第1章 潮風に混ざる鉄 1-15
次の日の夕方
メアと時武は、約束通りにあの公園に来た
そこには、ポツポツと降り始めた雨の中既に人魚姫が赤くなった空の下に立っていた
「待ってましたわ
そして、まずは約束を守った事にお礼を申し上げますわ」
「お礼なんかいらない
だって、今日ここに来なかったら
貴方の居場所ほ手掛かりが無くなって
私達は、これからずっと貴方の襲撃に怯えるハメになるから
今日、決着をつけないといけなかった」
メアと人魚姫が会話している最中
俺は、辺りを見渡してセバスを探していた
人魚姫は、こちらがセバスを探しているのに気付いたのか言葉を掛ける
「もしかして、セバスを探しているの?
また、人質にでもする気なのかしら?
だったら残念だったわね
アレは、役に立ちそうに無いから置いて来たわ」
「置いて来たって事は、スキルはどうやって使う気だ?
…………あっそうか
そういえばスキル書の1ページ目のルールにプレイヤーにスキル書を貸出す事が出来るみたいなのが書かれてたな
でもあれって確かスキルの能力落ちるんじゃなかったか?」
「パートナーの敗北に笑顔になるヤツが側に居るより能力が下がった方がマシですわ」
「あぁ、確かにアレは酷かったな」
メアも同意する
俺も確かにそうかもと心の中で同意した
パートナーの敗北に笑顔になるヤツなんてさ
もしかしたら、戦闘中にスキル使わない所かスキル書を担保に相手に有利になる様に動くかもしれないしな
そう考えるとデメリットしかないし
多少のデバフが入っても確実にスキルを使える状態の方が勝つ確率は高い
なら、置いて来てもしょうがない
人質作戦は、使え無くなるがこっちが有利なるならと前向きに考えることにした
そして、深く息を吸って集中力を高めて
スキル書を出してスキルを使う
「腹裂きのナイフ」
メアの手にナイフが現れると
そのまま、メアは腰を落としてナイフを構えた
メアが戦闘体制に入っても
人魚姫は、ただ立っているだけだった
「構えなくていいのか?」
思わずそう聞いてしまった
「もう、準備は完了してますわ」
そう言い人魚姫は、カーテシーをして顔を上げた
その顔は、満面の笑みだった




