第2章 ひび割れた純真 2-10
帰る途中で少し気分が悪くなったセレナを介抱するために、近くにあった万里公園に寄った
セレナは、ベンチに座って休み
メアは、セレナの背中を摩り
オリアナは、飲み物を買いに行っていた
俺はというと気を紛らすために会話していた
「今日は、本当にありがとうございます
おかげですごく楽しめました」
「いや、こちらこそデートをしてくれてありがとう」
「デ、デートだったんですか、今日」
「男女が出掛けたらそれは、もうデートだろう?」
「そ、そうなんですね」
「いや、騙されるな
私とオリアナも居たからデートではないぞ」
「えっ?そうなんですか
もう、揶揄わないで下さいよぉ」
揶揄われた時にこちらを非難する怒り顔も可愛いなぁと考えていたら
セレナは、急に俯いて黙ってしまった
まさか、気分を害したんじゃないかと内心慌てていると
セレナは自嘲するような声で呟いた
「本当に今日は、楽しい思い出だけになると思っていたなに
最後の最後で体調が悪くなって……
時武さんも嫌になったでしょう?」
「いや、そんなことは無いよ」
「ふふっ、優しいんですね
だけど、私は嫌になりました」
「えっ?」
嫌われた?何か癪に障る様な事した?
俺が動揺したのが顔に出ていたのか、慌てて訂正した
「違います、違います
時武さんを嫌いになったのでなくて
私が私自身の体質が嫌になったって事です」
「嫌われたかと思ってびっくりしたよ」
「勘違いさせて、すいません」
「でも、病気って
この前治るって言ってなかったっけ?
なら、別にそこまで深刻になるような事じゃ無いじゃない?」
「治るとは、言ってません
治る方法を見つけたと言ったんです
でも、その方法が結構難しいんですよ」
「どんな方法?力になれる事があれば手伝うよ」
「それは……」
迷っているのか口を噤んで俯いてしまった
暫く静寂の時間が流れた後
セレナは、決心したのか真っ直ぐこちらを見た
そして、口を開いた
「時武さん達は、何でも願いが叶う儀式があるって言われたら信じますか?」




