第1章 潮風に混ざる鉄 1-21
人魚姫は、倒れたままピクリとも動かない
「流石にあの爆発は、耐え切れなかったみたいだね」
「人魚姫の周りだけクレーターが大きいから
多分、自分の周りに多く爆弾を仕掛けてたのか?」
「せい……か…いで……す…わ」
生まれたての子鹿のようにプルプルしながら人魚姫が起き上がる
「嘘だろ!あの状態からまだ立ち上がるのかよ」
「私は……絶対に…諦め…ません……わ」
その瞳は、まだ闘志を失っていない
恐ろしい執念だ
だがこちらも負ける訳にはいかない
事前に用意してた作戦を実行に移す
「メア、人魚姫が動けない今のうちに糸で拘束しろ」
「OK、例のアレやるんだね」
そう言うな否やメアは、糸を使って人魚姫を拘束する
人魚姫は、両手を広げた状態で足がギリギリ地面に着かない状態にされた
人魚姫は、未だに力が入らないのか殆ど動く事はなかった
「狩人の銃」
発動させるとメアの手にはガトリング銃が出現する
「聞け、人魚姫今からこれでお前を攻撃する
お前が降参するまで攻撃は辞めない
降参する気が起きたら大声で降参と叫んでくれ」
「それじゃあいくよ」
そして、ガトリング銃が火を吹く
銃弾は、人魚姫を削り取っていく
皮膚を肉を骨をドンドン削りとる
数秒後には、人魚姫は体の5分の1をも失っていた
それでもなお人魚姫は、降参しなかった
まさか、気を失って降参と言えなくなったのでは?と思い一度銃撃を辞めさせて意識の有無を確認する
「おい、意識はあるか?」
「あっ…り…ます……ゎ」
「なら、降参する気は?」
「ない…で
人魚姫が言い終わる前にメアは、銃撃を再開した
それを俺は慌てて止める
「いや、まだセリフ言ってた途中でしょうが」
「でも明らかに、降参の意思は無かったよね?」
「そうだけども」
「時武、覚悟を決めた方がいい」
「何の?」
「ソイツを殺す覚悟を」
「!?」
「多分、ソイツは死ぬまで降参する気は無いと思う
だから、殺すしかない」
「いや、でも装飾品だけ奪えばいいんじゃない?」
メアと俺が言い争っていると
何かがメアと俺の間を飛んでった
物体は人魚姫の所から飛んできた
すぐに人魚姫の方を向くと
血が浮いていた
そうか、血も液体だから操れるのか
「まさか、この状態から反撃をっ!」
メアが、咄嗟に射撃を開始する
そして、撃ちながらこちらに言葉を飛ばす
「早く覚悟を決めろ
じゃないと永遠にこのまま千日手の状態だぞ」
俺は、今ここで人殺しになるのか?
たがこの先相手を殺さないでいる保証なんてないし、躊躇って自分達が死んだら元も子もない
…………なら……殺るしかない
俺は深く深く呼吸をして息を整える
そして、意を決して言う
「メア、人魚姫を殺せ」
「OK」
そうして、ガトリングを全身くまなく浴びせる
いくら、ほぼ不死身だとしても頭を潰して、さらに全身を銃弾でミンチにしたら流石に死ぬだろう
今から起きるであろう惨状に目を逸らしたくなるが自分の判断で起因する死から逃げたくはなかった
人魚姫は、上下に分離していて最早生きているのか怪しい状態だったがトドメに頭を打ち抜こうと銃口を頭に照準を定めていた




