第2章 ひび割れた純真 2-20
「縫合の糸、狼の牙」
窓側の壁は、破壊は出来ないがナイフなどの小さい物ぐらいなら刺さるのはさっき確認した
なので俺達は、先ずは後ろの敵が来ないように糸をナイフで固定して網目状に展開させてバリケードを作る
これで、後ろからのゾンビ共は大丈夫
そして、前から来るヤツは
「狩人の銃」
「オリアナ、まさかこの状況でグロに気を付けろとか言わないよな?」
「ああ、言わないよ」
「GOサイン出たし、やるぞ」
機関銃が火を吹く
すると、次々と物言わぬ肉の山が出来上がる
だが肉が重なって来ると段々と奥に居るゾンビ共に弾丸が当たらなくなっていきジリジリと俺達が居る場所へと近付いて来る
だが逆にメアはゾンビ共へと突っ込んで行く
「腹がいっぱい」
俺はその意図を察してスキルを発動させる
スキルの影響でゾンビ共は、地面にめり込む様にして叩きつけられる、そこをメアが機関銃で蜂の巣にする
それを数回すると、前方に居たゾンビ共は1匹残らず動かなくなっていた
「圧巻だな」
辺見も無意識に褒めた、そして、先程の動揺など無かったかの様に
「では、後ろのバリケードが機能している内にさっさと前に進むとするか」
前進の指示をする
「うぇ⤵︎気持ち悪ぃい
せっかくのおニューの靴が汚れるぅ」
「人の臓物を踏む感触などあまり感じたくないな」
多留姫とオリアナは、嫌そうに廊下を進む
それとは、対象的にメアと辺見は、いつも歩く道を歩いている様に気にした様子もなく進む
斯くいう俺も少し気持ち悪く感じてはいるが、セレナをこんな中を歩かせたくなくて背負って進んでいるのでカッコつけたいが為何も無い様な態度を取っている
そして、距離にして50m程しかない廊下を渡り終える頃には、1kmを移動したかに思える程精神的な疲労をしていた
「それで、別棟に着いたがここもさっきの棟と同じ感じで隅々まで調査するのか?」
「いや、恐らくだが病室には何も無いと思う
ここは病室以外の部屋を調べる
だから、2階までは無視してもいい
つまりこの棟は、1階を調査するだけでいい」
そうして、俺達は1階へと降りて行ったが、道中は何の妨害もなくすんなりと着いた
「1階に着いたけど、ここって何があるの?」
メアが辺見に質問する
「幾らかの病室と霊安室、医院長室だ」
「霊安室……」
「ゾンビを操るヤツが如何にも居そうな場所だろう?」
そう言われて、固唾を飲み込む
多分、辺見は霊安室に元凶が居ると踏んでいる
「なら、さっさとそこへ行って決着を着けるぞ」
メアは、勇み足で霊安室へ行く




