第2章 ひび割れた純真 2-26
「さて、ここまで広ければ戦闘に支障は無いだろう」
知童は、そう言うと振り返りこちらに剣先を向ける
「ああ、決着を着けようか」
宣言すると同時に私は、トップスピードで刺突をする、先程のメアよりも速い
なら、メアの速度ですら対応しきれなかった知童はこれで終わるはずだったが
「旅」
多留姫がスキルを発動させると、一瞬にしてその姿が消えた
私は、背後に気配を感じて振り返るとそこには、剣を振り下ろす知童が居る、すかさず剣でガードする
ガキィィン
知童の剣撃は、その細い体の何処から出ているか分からないほど強い、その威力はバットで思いっきり鉄骨を殴った時ぐらいの衝撃だ、騎士団の行進で強化された状態の私ですら腕が痺れる
この剣を喰らって生きていたメアは運が良かったのだろう
どうにか、この攻撃を切り抜けつつヤツにダメージを与える事を考えなければいけないのだが
「旅、旅、旅………」
多留姫が瞬間移動するスキルを連発する
すると、知童が現れては消え現れては消えを繰り返し、何処から攻撃が来るのかが分からない
これだと、カウンターを狙うどころか防御さえ厳しい
そうやって、モタモタと考えている内に知童が攻撃を仕掛ける、たまたま視界に入る位置からの攻撃だったのでギリギリで避ける事が出来たが、知童は手を休める事なく連続で襲いかかった
次は、背後からの奇襲
流石に避けられるずに当たってしまった、だが距離が近過ぎて威力が出ず、前方によろけるだけで済んだ
しかし、体勢が崩れたこのピンチを相手が見逃すはずも無く、追い撃ち仕掛けて来た
直撃は不味いと思い慌てて盾を出してガードする
ガードは間に合うが、更に弾き転がされて近くにあったベンチに激突し停止する
たった数回の攻撃で結構な体力を消費してしまっていた、さらに追い討ちをかける事実がある、騎士団の行進を発動してから既に5分が経過してる
非常に不味い状況だ
時間制限がこちらにはあるので、長期戦は無理なので、短期決戦で挑むしかなかったのだが
勝っているスピードでの勝負をしたかったが、相手のスキルでほぼ無意味になったし、パワーなんて強化しているはずのこちらの倍近くあるのだ、今のままでは勝てる気がしない
と、そこまで考えて立ち上がって、セレナの方を見るとスキルを出す準備をしていた
流石!私の妹だ、私がして欲しい事を現状から割り出すとは、後で嫌と言う程褒めてやらねばいけないな
「災厄の予言」
このスキルは、数秒先に訪れる不幸な未来を覗く事が出来るスキルだ、これなら瞬間移動で現れた知童を予知し斬る事が出来る
ただし、反動で1回使う毎に数時間の間、視力が低下するので濫発は出来れば避けたい
集中をする為に深呼吸し両手剣を構えると早速、未来視をする
3秒後に前方右斜め
「(3、2、1 今!)」
出現場所まで一気に距離を詰めて薙ぎ払う
「ぐっ」
反撃が予想外だったのか剣をもろに喰らって、今度は知童の方が後方へ吹き飛ぶ
知童は、戦闘の経験が浅いのか受け身も取れずにただ転がるだけだった




