フードコートの検証会
「早速、どうすれば離れた場所にいる人間を殺せるか考えてみるけど、どんな方法があると思う?」
ショッピングモールのフードコートにある二人席に座ったあと、俺は春宮アリスにそう問いかけ、バナナミルクを一口飲んだ。今度は奢ってもらったのではない。自腹だ。というか彼女にも奢った。一応一度奢ってもらった恩を返したというわけだ。お店で商品を受け取る時に、そういえば時が戻っているのなら俺は春宮に一度も奢ってもらっていないということになるのではないだろうか、なんて素朴な疑問が浮かんだものの考えないことにした。時にはそうした決断も必要だ。
「何かの装置を使ったっていうのはどう?」
「何かっていうのは?」
「例えばネット経由で動く機械とか。そういうのを使えばその場にいなくても奥菜君は凪紗を……その……殺すことができたんじゃない?」
「ならその機械はその後でどうしたと思う?」
「その後?」
「その場に残しておくわけにはいかないだろ? そんな人を殺せるような機械が残ってたら間違いなく警察に気づかれるし。そんな機械を作れる人間なんて簡単に割れるだろうし」
「それは……確かにそうね。そもそも奥菜君がそんな機械を作れそうには見えないし」
「あれ? なんか今軽くディスられた?」
が、そんな疑問を無視して彼女は名探偵よろしく顎に手を添えて考え始める。
「それなら……何か、アリバイトリックを使ったとかは? 昔、遺体の温度を上げたり下げたりしたら死亡推定時刻をずらせるって昔小説で読んだわ」
「……小説読むの?」
「なにか変?」
「い、いや、なんていうか、以外だったから」
ファッション誌以外を読んでそうなイメージがなかったから、なんてことは口が裂けても言えなかった。
「何読むの? やっぱりシャーロック・ホームズとか?」
「私、半分イギリス人だけどそんな昔の小説読まないわよ。あなただって怪盗二十面相とか読まないでしょ?」
「確かに……」
「だいたい、イギリス人だって思われるとろくな事ないわよ。英語なんて高校レベルしか話せないのにやたらと外国の人に話しかけられるし、家庭科の調理実習では何故か誰も私と班を組みたがらないし」
そういえばイギリス料理ってマズイイメージあるもんな。俺は嫌いじゃないけど。フィッシュアンドチップスのチップスの方とか好きだし。そう呑気なことを思いながら彼女の愚痴を聞いていた。
「それで、このトリックなら何かできないかしら?」
「難しいと思う。西島凪紗は学校に来てたから殺されたのはやっぱり下校した後だし、そうなると俺はずっと春宮に見張られてた。ちなみに何時まで俺のこと見張ってたんだ?」
「朝の7時半頃までよ。流石に私も学校の準備をしなくちゃいけなかったから一度家に帰ったわ」
当然でしょ、とでも言わんばかりに春宮は言った。
え、なにそれこわい。ストーカーかよ。なに? 人の家の前で一晩中張り込んでたの? それを当然だと思っちゃうの? やばいよそれ、常識的に。いや逆に行動力の化身だと褒めるべきなのかもしれないけどさ。
「ならそれまで俺のアリバイがあるってことになる。死亡推定時刻が7時ならまだそのトリックでいけるかもしれないけど、確か警察が遺体を見つけたのが7時だからそのトリックじゃ難しそうだと思う」
それから気になることがあって、あれ? と思った。
「そういえば、時間が戻ったのって明日の昼休みでいいんだよな? 俺はそこまでの記憶しかないんだけど」
「ええ。そうよ」
