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岩合礼央は5歳年上の恋人に誕生日プレゼントを購入した。礼央の恋人は冬生まれで、30歳の誕生日を迎える。25年間生きてきて初めての彼女で、彼女の誕生日をお祝いするのも礼央にとっては初めてだった。では礼央は何をプレゼントするのかというと、彼女が「これ欲しいな〜」と言っていたブランドの白いマフラーと、彼女が好きな水色でまとめられた花束を渡す予定だ。ベタかもしれないけれど、彼女への感謝の気持ちを込めた手紙も用意している。
退勤後、さっそく礼央は彼女の1人暮らしのマンションを訪れた。片手にはケーキ、もう片手にはプレゼントを持っている。礼央が開口一番に「誕生日おめでとう!」と言って部屋に入ってきたので、彼女は目を丸くしていた。仕事人間な彼女は今日も残業があり、誕生日であることなどすっかり忘れていたからだ。
「はい、プレゼント。中開けてみて」
礼央が彼女にプレゼントを渡し、彼女は中身を開封した。以前ほしいと言っていた、ブランドの白いマフラーが入っている。それだけでなく、好きな水色の花束も。




