第2章 ひび割れた純真 2-18
その後、俺達は3階、4階と見て周ったが状況を変えるような発見は出来なかった
運が良いのかそれとも、もう品切れなのかわからないが3、4階にはゾンビ共が現れることは無かった
それでも、追い詰められていることには変わりがない
「何も手掛かりが無いって
もう、どうすりゃいいんだよ」
俺は手を上に上げてお手上げーとジェスチャーで表した
そして、さっきからずっと多留姫が静かだなと思っていたら、なんとコイツはずっと携帯を弄っていた
「おい、何でこんな状況で携帯弄ってんだよ
少しは、調査の手伝いとかをしようと思わないわけ?」
「えー、違いますー
遊んでいたわけじゃなくて、電波が入らないかとか時間とかを確認してたんですぅー」
「そりゃ、すまん」
多留姫の意外に脱出を真剣にしようと模索している行動に思わず謝った
「それで、何か発見はあったか?」
「えーと、まず電波が入る様子は、全くなくてぇ
でも、時間は変ですぅ
なんかぁ、時間が進むのがぁ普通よりゆっくりなんですよぉ」
「どんくらい違うの?」
「えーと、ね
ストップウォッチのアプリを起動させて腕時計の針が1分動く間の時間を計測してたんだけどぉ
3分でようやく針が動いたんだよぉ」
「つまり、この空間は普通より3倍の早さで時間が経過している事になる」
検証をすればする程、この空間が特殊である事が浮き彫りになるが、しかして脱出する方法の算段のヒントも全く無い
「辺見先生、これからどうしますか?」
セレナは、辺見に次の指示を仰ぐ
「そうだね、この診察棟を調べ終えたから
今度は、別棟を調べようか」
「別棟は、何があるの?」
「9割が病室だ」
「病室が4階の一角に少ししかないと思ってたけど別棟にもあるのか」
「ここは、セレナ君みたいな特殊な病気持ちの患者用で、別棟が通常の患者用だ
容体に急変があれば検査出来る機械が近い方が都合が良いからね」
「へぇー」
次の方針が決まり、俺達は足早に移動した
移動しながら、気になっていた事を多留姫に質問をした
「さっき、時間確認してたけど
どうして、計測しようと思ったの?」
「それはぁ、先生からお願いされたから♡」
なるほど、酷い言い方だが自ら考え付くような知能を持っているとは思えなかったから、どうしてかと思ったら辺見の指示だったのか、納得
「後さ、すごく気になってたんだけど
他の看護師は、白のナース服にズボンスタイルなのに
何で、多留姫さんはピンクナースでスカートスタイル何ですか?」
「え?私のはコスプレだからだよ」
「え?仕事なのにコスプレしていいですっ?!」
「ん?
あーなるほどぉ、勘違いしちゃってるねぇ
私、患者であって看護師じゃないよぉ」
「「「「えっ?!」」」」
聞き耳をたてていたメア、セレナ、オリアナも俺と同時に驚いた
「コイツは、患者なのに常日頃からナースのコスプレをして私の事を着いて周る変質者だぞ」
衝撃の事実に空いた口が塞がらない
「何を立ち止まっている?早く行くぞ」
気付かぬ内に足を止めていたらしい
辺見に言われて俺達は、改めて足を進めた




