戸惑い
「あの着いてきてください」
ナコがボソボソと言う
「またラブホですか?」
ユウキがからかいながら言う
「違います。ご飯ご飯ご馳走しようと思って」
「ご飯?」
「はい。この前失礼なことしちゃったからそのお詫びに」
「ああ、別にその前から失礼なことしてますけどね」
「なんですか?」
「いや何も」
ナコと外に出る
「この車に乗って下さい」
「え?ナコさん運転できるんですか?」
「多少は」
白のボルボの車だった
良い車乗ってんな…
旦那の稼ぎがいいんだな
「失礼します」
ユウキは車に乗り込む
ナコは車を走らせる。
ナコの車はゆらゆらしていてとても安全な運転とは言えなかった
「危ない運転だな…」
ユウキがぼそっとつぶやく
「なんですか?」
「いや何も」
「でどこ行くんですか?」
「私の家です」
「私の家って旦那さんいるんじゃ…」
「もう一つの家です。それに旦那は出張で3日帰りません」
(もう一つの家って…どんなけ金持ちなんだよ、それに旦那帰らないってことは、いや今日抱ける…家まで誘うって…抱かれようと思ってるんだろナコさんも…)
ユウキは内心ドキドキし嬉しかったが
不倫していいのかとちょっと戸惑う気持ちもあった
山奥の道に入る。
「偉い山奥に行くんですね」
「別荘なので」
「ああ、別荘か」
「ここです、着きました」
大きな庭と茶色い屋根の本当に別荘と言う感じの
家が目の前に現れた
(すげーな)
ユウキはどきまぎして車を降りた