第2章 ひび割れた純真 2-23
「先ずは、床が壊れやすいように"狼の牙"で杭を立てる」
メアは、指示通りにナイフを円形状に突きたてる
「次に、作った円を全て覆うくらいの面のハンマーを出す」
その指示でオリアナが2m程もあるウォーハンマーを取り出した
それは、身長の高いオリアナが使うなら兎も角メアが使用すると考えるとあまりにも大きく過ぎる様に思えた、しかも、重さもかなりの物に思える、何故なら"騎士団の行進"を発動中のオリアナですら重そうにしているからだ
「出してもらってなんなんだけど、これメア持てそう?」
「無理でもやるさ」
メアは、強がりを言いつつハンマーを持つ、全身がプルプル震えてはいるが何とか持ち上げるた
「この重さなら一撃で壊せそうだ、というか一回分しか体が耐えられそうにない
だから、時武、スキルのタイミング間違えないでね」
俺は、相づちで返答する、メアはそれを確認して力いっぱい跳躍した
「がぁぁああああ」
最早、人間の物とは思えない獣の様な咆哮を上げながらメアは、ハンマーを振り下ろしながら落下すると同時に俺はスキルを発動させる
「腹がいっぱい」
ハンマーが床に激突する
すると、地震が来たかの様な錯覚を起こす程の大きな揺れを建物全体に、響かせながら床に大きな穴が空いた
そのままメアは、1階の医院長室へと落下して行った
俺達は、怪我をしないようにゆっくりとその後を追った
部屋に着くと1人の男が医院長室の豪華な椅子にふんぞり帰りながら座り待ち構えていた
それは、俺の事を診察し噂話も聞かせてくれた気の弱そうな医者だった
「黒幕は、君だったのか知童」
知童……確かオリアナに鍵を貸してくれた医者だったはず
確かに気弱そうな見た目だし、まさかこの人が自分達の事を罠にかけるとは、考えきれないな
だが、黒幕だったとしてどうしてオリアナを狙ったのだろう?プレイヤーだとバレてたのか?
「知童先生、どうして私達を殺そうとしたのですか?」
聞かれた知童は、底冷えする視線をオリアナに向けながら答えた
「君、金持ちの娘だろ?
僕は、金持ちと頭の悪い連中が死ぬ程嫌いだからそういう奴らをターゲットにしてるだけさ」
恐ろしく自分勝手な理由に俺は憤りを感じた
「ふざけるなっ!そんな身勝手な理由で人の命を奪っていい理由にはならねぇだろ」
「今まで俺はそういうヤツらに大切なモノを奪われて来た
なら、俺がヤツらから奪っても文句はないだろう?」
その発言に我慢の限界を迎えたのかメアは前進しながらハンマーを振り下ろした




