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小学6年生の山本愛永が通う学校では、3年生と5年生のときにクラス替えがある。つまり、1〜2年次・3〜4年次・5〜6年次が同じメンバーだ。担任の先生は毎年変わっていたが、2年生のときに担任だった福島先生が再度愛永のクラスの担任となる。
5年生になり、笹木さんという女子がみんなから避けられるようになった。笹木さんの虚言癖や自己中心的な性格に嫌気がさしたのか、誰も笹木さんとは関わりたがらない。それは愛永も同じだった。が、それでも笹木さんに他のみんなと同じように接していたことから、担任の田原先生ーー若めの女性教師ーーが「笹木さんと仲良くしてあげて。愛永ちゃんならできるよね?」と言ってきたことがある。それで愛永が笹木さんのお世話役のような存在になってしまった。
それからというもの、笹木さんは愛永にべったり依存するようになる。他の友達と遊ぶと、笹木さんが「愛永ちゃんは私のこと好き?」と聞いてきた。私はあんたの彼氏でも母親でもない。そう言いたくてたまらない状況が続く。




