第2章 ひび割れた純真 2-15
人影がどんどん近付いて来るにつれて段々と正体が見えてくる
それは、血を滴れさせながら身体のあちこちには縫合された後も見受けられる
顔も生気がなく、生きている感じがしない
「おいおい、なんだよあれ?」
俺は、思わず叫びながら辺見に近寄って問い詰める
「私に聞かれても困るよ、こういうのは君達の方が理解があるのではないのかね?」
「お前……本当に何も知らないのかよっ?!
じゃあ、何でプレイヤーとかスキルとかって言葉を理解しているんだよ?!」
「それは、君達の言動から意味を何となく理解したに過ぎないよ」
こいつ、単に頭が良いだけなのか本当にプレイヤーじゃないのか判断が付かない
だけど今は、あのゾンビ共をどうにかしないと
「狩人の銃」
早速、ガトリング銃を出してゾンビ共を一斉に掃除しにかかる
「ほぅ、それがスキルと言うものか…」
辺見がそう呟き、思わず辺見の方を見てしまう
「時武!今は、そいつを気にしてる場合じゃないだろ!」
しかし、メアに強く叱責されて、前の方へ向き直る
そして、改めてメアに指令を出す
「メア、撃て!」
「了解!」
ダダダダダッ!
ガトリングの軽快な銃撃音と火薬の焼け焦げた匂い、撃鉄が起こす火花だけが場を支配する
辺りに居たゾンビ共が動かなくなるとメアは、一度銃撃を辞めた
そして、動かなくなったゾンビ共は最早原型を留めていなかった
まるで、ハンバーグに使う挽肉みたいだ
壁にも弾痕や血が飛び散り、あまりにもグロテスクな光景にオリアナは、セレナの目を塞いでこの惨状を見せないようにしていた
「やり過ぎじゃないのか?」
オリアナがメアに文句を言う
「今、現状
時武が利き手を骨折してスキルを新しく作成出来ない以上
所持してるスキルでコイツらを一掃しようとしたらこれしかないんだよ」
「……なるほど
なら、次にゾンビ達が襲って来たら
今度は、私が相手しよう
流石に、毎回こんな惨状になっては、セレナの目に毒だからね」
「話は、まとまったかね?
では、脱出の為の算段を立てようではないか」
「何かアイデアでもあるのか?」
辺見の提案にメアは、質問で返した
「取り敢えず、正面玄関の方から出られないか検証してみようではないか」
他に案も無かったので、俺達はこの1番怪しい辺見の提案に乗る事にした
それから俺達は、ゾンビ共の襲撃を恐れ音を立てないように静々と警戒をしながら正面玄関へと移動した




