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解析して宿を見つける。どうやら近くにあるみたいだ


宿につくとまずは外見から突っ込みどころ満載だった……が、そんな元気もなかったのでスルーする

「いらっしゃい」

「一人一泊飯ありで頼む」

「あいよ、五百ゴールドだね。先払いで頼むよ」

銀貨一枚を置く

「お釣りの銅貨五枚だよ。あとこれは部屋の鍵だよ、2階の奥の部屋さね」

「分かった」


部屋はベットとテーブルが有るだけの簡素な作りだった

すぐにベットに横になる

「疲れた」

思い返すと今日1日で色々あった


学校の帰りに異世界にきてたけどこっちはまだ早朝だったな

どうやらこっちの世界ともとの世界の時間は一緒ではないのかもしれないな


しかし、今日中に身分証と金を確保できたのは良かったな


テンプレとしてはこのままランク上げをするんだよな

観光って選択もあるのか

まあ、向こうに戻る気もないしゆっくりやってけば良いか


今日はもう寝るか。明日の予定は明日決めればいいな

スキルで体と服の汚れを落とす

「おやすみ~」

誰もいないが呟く

そのまま目を閉じて眠りにつく



コンッコンッ

ん?


コンッコンッ

誰かがドアを叩いてるのか?


コンッコンッコンッ

まだ外はうっすらと明るくなっているだけなのでもっと寝ていたい



コンッコンッコンッコンッ

うるさいな、いい加減にしてもらいたい


コンッコンッコンッコンッコンッコンッ

イラっときたので追い返そうと思いベットから立ち上がった瞬間


ズドーーーン

ドアが破壊された


は!?嘘だろ。宿屋のドアを破壊するか?

眠たい体を起こし、戦闘体勢を取る

誰であろうと俺の安眠を邪魔したやつはぶちのめす


破壊されたドアから入ってきたのは

「おはよう」


御堂がそこにいた



御堂を部屋に入れドアを直してから話を聞くことにする

「何の用だ?」

「試験」

「冒険者のか?」

「ん」

「俺はもうクリアした」

「手伝い」

「手伝い?お前らを手伝うってことか?」

「違う」

「なら何の手伝いだ?」

「私の」

御堂を手伝うってことは四人を手伝うってことじゃないのか?

そもそも試験を手伝っていいのか?


「他の三人は?」

「どこか行った」

「はぐれたのか?」

「別々」

「別々に課題をクリアするのが試験ってことか?」

「ん」

「で、それを手伝えと」

「ん」

「そう言うことか。別に構わないがなぜ俺なんだ?」

「信頼」

「信頼って……俺をか?

自分で言うのもなんだが信頼されるようなことはしていないぞ」

「信じてる」

御堂は目を真っ直ぐに見つめてくる


はー、めんどいが数少ない顔見知りの頼みだからな

「で?内容はどんなのだ?」

「討伐」

一枚の紙を渡してくる


タンドリープラントの討伐


「良いだろう、特別に手伝ってやる」

「待ってる」

御堂は部屋の外に出ていった

制服のまま寝ていたのでスキルを使い身だしなみを整えてから外に出る

「行くか」

「ん」


タンドリープラントの生息地も昨日と同じ場所なので馬車に乗り移動する

もとの世界だとバスのような役割をしているようだ

本当はスキルで移動しようとしたのだが御堂と一緒に移動することが出来なかった

どうやら正直者のスキルは自分一人には影響を与えることは出来るが、自分以外には簡単なことしか出来ない

サメを動けなくしたり、ドアを直したり


昨日の様にギルドが用意してくれた物ではないので他の何人かも乗っている

その中には藤城や篠宮もいた。二人も他の冒険者と一緒に行動している


「なあ、少し聞いていいか?」

「ん?」

「何で試験内容が変わったんだ?本来なら昨日と同じものをやるはずだろ?」

昨日と同じならサメと水晶なのに何故今は違う魔物の討伐なのだろうか?

