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七受験~そして希望の花は希望の実を結ぶ

カリカリカリカリカリ・・・。

父と母はそろそろ寝どこに着くころだろう。

時刻は午後九時。

ゆりは電気を少し暗くして、机に向かう

もう夜だ。明かりがまぶしかったら両親の迷惑になる。

淡い光を放つランプがノートを照らす。ベットはまだ手付かずだ。

ランドセルは空いていて、周りにノートが落ちている。

机には、ノートとランプ、筆記用具が置いてある。教科書も並ぶ。

本棚とタンスは整頓されている。カレンダーには予定が書きこまれている。

そんな部屋でゆりは、椅子に座って顎に手を当てていた。

(そろそろ寝ようかな。)

ゆりは伸びをしてランプを消す。

ノートを片付けて電気を更に暗くする。

そしてゆりはベットに横たわる。

試験の日まであともう少し。早く寝ないと風邪をひくかもしれない。

そう、ゆりは受験をするのだ。

憧れの西川中に行くため、ゆりは頑張っている。

そんな彼女は少し前に悪口を言われていたことがある。

その少女の名は鈴香。ちょっとしたお嬢様だ。

だが今はそのちょっかいも収まっている。

それは鈴香も同じ中学校を受験するからだ。


試験の日はあっという間に訪れた。

合格祈願。お母さんからもらった鉛筆を握る。

やはり有名な学校なだけ、難しかった。しかし、まったくわからないことはなかった。

これまでたくさんの人が応援してくれた。両親、祖父母、先生、友達。まあ鈴香と同じクラスになってから友達は離れて行ってしまったが。

とにかく、みんなの期待に応えないといけない。

私が受験をしたのは、いい学校に行きたいからだけじゃない。自分の限界を知りたかった。私のことを信頼してくれるみんなに喜んでほしかった。そして、みんなに褒めてもらいたかった。

そして私が勉強を続けられたのは、みんなが私の近くで寄り添ってくれたから。

最後の回答欄に答えを書きこみ、ゆりは息を吐いた。


ある少女は『93』という番号を探していた。

するといきなり立ち止まった。

口があんぐり空いて、白い息が吐き出される。

少女は茫然として立ち尽くした。

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