「どうしてそんな中途半端な時にしたんだ? もう少し待ってたらもっと情報も出てたんじゃない? ほら、たまに事件の二日後か三日後ぐらいになって、首に締められた跡があり、警察では殺人と判断して捜査を進めている、みたいなニュースが流れたりするし」
「それは……ニュース見ないから知らないし」
「後もうひとつ聞きたいんだけど、どうして校門で待ってたの? 俺に用があったなら教室に来ればよかったのに」
「……?」
どういう訳か、彼女はキョトンとした顔をした。
「覚えてないの?」
「なんのこと?」
そう尋ねてから再び頭痛がした。
『ごめんね〜、奥菜君、付き合ってもらっちゃって。なんだか強引に誘っちゃったけど、迷惑だった?』
それは頭が割れるような痛さだった。つい最近にもこんなことがあったような気がするが、それがいつだったのかは思い出せない。
頭を抑えると、春宮が心配した眼差しを向けてくる。
「奥菜君?」
「ああ、いや……。とにかく、もし俺に時間が戻る前の記憶があるって知ってた、な、ら…………」
そこまで考えて引っかかるものを感じた。
「待って。そもそもどうして俺にまで時間が戻る前の記憶が……それに、そもそもどうやって時間が……」
長考しようとする。それは思考のプールに飛び込むようなものだ。自分以外の何も雑音のない空間で点と点を結びつけ、それでも足りない点が出てくれば、想像して補っていくのだ。
しかし、それは唐突に邪魔された。
「わーっ! わーっ!」
「な、なんだよ! ビビったな!」
突然の大声に驚いて思考の世界から飛び出て顔を上げると、何やら赤い顔をした宮野が意味不明なことを喚き散らしていた。遂に頭が狂ったのかもしれない。俺としては至急彼女のSAN値を確認したいところだ。
「そ、そんなことよりさ! 私にだけいろいろ話させて、それで否定ばっかりして! それなのに奥菜君が何も言わないのは酷いと思うんだけど!」
「え? うん。それもそうだ。……共犯者がいたとかどう?」
「え? なにそれ地味なんだけど……」
俺の渾身の提案に返ってきた春宮の反応は冷たかった。なんかガチトーンだし、ちょっと怖いし。
「地味とか言うな。というかこういうのはシンプルなものほどいいんだ。下手に複雑な手を使うとどこか一つでミスをした時のリカバリーがうまくいかなくなる」
「さすが経験者は語る、ね。やっぱりあなたが犯人でしょ?」
「だから──いや、未来の方は知らないから違うとは言いきれないけど……」
「いえ。奥菜君にはたぶん無理ね」
それは意外だった。そして同時にどうしてそんなことが言えるんだろう、と思った。
そんな純粋な俺に、春宮はめちゃくちゃあっさりと言うのだ。
「奥菜君には友達がいないから」
いないから……いないから……いないから……。
それはまるでやまびこのように心の中で木霊した。反響した言葉の暴力は跳ね返る度にガラスの心にヒビを入れていく。
「犯罪、それも人殺しとなると、相当仲の良い人かつ、その人にも人殺しをするのに妥当な理由がなくちゃいけない。でも奥菜君にはそんな人いないし」
「お、親父とは……仲良いよ……」
「お父さんは友達に入らないし、そもそも子どもの殺人なんて手伝うわけないでしょ。だから、奥菜君にはそんな仲の良い人はいない」
グサッ!
コイツ二度も言いやがった。二度も人の心を刺しやがった。ねぇ、今最後に仲良い人いないって付け加える必要あった? 絶対なかったよね? これは暴行罪にはならないのか? お巡りさん今すぐ来てコイツを捕まえてくれ。こっちは裁判も辞さないぞ!
