ちょっとした時間稼ぎさ、君の全てを知る為の準備のね
時武、スキル発動よろしく」
「了解!」
「「騎士団の行進•終幕」」
時武とオリアナの声が同時にスキル名を叫ぶ




