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幸せ
部屋に入ると見るからに金持ちが持ってそうな
熊の置物が目に入った
「お邪魔します」
ユウキはおそるおそる中へ入る
中は大きなキッチンと大きなソファーとテーブル大きなテレビがあるだけで生活感がまるでなかった
「ここ全く使ってなくて」
ナコがぼそっとつぶやく
「かけてください。今支度しますから」
「支度?なんの?」
「ご飯の」
「ああ」
(ご飯って作ってくれるんですね、てっきり外食だと思った)
ユウキはソファーに横になる
シャンデリアを見つめる。
こんな大きな家…
俺が稼いでも到底買えないだろうな
はあ。なんだかユウキは虚しくなりそのまま眠りにつく。
ナコがエプロンを着てオムライスを作っている
後ろからユウキはナコを抱き締める
「ママー」
3歳の子供が走ってきてユウキとナコを抱きしめる
良い家庭だな
ユウキは幸せを感じる
「トモダさん、トモダさん」
ユウキはナコの声で起こされる
ユウキはさっきのが夢だと気づく
「ご飯できましたよ」
「ああありがとうございます」
(ご飯は夢じゃなかったんだ)
ユウキは少し寝ぼけたまま机に座る