なんて、心のある一面では威勢のいいものの、本当のところはズタボロだった。
わかってる。高校生で友達がいないのが普通じゃないなんてことぐらい。でも仕方がないじゃないか。入学式があって、クラスが決まって教室に行って、それできっと誰かが話しかけてくれる。話しかけられたら仲良くなろう、とかドキドキしながら本を読んでたら、そのまま一時間が過ぎ、二週間が過ぎ、三ヶ月が過ぎたんだ。
悲しくなってため息が出る。
「はぁ……」
「え? ──あっ! ごめんね! そんなつもりじゃなかったの! え、えぇっと、だから、うぅ……その……そう! 奥菜君の周りには悪い人がいないってことが言いたくて!」
「もういい。余計傷つく。……で? 俺はもう何もないんだけど、他になにか案ある?」
「本当にごめんね。でも、もうないかな」
「となると、俺が殺したってことは推理出来なかったってことになるけど、それでいい?」
バナナミルクを一口飲んだ。緊張で口の中がカラカラになっていたからだ。だが、今までのやり取りだけで容疑が晴れる訳がないと心の中で確信していた。何故ならやったことを証明するよりも、やっていないことを証明することの方が遥かに難しいからだ。
やったことを証明するのなら、怪しい点を繋ぎ合わせていけばいいが、やっていないということを証明するには、自分の行動全てを証明しなければならない。そしてそんなことは不可能に近い。いわゆる悪魔の証明だ。
だから、もし彼女がまだ俺を疑っても仕方がないと思っていた。
「うん。とりあえず……それでいいと思う。なんだか久しぶりに、楽しかったし」
歯切れ悪く彼女は言った。未来でどんな事があったのかは知らないが、かなりギスギスした空気だったのだろう。精神的な不安も強かったはずだ。
ストローを咥えて息を吸うとズズっと音がした。もうバナナミルクを飲み干してしまったらしい。幸せな時間は一瞬だとはよく言ったものだ。
「でも、俺のことはまだ疑ってた方がいいと思うけど。未来の俺は自白してるんだし、何か事件に関わってるんだと思う。案外、俺を疑うことで事件の謎が見えてくるのかもしれない」
言いながらスマホで時間を見ると7時20分だった。もういい時間だろう。
俺は席を立つ。
「……そろそろ行くか」
「え? どこに?」
「来ればわかる」
バナナミルクの容器をゴミ箱に捨ててモールの中を歩いていく。目的地は昨日行ったトイレだ。もうそろそろ彼女もあそこにいる時間だろう。
そんな予想は当たり前に的中した。
彼女──西島凪紗は前の時間と同じようにトイレ前のソファに腰掛けていた。
遠巻きに彼女を見つけた春宮が驚きの声をあげる。
「凪紗……! どうして?」
「昨日トイレに行った時に見たんだ」
「あっ、そういえば奥菜君トイレに行ってた……。もしかしたらその時になにかトリックを──」
「しないしない。とにかく、その時に何か様子がおかしかったんだ。だからちょっと話聞いてきて」
「……私?」
「お前以外誰がいる? 男の俺が急に話しかけたらおかしいだろ。それに下の名前で呼んでるし、友達なんだろ?」
「……ごめんなさい。事情があって、今はちょっと話しづらいの」
え。だる。
「いや。だって、俺は無理だよ。女子とろくに話したことないし。人見知りして酷いことになる」
「私には人見知りしなかったじゃない」
「それは……っ」
「ていうか話しかけて何をするの? もしかして『これからあなたは殺されるんだけど、犯人に心当たりあります?』とでも聞くの?」
「まさか。でも多分何か悩みがあってそれが事件に関係してると思うんだ。だからとりあえず話をしてくる。その悩みとか不安が少しでも解消されたら、もしかしたら事件は起こらずに済むかもしれない。言っとくけど期待しないでくれ。高校に入ってからろくに人と話してない」
「それなら凪紗の跡をつけて誰が殺したのか見といた方がいいんじゃない?」
