第2章 ひび割れた純真 2-12
病院へ到着すると、既に正面の扉が閉まっていた
時間を見ると7時08分間に合わなかったのだ
「どうする?」
「…………」
オリアナに質問したが、黙って何かを考えているのかこちらの声に反応はなかった
「オリアナさん?聞こえてる?」
もう一度、声をかけた
すると、おもむろにポケットからキーケースを出した
そして、その中から一つの鍵を取り出した
「その鍵は、何ですか?」
「これは、もしもの時の為にと知童先生という方から貸して貰っていた、関係者用の出入り口の鍵だ
出来れば、使いたくは無かったのだがね」
「何で?」
「そもそもこれは、セレナとの面会が閉院時間を過ぎてしまった際に、これを使えば正面から出なくていいから
閉まってしまった扉をわざわざ開けて貰わなくて済んで、手間が省けるからと
私は、あまり他の人に迷惑かけたくなかったから有り難く貸して貰ったんだ
返すのは、次会った時でいいからとも言われてな
善意で貸してくれた鍵を自分達の失態の為に使うのは、気が引けるんだ」
「でも、外に放り出されるよりマシでしょ」
「そうだな
では、関係者入り口へ行くとするか」
そうして、俺達4人は裏口へと向かった
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駐車場にて
「せんせっ、今日もおつかれです♪」
「ああ、お疲れ様だね
それにしても君も飽きないもんだね
何が面白くて私の側にずっと居るのだね?」
「ふふふ、そ・れ・は
先生の事が好きだからですよぉ〜♡」
「………それは、嘘だろう?
だって、君は……」
そこまで言って医者の男性は、遠くで今朝遅れないように注意した4人組がこそこそと関係者入り口の方へ歩いて行くのが見えた
まさか、関係者入り口から入るつもりなのかと驚愕した
だか、あそこは鍵がないと入ることは出来ないはず……
まさか、ピッキングでもして侵入するつもりなのかと思考する
流石に、それはまずいと思った
一歩間違えれば鍵穴を壊す可能性があるからだ
そうなるくらいなら、今回は遅刻について厳しめに説教し、鍵を開けて中に入れてやるかと思い、扉の方へ向かった
「あれ?先生何処いくの?」
ピンクナース服の子は、話の途中でいきなり明後日の方向へ歩き出した医者の男性を慌てて追いかけて行った




