第2章 ひび割れた純真 2-24
メアの攻撃は、知童に余裕で避けられた
外したハンマーは、そのまま知童が座っていた椅子と近くにあった机を粉々にした
当たれば結構なダメージになるがやはり速さが足りない
そして、攻撃を躱わした知童は既に全身を騎士団の行進状態のオリアナみたいなフルプレートの鎧を着て戦闘状態になっていた
「メア、ハンマーだとスピードが足りないからナイフでいくぞ
腹裂きのナイフ」
メアは、ハンマーからナイフに切り替えて知童に飛び掛かる、本来の速さに知童は対応が出来ていないようであった
メアは、脇をすり抜け知童の背後に回ると背中にナイフを突き立てるが、鎧が硬すぎて弾かれる
攻撃が弾かれた瞬間に腕を掴まれて引き寄せられる、そして胴体を剣で袈裟斬りされる
だが、さっき使用した"狼の牙"の投げナイフ入りのホルスターのおかげで深く斬られる事は無かったが、斬る力が強くそのまま壁へと吹き飛ばされ膝をつく
「くそっ」
悪態をつくメアの顔は、とても苦しそうだった
あの様子だと恐らく肋骨が折れたかもしれない
メアは、直ぐに起き上がると知童へと向き直り、もう一度攻撃を試みようとしている
ナイフだとスピードで勝てるがあの鎧を通る攻撃力は無い
さて、どうするかと思っていると
メアは、俺の方へ一瞬だけ目配せして"縫合の糸"のスキルを使えとハンドサインを送る
俺がスキルを使うとほぼ同時にメアは、走り出す
しかし、先のダメージの性かスピードが当初よりも遅い、この速さには知童は対応出来るみたいで、メアの動きに合わせて剣を振るう
メアはスライディングをして剣を避けながら知堂の脚へ糸を絡ませて、そのままハンマーの元へと辿り着く
そして、ハンマーを片手で掴み引き摺りながら知童へと走り出す、知童は床を重さで削りながら迫って来るハンマーを避けようとするが、メアはもう片方の手に握っていた糸を引っ張り知童が逃げられないようにする
そして、知童は動けずにハンマーが直撃して吹き飛んだ、そのまま壁を壊して中庭へと転んでいった
メアはその後を追いかけようとするが、無理にハンマーを片手で振り回した性か、どうやら腕の筋肉を痛めたようで、その場で腕を押さえて膝をついた
俺は急いでメアに駆け寄ろうとすると、吹き飛んだはずの知童がメアの目の前に居た
知童は、そのまま無防備なメアへと剣を振るう、それに気付いて回避をしようとするが完全に回避するのは間に合わず身体に巻かれているホルスターを避けるように斬られ、今度は戦闘続行不可能な程のダメージを負ってしまった
「がっ」
斬られて口から肺の空気と共に血を吐く
「このまま、殺してゾンビとして操ってやる」
命を刈り取る刃がメアと降ろされる
俺は思わず目を閉じた