「俺たちの目的は犯人を捕まえることじゃない。西島凪紗を殺させないことだ。それに危ない。俺たちは高校生だ。相手が子どもならなんとかなるって思って突発的に襲ってくるかもしれない……あ、いや待てよ。そういえば時間戻せるのか。それなら危なくなった時に時間をもどして──」
「──きゃ、却下。やっぱりなし。戻る前に死んじゃったら危ないし、それに……なんでもない。とにかく今すぐ声をかけてきて」
「いやでも犯人の顔を見といた方が。犯人が別にいるとわかれば俺の疑いもなくなるわけだし……」
「なんでもいいから早く行ってきて!」
結構良い案だと思ったのに残念である。
ぷんすかと怒る春宮を背にして西島凪紗に近づいていく。
距離が近づくにつれ、心臓が高鳴るのを感じた。それは断じて恋愛感情とかではない。緊張のせいだ。
女子と話さなければならないという緊張はもちろんあるし、本当にこれで事件を未然に防げるのかという不安もある。
最悪の場合、時間をまた戻すという最強のカードが存在するものの、だからといって人が死ぬのを合理的に眺められるほど薄情な人間のつもりもない。
彼女の前に立つと一呼吸おいた。西島凪紗はこちらに気づくこともなくスマホを弄っている。どうやら写真を整理しているようで、たくさんの写真を消したりしていた。パフェやお好み焼きといった食べ物から、橋の下やどこかの部屋といった写真まで様々な写真だ。
しかしその手があるところで止まる。
それは西島凪紗と高齢の女性とのツーショット写真だった。どちらもよく笑っていて、幸せそうな印象を受ける。
「西島?」
そう声をかける。疑問形になってしまったのは優しい印象を与えたかったからではなく、単に俺が彼女が西島凪紗だと100パーセントの確信を得られていないからだった。
声をかけられた少女はビクッと大きく肩を揺らした。それから顔を上げる。
長い前髪に隠れるような瞳がこちらに疑惑と僅かな警戒心の篭った心情を伝えていた。
「ぇ、えっと……?」
戸惑ったような声を出しながら西島凪紗は頭の上に大量のはてなマークを浮かんだ。
「同じクラスの奥菜樹。ほら、斜め後ろの席の」
「あ、えっと……奥菜さん……君。ぇっと、なんですか?」
話しかけるという案を提案したのは俺だが、既にもう嫌になり始めていた。俺もかなり人見知りをする部類だけど、コイツは俺以上だ。未知の存在への対応は面倒なものだ。
「いや、見かけて奇遇だと思って声掛けただけだから、用事があるわけじゃないんだけど……買い物中?」
「まぁ、そんなところですけど」
沈黙。まずい。どう会話を進めればいいのかわからない。やっぱりこういうことは俺には向いていない。社交性があるはずの春宮の方がいい。しかし何かを捻りださなければならない。ネガティブになっていたって良い方には運ばない。
西島凪紗はオドオドとした様子で両手の指先を擦り合わせている。それを見て、案外爪が綺麗に切り揃えられていることに気がついた。西島はオドオドしていて背が低いだけで、別に女らしくないわけではないし、こういうところにも気をつかうのかもしれない。
「学校どうよ」
「え?」
「友達とかさ。できた? ほら、いつも一人だったから気になっててさ」
「……まだ出来てないです」
「あぁー。やっぱ難しいよね。俺もまだ友達出来てなくてさ。たまに先生と二言ぐらい話す日があるとテンション上がるんだ」
「えっと、はい。……そうですね」
そうですね。返されて悲しくなる反応ナンバー3がこれではなかろうか。ちなみに栄えあるナンバー1はあなたには友達がいないorあなたには仲の良い人がいない、である。
西島凪紗の反応を見るに、これ以上会話を長く続けても逆効果だろう。却って相手に不審がられるかもしれない。
「ごめんね。急に話しかけられて迷惑だったよね。ただ、暗い顔してたから気になってさ。何か嫌なことでもあったら言ってよ」
「…………」
無言。彼女は俯いて何も喋らなかった。
