第3章 響きわたる炎にのせて 3-13
里帆も俺と同じで家族で苦労して来たんだなと考えると親近感が湧いた、そこから里帆とも打ち解け3ヶ月も経つと本当の姉の様な存在に思えた
そんな明るい日常を送っている中、また問題が発生した
それは、セミの鳴き声がうるさい8月の出来事だった、里帆と俺が買い出しの帰りの最中に1人の女の子が路地裏で倒れていた
一見すると、ボロボロのランドセルだけが捨てられている様に見えるが、よく目を凝らすと女の子がうずくまっていた、それはまるで亀が殻に籠るような感じで丸まっている体勢だ
俺達は、人だと気付くと急いで駆け寄り、声を掛ける
「おい、お前大丈夫かっ?」
小学生低学年くらいの少女はうずくまった体勢のまま気を失っているようだった
「マズいぞ里帆、コイツ意識が無ぇ」
「なら、救急車を呼ぶわ」
里帆は、即座に救急車を呼び、その間に俺は外傷は無いかと確認の為に少女を持ち上げると、その身体は異様に軽かった
そして、顔は傷やアザだらけで服も捲るとそこも同じ有様だった、明確な暴力の跡
ここまで、あからさまの傷だと親は絶対に気付いてるはずなのに、処置が施された形跡が見えない
そこから導き出される結論は、虐待
そう思うと心の底から怒りが込み上げて来るし、もはや親というモノが悪魔の代名詞に感じる
暫くすると救急車が到着し、里帆が付き添いとして一緒に病院へと運ばれて行った
俺は店へと一度戻り、おっさんに事情を説明する、するとおっさんも病院へ向かうと言い出したので、店を臨時休業にして俺達は病院行った
病院に着くと里帆に状態を聞いた
「倒れてたのは、栄養失調が原因らしいわ
胃と腸は空っぽで恐らく2〜3日何も食べてないみたいよ」
「こんな状態になるまで放置だなんて親は何やってんだよ」
おっさんがこれまでに無いくらいに感情を剥き出しにして怒っていた、そのおかげで俺は逆に冷静になれた
「とりあえずさ、コイツの親に連絡を取ろうぜ
じゃなきゃ、話が進まないだろうしさ」
俺はガキの持っていたランドセルを漁り何か親や家と連絡先が分かりそうな物を探す、そして中から家の住所が書かれた紙が入っていた
それをおっさんが横から勢いよく取るとそのまま走って行ってしまった
「ユー、私がこの子を看ておくから陸を追いかけて」
里帆に言われて俺は慌てておっさんを追いかける、そして、何とか車に乗ろうとしているおっさんに追いつき一緒に女の子の家に向かう




