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舗装のすすめ

作者: 阿部直弼

 ヘソから16ミリ左のところ。身体中のツボに詳しい人に聞いたら妻鹿日(めがにち)というところからグングンとニラが生えてきてお父さんが3028人に増えた今日、0からHELLOを作る高校に転校することになった。

 人間でありながら宇宙の映画としてひとまず生涯を終えていたところだったのでなんとなくちょうどいいな、と思いながら俺は食パンをかじった。かじった瞬間テレビから二万円札がヒラリヒラリと現れた。二万円札はスーパーで使えるのだが、使ったその日から三週間のうちにキタキツネを見つけてこないと奈良で革靴から沢庵を作る工房で親指を舐め続けなければいけない。

 そろそろ時間だ。スーパーマリオに出てくるパックンフラワーの娘、ハヤミネさんが6メートルの大きい時計を持っている。ハヤミネさんはほんの10分前に彗星と味のりを交換するために日本から日本に来たらしい。

 さあ時間だ。


 さて、ここまで文章を読んだあなたはこう思ったであろう。意味がわからない、とだがこの文章で何個物語が産まれるだろう。

 ヘソから16ミリ左にニラを生やした少年はこのあとどうするのか?抜くのか?それとも隠し続けるのか。最初にそれを見た友人との駆け引きなども組み込める。さらに読み進めると身体中のありとあらゆるツボに名前をつける人たちの物語も産まれ、3028人のお父さんに至っては3028通りの物語が産まれる。HELLOを作る高校なんてとてもいい物語が産まれそうじゃないか。

 物語はみんなが産まれる前から無数にある。そして成長していき、物語を作りたい、という夢を持ったあなたは物語の多さに愕然とするだろう。自分が作りたい物語はもう誰かが作っているのでは、と不安を抱えるだろう。

 たしかに作ったからには読まれたいという気持ちが芽生えるのはわかる。だが、誰かが一生懸命舗装した道をただひたすら歩いててあなたは満足していますか。周りを見てください。その道はたくさんの人に歩かれ、商業施設で土地が埋め尽くされ、あなたの左右にはたくさんの人が並んで歩いています。あなたがやるべきことはその道にありますか?歩むのをやめて、そこでぬくぬくと居座っていませんか。

 まだ誰も踏み入れてない土地はたくさんあります。もちろんあなたがその土地を作り上げ、あなた自身で道を舗装してもかまいません。

 用意はできましたか?

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