「そういえば、春宮と何かあった?」
声のトーンを一段落としてひっそりと聞いた。すると西島凪紗の耳がピクリと反応した。図星のようだ。
「どうして、そんなことを聞くんですか?」
「なんとなく」
西島凪紗はしばらく黙った。どうやら喋ろうかどうかを悩んでいるようだった。
彼女は信じてもらえないかもしれませんけど、と前置きして言う。
「実は、中学校の頃までアリスちゃんとは友達だったんです」
その言葉に思わず目を白黒させた。
春宮アリスと西島凪紗が友達だった光景なんて想像できなかった。なんというか、二人の間にはギャップが大きかったからだ。
「小学生の頃、関西から引っ越してきてどうすればいいのかわからなかった私に話しかけてくれたのがアリスちゃんで、それからずっと仲が良かったんです。それで同じ高校にも進学したんです。でも私、入学してから何日か休んでて、その間に向こうには新しい友達が出来たみたいで。あの人たちと一緒の時に話しかけるのもなんだか難しくて。なんていいますか、私じゃ場違いっていうか」
言われて春宮と一緒につるんでいる連中を思い出した。確かに西島凪紗が話しかけるには難易度が高いし、話しかけたら気まずい雰囲気になりそうだ。
それにしても口を開いてくれたのは意外だった。もしかしたら彼女も誰かに話したかったのかもしれない。それは友達が欲しくてもできないぼっちあるあるのような気がした。
「さっきの写真、あれは西島のお婆ちゃん?」
え? という顔を彼女はした。
「ごめん、見るつもりはなかったんだけどたまたま目に写ってさ」
そう言うと彼女は納得したのか、落ち着いた雰囲気に戻った。
「はい。私の自慢のお婆ちゃんです。とっても優しくて……いつも私を励ましてくれて……」
喋りながら声が震えていた。
そのまま泣きだしてもおかしくなかったが、西島凪紗は寸前でそれを堪えたようだ。
「ごめんなさい、こんな話」
「いいや、いいよ。俺こそごめん。ま、学校で何かあったら言ってよ。俺だいたい暇だし、話し相手も欲しいし。──じゃ、お互い頑張ってこうぜ。自分を大切にしながらさ」
それから、あ、そうだ、と付け加える。
「飴ちゃんあげるよ。りんご味。甘くて美味いよ」
ポケットから出した飴を西島凪紗の手を上に落とした。彼女はそれをまじまじと見つめた。
「──あ、あの!」
そう言って彼女はカバンの中を漁った。チラリと見ると物は少ないようだった。百均で買ったような未開封の包丁と、財布とか細々としたもの。
「飴ちゃんありがとうございました。これっ、お返しです」
西島凪紗が渡してきたのはお好み焼き屋のクーポンだった。お好み焼きが一つ半額になるものらしい。知らない店だし、さして嬉しくはなかったが、ありがとう、と言ってポケットにしまった。
それじゃ、また明日、と言って俺はその場から離れた。急ぎ足になりそうになるのを必死で堪えた。緊張するから早くこの場を離れたかった。
そして春宮の元へ行くと少しほっとした。
しかしそんな俺に対して春宮は何やら嬉しそうにニコニコしている。
「なによ。ちょっとカッコイイこと言っちゃって、優しいアピール? ま、最後の飴の件はいらなかったと思うけど」
「……嘘は言ってない」
誤解されたくなかったからそう言った。
というか会話の内容が聞こえていたのか。さてはコイツ耳もいいな?
「冗談以外じゃ思ってないこと言えないんだ」
昔から……というほど昔からではないけれど、中学生ぐらいからそうだった。特に人の心に何かしらの影響を与えるような言葉は本当のことしか言えない。そうしないと罪悪感でどうしようもなくなるのだった。
その言葉を聞いて、春宮が優しく微笑んだ。その表情は初めて俺の中にある彼女の顔と合致した。
「……奥菜君ってやっぱりピュアなのね」
その言葉がどこかむず痒く、そして心地よく耳に響いた。
「とにかく、問題は明日だ。これで事件が起こらないことを祈ろう」