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リアル異世界転移 お約束のチートはないんかい!  作者: 木浦木ロロ
異世界人との交流
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縄梯子と防護ネットを再設置してみた②

さすがに縄梯子を設置するのはもう慣れたものだと、オレは意気揚々(いきようよう)とボーラつまりは石を結んだ蔓を探そとしたんだが、どうしたことか、ボーラが見つからない。


参ったな。オレはエスゴに行って小川まで適当な大きさの石を取りに行った。小川はイガーリ・コイリー、石はトーキって言うらしい。石はともかく、小川3文字に対してなんだその長い単語は!と思ったら、イガーリが川でコイリーは小さいって意味なんだと。


・・・めんどくせーな。もうっ。


まぁ、単語2つを同時に覚えることができたんだ良しとしようか。


あ、そうそう、それで石を拾ってからエスゴの元へ戻って、ボーラを作ったんだけど、エスゴもボーラを知らなかったみたいで、オレが教えたボーラそのままでインプットしたらしい。ってわけで、ボーラだけ、異世界単語じゃなくて日本語?いや、英単語だ。たぶん英語。


オレはまず木の(みぎ)に何重にも蔓のロープを巻いていった。それから縄梯子の両方それぞれにボーラを(つな)げると、あの、オレが寝てた木の枝を越えて向こう側へ落ちるように放り投げた。


オレは向こう側に落ちたボーラの紐から石がついた部分を引きちぎった。で、その先にあらかじめ近くの地面にまとめておいた蔓をつなげていった。この連結したロープを引っ張って縄梯子を持ち上げながら、木の幹の紐としっかりと結んだ。


腕の擦り傷がかなり痛かったが、しっかり結ばないと縄梯子が落ちる可能性があるからな。


今回、縄梯子は枝の下には落とさず、掛かっている、というか枝の上を通過しているような状態だ。その分、かなり手早く設置できた。


縄梯子の安全を確認するために、オレ自身がまず縄梯子を登った。エスゴがその様子をじっと見守っているのが、背中越しに分かった。


「よう、バーリー!元気にしてたか?」


オレはオレがヤツを留めた枝にまだぶら下がっていたバーリーに声を掛けた。相変わらず緩慢(かんまん)すぎる動きなのか、反応してないようにも見えたが、ま、そんなことはいつものことだ。


オレはやはり悪臭に動じなくなっている自分に苦笑いしながらも、エスゴに上がってこいとジェスチャーして見せた。エスゴはパァッっと笑顔になって縄梯子を登ってきた。


うん、なんか秘密基地みたいで楽しげだもんな、ここ。なんもないけど。


さて、オレは次にめっちゃ重い防護ネットを引き上げなくちゃならないわけだが、ちょっと一休み。


エスゴが感動してるのか、バーリーを見上げたり、枝の上から周囲の景色を見渡してしたりしてはしゃいでんのが、めっちゃかわいい。うん?え?バーリーに触ってみたいだって?


しょうがないなぁ、オレは防護ネットから救出する際にバーリーをすでに触りまくっていたので、普通にヤツを張り付いている枝からひっぺがしてエスゴの前に差し出した。


バーリーはキョトンとした顔のまま、オレを見ていたんだが、その目は見悶(みもだ)えるからヤメロってんだ。


「はい。」


オレは思わず、日本語でそういいながら、バーリーをエスゴの前に差し出した。エスゴはオレにいいの?みたいな表情を向けたんで、オレは、あ、エスゴもモフラーなんだな、って同士意識を感じ取ったんで、(うなず)いて見せた。


エスゴはその後、ぬいぐるみのようにバーリーをめっちゃくちゃ抱き締めていた。


うん、同じぐらい悪臭を身にまとってるから平気なんだね、その臭い。

【作者より】



【更新履歴】

2021.9.13 Mon. 3:11 初投稿

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