第3章 響きわたる炎にのせて 3-21
「さて、これで場が整ったな」
「???何の??」
ユーが何か不穏な気配を漂わせて仁王立ちしながら深呼吸をすると恐ろしい提案を口に出した
「このゴミを殺すための」
ユーの目は対象でない私でさえ思わず身震いする程純度の高い殺意に満ちていた
しかし、その目を私も覚悟を決める
愛芽梨ちゃんの為に、ここでこの男を殺す覚悟を
「どうやってやる?後処理はどうする?」
「出来れば自殺に見せかけたいがここだと厳しそうだし、縛って生きたまま運んで近くの山で自殺に見せかけるか、山でそのまま殺して埋めるか……」
ユーと私が男を見ながら話し合っていると、何処からとも無く声が聞こえて来た
「貴女達の強い思いを感じました、その思いを叶えるチャンスが欲しいですか?」
突然の声に慌てて辺りを見回すが誰もいない
「誰だお前は?そして何だその怪しいセリフは?」
姿は見えないが、すぐ傍に居る様な声量で返答がする
「私は×××××です、それから先程の台詞はそのままの意味です」
「いや、わかんねぇから説明してくれよ」
「貴女にも分かるように説明するならば、ゲームに参加して10人から10種類のアイテムを集めれば願いを叶えられると言うものです」
「そのゲームの詳しいルールは?」
「それは、参加すると表明したら、知識を貴女方の頭に直接流し込みます」
「………」
ユーは黙って考えているが、私は参加を決めた
「私は参加するわ」
「マジかよ、多分だけど
このゲーム奪い合いが前提のルールだぞ」
「それでも、やるわ
そして、愛芽梨ちゃんの記憶からこの男を消す
そうすれば、愛芽梨ちゃんは幸せになれると思うから」
「なるほどな、そういう事なら俺も参加する
そうすりゃあ、一個分のアイテムは無償で手に入るだろうしな」
ユーと私が参加表明すると姿は見えない相手が笑ったような気がした
「それでは、貴女達に力を与えます
次に会う時は願いを叶える時になるでしょう
さようなら」
直後に私達の頭の中にゲームの内容が入って来る
「これ、どちらかが詠手になった方がよかったんじゃないの?」
「だな、アイツわざと話さなかったな
くそっ、してやられた感があるな」
「まぁ、りっくんにそういう設定の話を書くからアイデアを頂戴とか言って書いて貰おうかしら」
「りっくんを騙すのは、ちょっと気が引けるけど
愛芽梨の為ならしゃーないな」
やれやれといった感じで腰に手を当てて歯が見えるくらいに口角があがっている、そして、一息着くと今度は真剣な表情で
「さて、とりあえずこのゴミを山に捨てて来るか」
吐き捨てる様に残酷な言葉を紡ぐ
その声色は本当にゴミを捨てに行くみたいに軽く感じる
だが、それに不快感は無い
何故なら私にとってもこの男は、ゴミなのだから




