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健吾の持っていた食料を食べながら休憩する。その間にいろいろ話す


「なあ」

何と呼べばまだ知らないのでこんな風にしか呼べない

「ん?なんだい?」

俺の持っていた食料を食べながら返事をする

口に物が入ったままで喋るな!

「俺はお前の事を何と呼べばいいんだ?元鮫で良いか?」

「ああ、そういえばまだ名乗ってなかったね。元鮫なんて呼ばれ方はされたくないから自己紹介といこうかな


僕の名前は阿修羅神鮫。七大神獣の一角だ

この姿の時は、アシュ、シュラ、シン、コウ、名前の一部で呼ばれてたから好きなので読んでおくれよ」


食べ物を置いて姿勢をただし、美しい所作でお辞儀をしながら自己紹介をした


「なら俺もしとこうかね。佐藤健吾だ、好きなように呼んでくれ」


食べ物片手に適当に名乗る

礼儀正しいのは俺には無理だ


「ならケンゴ君だね。早速だけどなにか聞きたい事はあるかな?スキルの事でも何でも聞いておくれよ!答えられる範囲でなら答えるから」


さっきまで隣に居たのに、正面に座る位置を変えてくる


「そうだな.....なら、聞かせてほしいことがある」

「おお、何でも来い!」


両手を広げて待っている


「どうしてその姿になってまで俺のスキルの練習を手伝ってくれるんだ?

数百年ぶりに変身したってことはその姿にはそうそうならないんだろ?それなのに何で、その姿になってるんだ?」


これはすっと気になっていたことだ。数百年あの鮫の姿でいたのは何か理由があるんじゃないかと思ってしまう


「そうだねー、特別な理由って訳じゃないんだよ


ケンゴ君がね、ある人に似ているんだよ。その人は僕にいろんな事を教えてくれた人でね、とても強くて優しいんだ

常に笑顔で仲間を気遣ってさ、怒る事が無いんじゃないかって言うぐらい優しい人だったんだ

そんな人がね、一回だけ本気で怒ったんだ。でもそれは仲間のためだった。仲間の一人が連れ去られたんだ。それに激怒した

仲間を傷つける人は何があっても許さないって言ってたかな。大切な仲間だったんだね。

ケンゴ君はその人に似てるんだよ。仲間を大切な何かを守ろうとしてるときの表情がさ

だから、かな?

あのときは何もしてあげれなかったから、今困ってるケンゴ君の力になってあげたいんだ」


過去の事を思い出しているのだろう、少しだけ目に涙がたまっている


なるほどな、それが俺を助けてくれている理由って訳だ。良い話じゃないか

でも


「残念ながら俺はそんなに立派な人間じゃない。思い出と重ねるならやめといた方がいい、大切な思い出が汚れることになる」


仲間を大切にして、いつも笑顔で、そんなのは俺と全く違う。


「俺の表情はいつも嘘だ。表に出さないだけで笑顔なんかじゃないし、仲間を大切に思ったりもしない」


今まで生きてきて仲間だと思った奴なんかほとんどいない、それこそ片手で数えられるほどだ


「それは違うと思うな。僕は過去のケンゴ君は知らない。でも、今僕の前に居るケンゴ君はとても優しい人だよ。ケンゴ君の目は、なにがなんでも大切なものを取り戻そうとしている人のものだからね

だてに長生きしてないよ」


そんなことはない気がしないでもないが、人から言われるのは何となく嫌だな


「長生きしてても最近は他生物との交流なんてしてなかったんだろ?ならその勘も頼りないものだな。事実俺の事を見切れてないしな」


自分で言ってて何となく自分の気持ちが分かった気がする。認めなくはないが認めないと先に進めないし


「そうかな?僕はやっぱり「それよりもだ!」ん?」


コウの言葉を遮る。もう休憩は終わりの時間だ


「そろそろ練習を再開するぞ」

「そうかい?まぁそんなに時間も無さそうだし始めよっか。僕も動き始めないといけないしね」


どうやらコウにもこの後に予定があるらしい、付き合わせちゃって悪いことしたか?


「何か用事でもあるのか?忙しいなら無理に付き合わなくて構わないが」


軽いストレッチをし、修行の準備をする


「忙しくはないけどね。僕と一緒の、神獣の一角が最近になって何でか動き始めたらしくてね。その馬鹿を止めるために行かないといけないんだ」


溜め息を吐き、めんどくさそうにしている


「他にも神獣って奴がいるのか、どんな奴なんだ?やっぱりコウ位強いんだろうな」


ここまでの戦いでコウの強さは次元が違うことが分かった


「名前はタナトホース

死を撒き散らす駄馬だよ。まったく、あんな迷惑な奴をわざわざ目覚めさせるなんてバカなことをするやつも居るんだね」


ん?タナトホース?その名前は知ってる。

背中に冷たいものが流れる感覚がする。正直に言うと結構焦っている...何故なら


「どうした?顔色悪いけど。まさかとは思うけどケンゴ君が戦う相手って...違うよね?」


少し前屈みになり、上目使い気味にして心配そうな表情をしている


「あは、はははは、は~」


ペタンッと尻餅をつく


「これは不味いな~

でも、丁度いいっかなー」


仰向けに転がり空を見上げる


「なにをだ?」


これから起こる事の運命ってやつにうんざりして、眉間を押さえながら溜め息を吐きつつ何気なしに聞いてしまった


「君には徹底的に強くなってもらうよ。今の君ではあの駄馬には勝てないからねー」


未だに仰向けに寝転がりながら喋っているので緊張感がでない。そのせいで何を言われたのか理解が追い付かない


「何を言ってるのか分からないんだが」

「簡単なことだよ。僕はあまり戦闘をするわけにはいかないんだよね

ああ、もちろん君との修行なら問題はないんだけどね」

「ん?意味がわからないんだが?

戦うこと自体は問題じゃないってことか?」


気を粉らわすために一応聞いておく


「神獣とかの、力が高すぎる者達同士の戦いは余りにも次元が違いすぎるんだよ。そのせいで迂闊に本気を出すこともできないんだよねー」


それはあれだろ、俺との戦いはまるで力を出してないってことだろ。俺は全力なのにな。次元が違うってのはこういう事を言うんだろうな


「まぁまぁ、そんなに落ち込まないでよ!すぐに君もそのレベルになるんだからね

ビシビシいくからよろしく頼むよ」


立ち上がり、今までとは違う少しだけ悪意を含んだ表情をしている


何となくだが、もうやるしかないような気がするので


「ほどほどに頼むよ」


それしか言えなかった

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