表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/40

1

 ーー私なんていてもいなくても同じ。もう全部どうでもいい。派遣社員として働く25歳の渡瀬奈美(わたせなみ)は、投げやりな気持ちで外に出る。

 会社近くのカフェでご飯を食べていると、2つ隣の席に座る若い女性ーー金髪で派手目なネイルをしている。日本人か韓国人のような見た目ーーから声をかけられた。奈美は不思議そうに女性を見ると、女性は奈美にコートを置くようなジェスチャーをする。そう、女性は自分の横の席が空いているからここにコートを置いていいよと伝えていたのだ。

 奈美が女性に英語で「私のロングコートが床について汚れそうだったから、ここに置いていいよってこと?」と聞くと、女性は頷いた。

「誰かがここの席に来たらと思うと気が引けるのよね……」奈美がそう言うと、女性は「置くか置かないかはあなた次第よ」と笑う。奈美は女性の言葉に甘え、コートを2人の間の席に置くことにした。

 「ランチの邪魔してごめんね」と女性は言っていたけれど、奈美は全く邪魔されている感じはしなかったのだ。むしろ、赤の他人の様子によく気づくよなと思っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