第2章 ひび割れた純真 2-29
私は、剣を支えにして立ち上がる
「予言してやる
今、私が騎士団の行進を発動してから9分経った
だが、スキルが終わるまでに貴方を倒してやる」
「ふっふふふふ
君、それは予言じゃなくて願望というんだよ」
バカにしたように知童が返す
だが予知は、瞬間移動に対抗する為のスキルだったのだ、つまり瞬間移動が使えない状態なら使う必要のないスキル
なら、条件は振り出しに戻っただけだ
ダメージを受けて落ちているが速さではまだ勝っているはずだ
「(つまり、この1分で勝敗が決まる
それならば、私はこの1分間は血に飢えた獣になる、確実に相手を殺す獣になるのだ
負ければ、妹も出来たばかりの友人達も失う事になるから)」
そう覚悟を決め、大剣からショートソードを2本に切り替え突っ込む
「はあぁぁぁああ」
振り下ろした剣は、知童の剣で簡単に防がれるが、そんな事はお構い無しに連続で切り付ける
何度もガードされるが、数回に一回は鎧に当たる
当たる度に、入っていた亀裂が拡がり始める
「くっ」
不利を悟ったのか、知童は後ろに飛び退いて距離を取ったが
「逃がすものかぁ!」
私は、全力で地面蹴って猪突猛進で追いかける
残り30秒
「多留姫!馬を出せ」
「黄金の馬」
目の前に金の防具を着けた馬が現れ、知童はそれに飛び乗った
恐らくこれで時間いっぱいまで逃げ回る気だ
「そうはいくかぁあああ!」
今度は、ハルバードに持ち替えて、馬の首に全力で振り下ろし叩きつける
防具を破壊し、そのまま首に深く突き刺さる
馬は暴れ回るが知童は、何とか落ちずに体制を整えるの必死になっていた
私はハルバードを支点にして、空中で宙返りし、その勢いのまま知童の脳天へハルバードを振り下ろす
バキっと鈍い音がなり兜が壊れる
頭から血が出ているが、兜があったお陰で傷は浅い
しかし、バランスを崩して馬から落ちてしまった、それを今度は、槍に持ち替えて追いかける
後15秒
「多留姫、今度は肉壁を出せ」
「はい、わかりました」
多留姫が携帯を開いてスキルを使おうとする
それを阻止するために、槍を携帯目掛けて投げる
だが、飛来物が大き過ぎて簡単に避けられてしまうが、その後に小石が飛んで来て多留姫の手に当たり持っていた携帯が遠くへ飛ぶ
「槍を囮にしたのか」
知童へと向き直り、トドメを刺す為に確実にダメージの入る大剣を出して、走り出す
後10秒
知童までの距離2m
8
そして、攻撃の届く距離に入る
7
大振りの袈裟斬りは知童の剣に止められる
6
振り下ろした剣を返す刃で振り上げる
5
また剣でガードされるが、何度も攻撃を受け止めていた剣は根本から折れた
4
咄嗟に知童は、オリアナを蹴って距離を稼ぐ
3
が、すぐに反転して知童へ向かって行く
2
知童はまた逃げようとするが
「荊の城」
ここに来て新しいスキルが発動されて、出て来た荊で逃げられないように足を拘束された
迫るオリアナ、後一歩で剣の届く距離
この剣が当たれば勝ち
知童とオリアナの視線がぶつかり合った
その瞬間
ピシっ
嫌な音がなる
すると、オリアナの鎧が少しずつ割れながら消えていった
時間切れ
それを見て知童は、勝ちを確信したのか笑みを浮かべていた