「変みたい」

「変?なにがだ?」

「サメ」


その後も何度か質問をしてわかったことは

どうやら昨日当然にいろんなところでサメの魔物が暴れたらしい

普通なら魔物が暴れてもそこまで深刻な事態にはならないが、昨日だけは例外だった

本来なら気性が大人しく暴れることが少いものから伝説級の化け物までの全サメ型の魔物が水面で暴れた

それは数秒ではあったが衝撃は強烈だったみたいで今はその原因を調査するためサメの討伐は無しになったそうだ


それって俺が原因じゃね?と思ったが黙っておく

わざわざ自分から言わなくてもいいだろ


一人で考えていたら昨日と同じように御堂が肩に寄りかかって寝始めた

早朝から起きていたから眠くなったのだろう

そのまま寝かせておいてやる


しばらくしたら目的地に着いたので馬車を降りる

二時間毎に違う馬車が通るからどれかにでも乗れば帰れるようになっている

すぐに終わらせれば二時間で帰れるのか、すぐに終わらせて宿で寝よ

でも、その前にこれを何とかしないとな


今彼の背中には寝ている御堂がいた

いくら起こしても起きないのでおぶっていた

「よう、佐藤」

藤城がこちらに来た

「なにか用か?」

「いや、特に用はないんだが琴音がそんなに安心してる姿なんかなかなか無いからな」

「本当ですよね。そんな琴音見たことありません」

後ろから篠宮もまざってきた

「まぁなんだ、琴音のこと頼むぞ?佐藤」

「怪我させたりしたら駄目ですよ?佐藤さん」

「冒険者になるなら自分のみは自分で守るだろ」


「そうじゃねーんだけどな」

「そう言うことじゃありませんよ」

二人して何を言ってるのかまるで分からないんだが

「とりあえず琴音が合格出来るように協力してやってくれよな」

「ああ」

「それでは失礼しますね」

二人はそれぞれの協力者の元に戻っていった


「けんちゃん」

背で寝ている御堂が寝言を言っている

「おーい、そろそろ起きろー」

呼び掛けながら森を進む

魔物や足場に注意しながら目的の魔物に近づく

後百メートル位で目的の魔物に接触できるのでいい加減御堂を起こす

ゆっくりと地面に下ろしてスキルを使う

「御堂が起きる」

チリン

「ん?ん、ん~~~!」

「やっと起きたか」

「けんちゃん、おはよう」

ん?今聞きなれない単語が出てきたような気のせいか?


「けんちゃん?どうかしたの?」

いや、気のせいじゃないな

「待て、御堂。けんちゃんってなんだ?」

「けんちゃんはけんちゃんでしょ?どうかしたの?」

まだ寝ぼけてるのか、しばらく待ってみるかな

「どうしたの?けんちゃん。ここはどこ?」

「ここは目的の魔物のすぐ前だ」

「流石けんちゃんだね。何でも出来るなんてすごいよ」

何だろうこの違和感は。寝惚けてるだけじゃないのか?

そういえば昔、けんちゃんって呼んで慕ってきてた子がいたような気が


え?まさかな。いや、ないない、そんな偶然あるわけないだろ

「やっぱり忘れちゃった?私のこと」

いや、まさか

「ことちゃん?」

パーーーー、と満面な笑みを浮かべ

「やっと思い出してくれた、けんちゃん!」ダキッ

急に抱きついてきた


なんだ?この状況。何でこんなことになってるんだろうか

「てか、キャラ変わってるぞ。お前無口だろ」

「そんなことないよ!ちょっと人見知りしちゃうだけで」

あの無口は人見知りなのか‼

「でも藤城や篠宮なんかは平気だろ?」

「平気じゃないよ~私が平気なのはけんちゃんだけだもん」ギュー

何か抱きつく強さが強くなってるんですが


「とりあえず目標の魔物を仕留めるぞ。話はそれからだ」

「うん!!」

今までと違いすぎて違和感がすごいな

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