第3章 響きわたる炎にのせて 3-2
作戦が決まったと同時にメアが走り出す
「無茶だ、そんな事をすると縫った傷口が開くぞ」
辺見がメアに注意する
「ハッ、なるほどなぁ
先に別のヤツと戦って怪我してんだなぁ、手負いなら楽勝だな」
バンギャ少女が肉食獣が獲物を前にしたかの様な笑みを浮かべる
「狼の牙、縫合の糸」
「ナイフなんか出して大道芸でもしてくれんのか」
「ああ、面白い手品を見せてあげる」
メアは、ナイフを近くあった並木道の木へと投げる
「何処投げてんだよ?それとも暗くて良く見ないのかぁ?」
「貴方もナイフを良く見た方がいいよ?」
「あぁ?」
「ユー後ろっ!」
ユーと呼ばれた少女は、後ろを振り返った
すると、すぐそこにナイフが迫っていた
この速度と距離から回避行動を取っても避けられないはずだったが
急にナイフの速度がスローモーションになる
「サンキュー、助かったぜ里帆」
ユーはナイフを避けれた事に油断していつの間にか自分の足に針が飛んで来て刺さっているのに気づかなかった
「うっ、あ?」
ユーは、その場でフラフラとしながら膝をついた
「おあえあ、あいをいあ」おまえらなにをした
呂律が回っておらず最早言葉が聞き取れない
そして、そのまま地面がベッドであるかの様に眠りに入る
ユーに残りの2人が走って駆け寄ろうとするがそれをメアがナイフを投げて近付かせないように牽制する
そして、メアはユーの身柄を確保する為に近寄った
あと少しで手が届く距離に来るといきなりユーが顔を上げ、腕をこちら側へと伸ばして指を鳴らす
すると、メアの至近距離で炎が爆ぜる
そして、メアとユーの身体が後ろの方へ吹き飛ぶ
互いに地面を少し転がった所で停止する
「ちぇ、タイミングが少し早かったか、直撃してねぇじゃねぇかよぉ」
「どうゆう事だ!針は当たったはずだろ、何故眠らない?」
「眠気か、確かに今にでも横になりてぇくらいの眠気があるがよぉ
そんなのは、痛みがあれば誤魔化せるだろ?」
そう言いながらユーは自分の太ももを指差す
そこには、メアが投げたナイフが刺さっていた
「ッ!自分で刺したのか」
「おねんねしてて、負けましたってよりマシだろ?
(まっ、そんな長くは保たないだろうがよ)」
ユーが痩せ我慢した顔で嗤っていると、肩の方に先程と同じ痛みが走る
え?と思い肩を見ると針がもう一本刺さっていた
「はぁぁぁあああ?!」
思わず叫ぶユー
「一本でダメなら二本目を刺すだけだ」
「くそがっ!
(ああ、畜生がっ!このままじゃねm……)」
二本目は耐えられずユーは今度こそ眠りに着き崩れ落ちる様に倒れた




