第2章 ひび割れた純真 2-25
ガキンっ
鉄と鉄がぶつかる音が聞こえ俺は、目を開けた
すると、知童の剣をオリアナの剣が止めていた
「選手交代だ、ここからは私が相手になろう」
既にフルプレート状態のオリアナが知童を真っ直ぐに見据えて言うと
「いいだろう、けどここは狭い
丁度良く中庭への道が開いたのだから、そこで戦かおう」
知童は、場が悪いと踏んだのか外で戦う事を提案する
「了解した」
その提案をオリアナが了承し、2人が外へ出ようとするとセレナが声をあげる
「私も詠手なので着いて行きます、他の皆さんはメアさんの治療をお願いします」
そこへ辺見が思わぬ発言をする
「なら、多留姫君も着いて行くといい、君が知童の詠手なのだろう?」
「えっ?!」
「先生〜、どうして私が知童先生の詠手だと思ったのかなぁ?」
「先ず、このおかしな空間に閉じ込められた時にずっと平静なのが変だと感じてずっと観察していた
そうしたら、オリアナ君が初めてスキルを使った時にわざわざスキルの内容を聞くのが怪しかった、まるで弱点を探るような感じがした
極め付けは、先程知童がメア君の目の前にいきなり移動して来た時に君が携帯を弄っているのを見た
その携帯が時武君とセレナ君が持っている本の代わりじゃないのか?」
「辺見先生って意外と私の事見てたんだね
私を煙たがってる雰囲気あったから気にしてないと思ってたのになぁ」
多留姫の今まであったバカっぽい気配は消えて今度は、殺気に満ちた雰囲気を纏った
おそらく、あの頭が足りて無さそうなのは演技だったのだろう
「はぁ、バレたならもういいか
怜さん、いつも通りさっさとコイツら殺して、ゾンビにしちゃおうよ」
そう言うと多留姫は、知童の腕を引いて中庭へと歩いて行った、セレナとオリアナもその後を追う様に中庭へと向かう
室内には、俺とメア、辺見先生の3人になる
「さて、メア君の治療を行いたいのだが、この切り傷を縫うための道具がないがどうしたものかな」
「だったら、縫合の糸を使って縫って下さい、先端に針を出す事も出来るんで」
「それならば、有り難く使わせて貰おう」
俺はスキルを発動させて糸と針を辺見先生へと渡す、辺見先生は、手渡された道具を細部まで確認するとメアの切り傷を縫い始めた
「麻酔がないから痛みは我慢してくれたまえ」
そう声掛ける辺見先生の声色は、優しい感じがした
しばらくの無言が続いたが、辺見先生は何かを思い出したかの様にこちらに会話を振ってきた
「ふと、気になったのだが
君、私に対して急に敬語になったね、どうゆう心境の変化なのかね?」
「いや、何か犯人として疑ってたから粗雑な受け答えをしてしまっていたので
でも、今は疑って無いし年上なので敬語使おうかなと思いまして」
「現金なものだな」
俺はバツが悪くて目を逸らした




