第1章 潮風に混ざる鉄 1-2
俺達は、図書館で赤ずきんの本を何冊か読む事にした
書いてる人によって結構内容が変わっていて面白いなと感じた
「スキルを作る時って、別に1つの本からとか絞らなくていいんだよな?」
「うん、大丈夫
いろんな人の本を読んで、そしてその中で自分の感じたモノをスキルとして昇華するもんだから
逆に1つに絞ったらスキルの幅が狭くなると思う」
「なら、後数10冊くらい読むか」
そうやって本を読んで自分なりの解釈しつつ2つ程スキルを作った
一息着いたので伸びをしながら周りを見渡すと人が殆ど居なかった
集中していて、自分では気付いていなかったが
結構な時間が経っていた
窓を見上げるとそこには、真っ赤な夕日があった
正面にある時計を見ると時刻は、6時近くになっているとを示していた
夕方なので、俺達は家に帰ることにした
今日の夕飯は何かなと思いつつ図書館の敷地内を出た瞬間
頬が何かを掠めていった
そして、鉄臭い匂くて生暖かい何かが頬を濡らす
血
と認識したと同時に恐怖を感じた
昨日と同じでまた焦って身体が思うように動けないでいると
「チェッ、外しましたわ」
と声が聞こえた方角を向くと
そこには、塀の上に人魚みたいな女の子がいた
「あれって絶対人魚姫だよな?」
「そう思う」
「ええ、そうですわ
私は人魚姫ですわ
あなた達美しい私に出会えた事に感謝なさいな」
人魚姫さんは自分から正体を明かしてくれた
バカなのではないんだろうか?
「そこの男
あなた、正体を教えた
私の事をバカにした目で見てますが、あなたこそバカではなくて
確かに図書館は安全地帯ですが待ち伏せの可能性考えてまして?」
「あっ」
「おいっ!
まさか本当に考えてなかったのかっ!」
「やはりおバカさんですね」
「い、いや違うぞ
誰がプレイヤーかわからないから、待ち伏せ何て普通考えないだろ」
俺は焦りながらそう言い訳をする
そして、ふと疑問に思った
「何故、お前は俺達がプレイヤーって分かったんだ?
普通見分けなんて付かないだろう?」
「それを答える義務は有りませんわ」
そう言うと手を指鉄砲の形にして
人差し指をこちらへ向けて来た
「どうせ知った所で戦う事に変わりはありませんもの」
人差し指の先端に水が球体状に集まった
そして、そのままそれがレーザーのように発射された
それを何とか転がり避ける
それから、スキル書を出した