第2章 ひび割れた純真 2-28
膠着状態になったオリアナは、焦っていた
騎士団の行進状態になって既に8分経過、さらに知童のあの邪悪な雰囲気
恐らくだが、災厄の予言に対抗するスキルが出来たのかもしれない
だが、これを使わないと防御すらままならない
追い討ちにスキルの反動で視界が少しずつボヤけて来る
後、数回も使えば数時間は、一時的に何も見えなくなるだろう
なら、一か八かこちらから仕掛けてみるのも一手か…
覚悟を決め動き出そうとすると知童が先に動いた、呆気に取られて初動が遅れる
「セレナっ!」
急いでスキルを催促する
「災厄の予言」
察してくれたようですぐにスキルを発動してくれた
すると、フルフェイスで見えないはずの知童の顔が笑ったように錯覚した、嫌な予感がする
不穏な気配がまとわりつく、まるで大蛇に巻き付かれたみたいだ
「っ……」
息が詰まり、身体が強張る
そこに、予知が発動し未来が見える
そこには、正面から斬られる自分の姿が映る
何の工夫も無く、正面から?!
混乱していると
「禁忌指定」
多留姫がスキルを発動させる
すると、覗いていた未来にノイズが走り、やがて完全に見えなくなった
「えっ?」
惚けてる間に知童は、目の前に来ていた
そして、防御も避けるのも間に合わず
一閃
右肩から左腹部への斜めに振り下ろし、鎧も砕け血飛沫が上がる
オリアナは、膝をつきその場で崩れ落ちる
「お姉ちゃん!」
「寄るなっ!」
近付いて来ようとしているセレナを急いで制止してから、知童へ質問をする
「どうやって、私のスキルを無効化した?」
「教える義理は、無いが…
そうだな時間稼ぎの意味も含めて教えてあげよう」
「(時間稼ぎ…?
あっ、そうか騎士団の行進の持続時間か)」
痛みで思考が上手く回らない
だが、こちらの状態をお構い無しに説明を続ける
「禁忌指定と言うスキルでね
簡単に言うとお互いのスキルを一つだけ指定して封印するスキルなんだ
勿論、スキルを指定出来るのは私だけ」
「それじゃあ、貴方は何のスキルを封印したんですか?」
「旅だよ
これは、余談だが
私が思うにこのゲームは常に後出しジャンケンを強いられている
後出しが出来なくなった時点でもう負けだ」
知童は、剣を正面で杖ようにして持ち仁王立ちになりながら問いかける
「それで?君達はこの状態から後出しジャンケン出来るのかな?」




