第3章 響きわたる炎にのせて 3-20
夜中、寝ているといきなり電話が鳴り目を覚ます、こんな時間に誰だ?と思い携帯の画面を見ると愛芽梨ちゃんからだった
嫌な予感がして急いで電話に出ると
「里帆お姉ちゃん!助けて、お父さんがまた……」
そんな声が聞こえて来たかと思うとすぐに電話が切れた
次の瞬間には、ベットから跳ね起き急いでりっくんを起こしに行く
りっくんの部屋のドアを壊す勢いで開ける、するとその音で起きたのか、眠気眼をこちらに向けてきょとんとした顔していた
しかし、私の鬼気迫る表情を見てすぐに何かあったと察してくれたのか、質問をして来た
「そんなに慌てて何があった?」
「今、愛芽梨ちゃんから電話があって……
助けてって叫んでたの、そしたらすぐに電話切れちゃって」
「急いで愛芽梨ちゃんの家へ向かうぞ」
「はいっ!」
準備を1分程で整えると私達は車で急いで愛芽梨ちゃんの家向かう、途中でユーにも電話をした、ユーも急いで愛芽梨ちゃんの家へ向かうそうだ
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15分後、愛芽梨の住むアパートに辿り着く
そこにユーも数秒遅れてやって来る、3人で部屋の前まで行きドアノブを回すと何の抵抗もなく回る、どうやら鍵は掛けていないようだ
そのまま、ドアを開けると衝撃の光景が目に飛び込んで来る
酒瓶や空き缶が転がった部屋で
父親が愛芽梨に馬乗りになりタバコを押し付けている、しかもそれがどう見ても目を焼いているのだ、異常な現状に脳が理解を拒んでいる
人の行為として明らかに一線を越えている
「------」
私が愕然としていると、りっくんが声にならない声を叫びながらクソ野郎に近付いたかと思うと、そのまま殴る
クソ野郎は後ろに倒れると起き上がろうとするが、酔い過ぎているのかうまく立てずに壁を背に座り焦点の定まっていない虚な目でただただ、こちらを見ているだけだった
するとりっくんがクソ野郎の胸ぐら掴んで詰める
「お前は生まれ変わって、愛芽梨ちゃんを大切に育てると誓ったんじゃないか?
酒も辞めるって言ったのにどうしてまた飲んでるんだ?
お前は俺達を騙したのか?」
「…………」
「何とか言えよっ!」
もう1発殴る
さらに殴ろうとしようとしたので私は慌てて止める
「どうして止めるんだ?!」
「そんなヤツに構ってるよりも先に愛芽梨ちゃんを何とかしないといけないでしょ
ソイツなんて後からどうとでも出来るじゃない」
「……そうだな」
私達は改めて愛芽梨ちゃんを見る
愛芽梨ちゃんは筆舌に尽くし難い状態だった
口、鼻、耳から血が出て、顔も腫れ上がっている、だがさっきタバコを押し付けられていたのに火傷の跡が見られない
けれど、顔に灰が散らばっている為火が付いたタバコを押し付けられたのは間違いない
じっくり観察すると顔に左目の辺りに灰が多い事に気が付いた、それと同時に嫌な想像が脳裏を過ぎる
考え過ぎであって欲しいと思いながらも愛芽梨ちゃんの閉じている瞼を開けて左目を確かめる
目の白い部分が真っ赤に充血しており、明らかに異常な状態だと一目でわかる、心にドス黒い感情が湧き上がる
アイツは人の皮を被った悪魔だ
激情に駆られ虚な目で座り込んでいる男を睨みつけていると
「りっくん、お前は愛芽梨を病院に連れて行ってくれ、この距離と時間帯なら救急車を呼ぶよりあんたの車で行った方が早いと思うからよ
そして、その間に俺と里帆でこのゴミから話を聞いておくから」
ユーが冷静に提案して来た、しかしその瞳には男に対する明確な殺意が見てとれた
「わ、わかった
でも無茶な事はするなよ、何か起きたらすぐに警察を呼ぶんだぞ」
りっくんは、そう言うと素早く愛芽梨ちゃん抱き上げて車へと走って行った




