第1章 潮風に混ざる鉄 1-23
「わざわざ答えてくれてありがとう」
メアがお礼を言うと今度は、人魚姫が質問をしてきた
「逆に貴女の願いは何なのですか?」
メアは、一瞬考えるような仕草をした後答えた
「死んだ両親を取り戻す事」
「………言いにくい事言わせてすみません、謝罪致しますわ」
「いや、気にしなくていい」
気まずい空気が辺りに流れたので、俺は収集をつける事にした
「そろそろ、装飾品回収して解散といこうぜ」
「そうだね、でもその前に
人魚姫を手当てしてもいい?」
「いいけど、手当てって何するの?」
「分離した上半身と下半身を縫合の糸で縫い合わせる
勝敗も決したし不死身といえこのまま放置して帰るのは、ちょっと目覚めが悪いし」
「そこまでしてくるんですの?それはありがたいですわ」
「ありがとうございます」
セバスと人魚姫が同時に反応する
「じゃ、始めるから
セバス、下半身を持って」
「わかりました」
そうして、メアは人魚姫の手当てを開始した
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手当てが終わると人魚姫は、右足に着けていた装飾をメアに渡す
「なぁ、装飾品貰ったけどこれどうすればいいの?」
メアにそう聞くと
「スキル書に触れさせるとスキル書に吸収されるよ
そしたら、スキル書に吸収された装飾品のページが追加される」
「へぇ〜便利だね」
そうやって、メアと談笑していると人魚姫が声をかけてきた
「貴方達、負けた私の手当てをわざわざして下さってありがとうございます
お礼と言っては、なんですがこの先貴方達が手を貸して欲しい事があれば手伝わさせていただきますわ
これ、私の連絡先ですわ」
人魚姫はそう言って、携帯電話の番号1つと2人分の名前が書かれた紙を渡してきた
俺は、それを受け取り紙に書かれた内容を読んだ
「相間鱗が人魚姫で佐村鯨がセバスでいいのか?」
「そうですわ」
「名前は、2つあるのに何で番号は1つしかないの?」
「私は、父に管理されているので貴方達の電話番号を登録しても消されるので…」
「そこまで管理されてるのか…」
いくら親だからってここまで徹底して管理するとは完全にドン引きだ
これなら、自由になりたいという願望もわかる気がする
「時武、お前この後病院行くんだろ?
急がないと診察時間過ぎるんじゃないのか?」
話が長引きそうになるのを察したのかメアが苦言を呈す
「あぁっ、そうだった
じゃあ、またな鱗、鯨!」
メアに支えられながら俺は、病院へ行く道へ
鱗と鯨は、家に帰る道へ
それぞれと、別れた
戦った場所には、大きなクレーターや歪に削れた木
そして、潮風に混ざる鉄の匂いだけが残った
第一章 潮風に混ざる鉄 完




