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う、ん~~

しまったな、寝ていたみたいだ

「おはよう。よく寝れたかい?サトーくん」

「おはようございます。すいません。まだ試験の途中でしたよね」

「それは構いませんよ。もうクリアしているようだし」

「それは、まあ。そうですが」

「じゃあよし、時間までは後一時間位だからもうちょっと待っててね」

「わかりました」


暇なのでもう一度森に入る。解析を使い四人の位置を探す

「なんだ、もうあの泉にいるじゃないか。なら大丈夫だろ」

泉に近づくと戦闘音が聞こえてきた


「どうやればいいだ!?」

「わかんねーけど攻撃し続ければいいんじゃね?」

「ん」

「取り敢えず攻撃しましょう」


頑張ってるんだな。御堂がいれば簡単だと思ったらそうでもないんだな

電気が効かないのはきついか

少し距離を置いて観察を続ける。遠距離からの効果的な攻撃が弓しかないが、それもあまり効いてないようだ

そろそろ時間だな。先に戻るか

四人より少し先に戻り、アンリエッタさんと話しながら待つ

結局約束の時間を三十分過ぎてから戻ってくるまでアンリエッタさんと話をしながら待った


戻ってきた四人はひどく疲れた顔で帰ってきた

「お疲れ様でした、どうでしたか?」

「全っ然だめでしたよ。あれは無理でしょ」

「そうですね、魔法も弓もほとんど効果がなかったですからね」

「明日が期限だから頑張らないとな」


どうやら向こうのチームはサメは倒せなかったらしい

倒せないなら早く帰ってこればいいのに


「合格できるように明日も頑張ってね。今日はもう帰るよ」

馬車を引っ張ってきた

みんなで乗り込み、帰る

馬車の中では四人はすっかり寝てしまい、来る時とは座る位置を変えた御堂が肩にもたれかかってきた

起こすわけにもいかないのでそのまま寝かせてやる

「君は全然平気そうだね。普通ならこの試験は難しすぎるんだよ

一日目は惨敗して二日目に装備なんかをちゃんと整えたらやっと勝てるような相手なんだ

だから君はイレギュラーなんだよね」

「そうですか、ギルドでサンダーシャークと七色水晶を提出すれば問題なく冒険者にはなれるんですか?」

「そうだね~」

顎に手を当て考えている


「もしかしたら君には特別クエストを受けてもらうかもしれないな

もちろん報酬は出すよ。どうかな?」

「別に構いませんけど、面倒なのは勘弁してくださいよ」

「ふふっ、戦闘能力さえあればできるようなクエストだから安心しておくれ」

なんか企んでるみたいだがもしもの時は遠慮しないから覚悟しとけよ


マナプルに着きみんなを起こしてギルドに向かう


「みんなはゆっくり来てよ、僕は一足先に戻ってるからね」

アンリエッタさんは走って行ってしまった

「あ~、明日に備えて準備するか?」

「そうですね、明日合格しなかったら冒険者になれませんし」


ギルドに着き中に入ると

「お帰りなさい皆さん、サトーさんはあっちのアンリエッタさんのところに行っていただけますか?」

二階からアンリエッタさんが手招きをしている

「わかりました」

「皆さんはこちらへどうぞ」

「「はい」」

さっきから五条が静かだな、御堂が静かなのはいつものことだが

騒がしい五条が静かだと何とも気味が悪い


二階に上がる

「なぜ俺だけアンリエッタさんに呼ばれたんでしょうか」

「まあ、話は奥の部屋に行ってからにしよう」

奥にある部屋に二人で入る

ギルドに入ってから常に解析者のスキルを使い続けていたらこの部屋にもう一人の人物がいるのが分かった

「さて、馬車で話したことを覚えているかな?」

「ええ、特別クエストの話ですよね」

「覚えていてくれてて良かったよ。これは僕の予想なんだけど、君

実はすっごく強いでしょ?」


解析者のスキルは長く一人に使うことで考えすらわかるようだ

彼の眼には何を考えているのかが見えていた

「もうよくないですか?俺を見極めようとかそんな事やめにしましょうよ」

アンリエッタさんは驚いた顔を一瞬し、すぐに真剣な顔になった

「なんでわかったのかな?」

さっきまで話していた時よりも少しだけ低い声で話す

「ギルド長の部屋でそこにSSランクの冒険者がいれば何となく予想がつきます」


ガタッ


部屋の隅で音が鳴る

「そこまでわかっていたんだね。もう出てきていいよ」

アンリエッタさんが声をかけると静かに一人の男が出てきた

「なんだよ少年気づいてたならもっと早く言ってくれよ隠れてる間は結構緊張するんだから」


「すまないね。試すようなことをしてしまって

彼の名前はレオというSSランク冒険者だよ。隠密能力に優れているから潜んでいてもらったんだがよく見つけられたね」

「本当だぞ。本気で隠れてる俺を見つけられたのはアンさんと少年だけだぞ」

「おい、レオ。私のことをアンと呼ぶなと何度言ったらわかるんだ」

「良いじゃねーか、俺とお前の仲だろ?」

「ふざけるな。私たちはただの腐れ縁なだけだろ」

「照れんなよ、俺は今でも「そろそろ事情を説明してもらっていいか?」」

「「あ」」

二人して完全に俺を忘れていたな、そんなのろけ話聞かされてもどうしようもないんだが


「すまない。見苦しいところを見せてしまったね」

「あー、なんだ。俺は席を外すからあとはよろしく頼む」

レオは部屋を出て行った

「で?俺を見極めて何かわかったか?」

「すまない、あのクエストを簡単にこなせてしまう者がどんな人物か確認するためにしていたんだ

正直に言うと君のことはよく分からないままだ。強者の雰囲気を漂わせているわけでもないし強力な武器を待ってるわけでもなさそう」

まあその通りだな、実力がある訳じゃ無くてスキルが強力なだけなんだよな


「良かったら君のことを教えてくれないか?君は試験に合格するだろう、ギルドメンバーのことはなるべく知っておきたいんだ」

「悪いが断る。俺はまだあなたを信頼してないからな」

部屋を出るためドアの前に行く、一回振り返り

「それに、もしどうしても知りたいんだったら俺を表す表現がある」

「それは?」



「大嘘つきだ」

それだけ言って部屋を出る


一回に降り、受付に向かう

「お疲れ様でした。どうでしたか?」

「一応討伐は出来ましたよ。そのまま持っていますがどこかに提出しますか?」

「ならこちらの箱の中にお願いします」

受付の隣にある箱の中にサンダーシャークと七色水晶をだす

入れる時とは反対の手順でだす


「これをお一人でですか?」

「そうですが」

「か、かしこまりました。試験の提出分よりもかなりありますね

試験は合格なので冒険者証をお渡しできますよ

その後ならこちらのサンダーシャークと七色水晶を買取することができます。いかがなさいますか?」

「ならそれでお願いします」

「かしこまりました。そのように手続きいたしますね、準備まで少し時間がかかりますのでお待ちください」

「わかりました」


時間を潰すために依頼書でも見に行こうかとすると

「おい、そこのガキ」

スキンヘッドのいかつい男が近づいてくる

「なんでしょうか?」

そろそろ対応にもめんどくさくなり始め力のない声で返事する

「てめぇ随分と調子乗ってんじゃねーかよ。俺のサリアさんにあんなに親しくしやがって」


どうやらまためんどくさい奴に絡まれたようだ



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