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帰ろうとしたときになぜかあの三人を見つけてしまった。どうするよ、これ
「けんちゃん、けんちゃん、どうする?声掛ける?無視して行く?」
耳元で喋ってくるのは一瞬ドキリとしたが内容は酷いな、せっかく会ったんだし挨拶ぐらいはしておこうかな
「一言挨拶だけして帰るぞ、また面倒ごとに巻き込まれたらたまらん」
せっかく異世界に来たんだから楽しみたいもんな
「けんちゃん?それってフラグなんじゃない?これから騒動が始まる前のさ」
んー、そうだったかな?でも大丈夫だろ。今騒動が収まったばかりなんだから
「絶対に何か起こる予感しかしないよ
は~~~」
御堂は大きなため息をしているが心配しなくていいのに
挨拶するために三人に近づいていく
「やっと見つけた~、サトー君とコトネちゃん!いやー探したよー。まさかここにいるなんて思わなかったけどナイスタイミングだね」
俺たちを見た瞬間にすんごい笑顔になり、色々言っているが何を言ってるのか意味がわからない
横にいる二人は疲れた顔をして苦笑いを浮かべている
「どうも....では、これで」
嫌な気がしたのでそそくさと離れよう...
「待った、待った、頼みたいことがあるんだよ。いや...助けてほしいかな?」
離れようとしたが
やっぱりと言うかなんと言うか、俺はフラグをしっかりとたてていたようだ
◇
「で、なんですか?」
仕方がないので話だけは聞くことにする。本当に聞くだけだが
「どこから説明すればいいのかな?」
「別れたところから話せば伝わります。話を端折らずにきちんと説明すれば良いかと思いますよ」
二人はさっきから喋っているがもう一人はなかなか口を開かない。何者なんだ?
「とりあえず君たちと別れた後から話そうかな。えーと、私達の目的は主に会うことだったんだ」
そこから五条が変な力で二人を操ったことまで聞いた。話しの中もう一人の名前も判明した
「で、操られた二人を力ずくで正気に戻したと...よく死ななかったな」
話し聞く限り死ぬギリギリまで痛めつけていたようだ
「マスターのスキルなら私たちが死ぬことにはなりません、そこだけは信用していました。結果として私とサリアを正気に戻してくれました。しかし...自分の意識が残っている状態でマスターと戦わせられるのは恐怖体験ですね」
そのときの事は覚えているのか暗い表情を浮かべている。そんなに怖かったのだろうか?
「あ、あはははは、私もやり過ぎたかな?とは思ったんだよ?でもね..正直死ななければ回復できるしー、いっかなー?って」
何で照れ笑いなんだこの人、子供が親に何か言われた時の反応みたいでなかなか面白いな
「で?あなた達は何でけんちゃんを探していたんですか?創君の事なんか正直どうでもいいんですけど」
三人をどこか冷たい目で見ている。それと同時に組んだ腕をギュッと強く抱き締めてくる
「....えっと...その、二人はどういう関係なのかな?別れる前はそんな雰囲気じゃなかったような気がするんだけれど」
アンリエッタさんは御堂のあまりの変化に戸惑いを隠せていない。俺と御堂を交互に見ている
「私達はラブラブのイチャイチャの相思相愛なの!!誰にも私達の仲を引き裂くことはできないんだよ!だからお引き取り願います!さぁさぁ、早く!早くどっか行ってよ!」
更に強くギューーーっと腕を抱き締めながら涙目気味になり、三人に怒鳴るように言い放つ
なんだ?何でこんな勘違い&暴走をしてるんだ?いつもはもっと冷静な筈なんだが
「あ、ああ。そんなに目の敵にしなくても良いじゃないか
私達はサトー君に会いには来たが変な気はないんだ、もっと友好的にいこうよ。ね?」
ギルマスは苦笑いを浮かべながら握手のために手を差し出している。御堂はそれを
ジ~~っと見つめて
「よ・ろ・し・く」
一言一言強調しながらの返答なんて初めて聞いたな。まぁそろそろ話を進めたいし
「ことちゃんはちょっとだけ黙ってろ」
組んでいない方の手で頭を撫でる
「ふぅーーー」
気の抜ける声を出しながら力が抜けたようで、強く組まれていた腕が楽になった
「話は俺が聞く、御堂は少し疲れてるみたいだからそっとしといてあげてくれ」
「ああ、それじゃあ
まず話す前に聞きたいことがあるんだけど良いかな?」
「どうぞ」
周りを確認して、一つ深呼吸してから
「ここで何があったんだい?随分ボロボロになっちゃってるけど」
やっぱりそれか、ここに来たってことはガウのメンバーなのかって勘繰ったけど正解らしいな
「説明すると...まずオッグじいさんは知ってるか?そいつの弟子のムースって奴も」
ギルマス以外の二人は首を横に振り、ギルマスは腕を組みうーん、と考えている
「おお!思い出したぞ!確かアホみたいに毛を伸ばしていて顔が見えない老人だろ?それと....ムースだったか?そいつは知らないな」
「そうか、ならムースの紹介からだな。まずムースってのはオッグじいさんの弟子だ。特殊なスキルを持っている奴でな
で、ここからがこの場所の惨状の理由だ。今日はここである試合を行っていた、選手の数は六名、その内の一人がムースだ。今ここがこんなボロボロなのはムースが暴れたんだ、どうやらスキルの暴走が起こっていたのが原因らしい。そのせいで何人か死んだよ
オッグじいさんは今治療中だ
まぁ簡単に言うと、負けて悔しいから全てのものに当たり散らしたって事だな」
自分が試合に出ていたことは伏せながら事実を伝える
「なるほどな...ここでそんなことが起こっていたとは思わなかった...しかし、何故君達はここにいるんだ?ここは招かれたものしか入り口を見つけるのは難しい場所の筈だが、誰か知り合いでもいるのか?」
うわー、聞かれたくない質問が来たな。どう返せば良いか
どうしようか少しの間考えていると
「けんちゃんは試合に出てたんだよー、とっても強いんだから
ちなみにウルイちゃんが知り合いだよ。ここに連れてきたのもウルイちゃんだしね」
ぺたーーーっとくっ付きながら御堂が答えてしまった
おーい、せっかく俺が色々考えてたのに全部台無しにしやがったな!
ばれないように小さく溜め息を吐き、次の展開に備える
「そうか...ウルイか。ウルイなら多分あなた達を連れてきても不思議ではないかな」
「すいませんが、そろそろ私達にも説明して欲しいんですがよろしいですか?」
置いてきぼりで話が進むのは不安なのか、確かサリア?さんがギルマスに説明を求める
「そうだね...すまない。勝手に話を進めてしまった」
軽く謝罪をして二人への説明をギルマスは始めた
ここがガウという組織の本拠地であること、オッグのじいさんのこと、ウルイのこと。そして試合の事を俺達が説明する
何で俺まで説明しないといかんのだ!
そう思いながらでもしっかり説明してあげた俺を誰か誉めろ!
「よしよし、偉いね~」ナデナデ
適当なことを考えていたら読み取ったのか御堂が頭をなで始めた
「ほんとうにお二人は仲がよろしいんですね。羨ましい位です」
今日始めた名前を知ったアサヒさんが何を言ってるのか俺には分からない、羨ましいのは何なんだ!
「で?さんざんガウの話をしたが、結局はなんの説明をしたいんだ?」
いい加減グダグダしていても仕方ないのでそろそろ話を戻そう
「そういえばなんの説明をしていたんだっけ?」
ギルマスはそうとう年をとっているんだな。ボケが始まってるみたいだし
「はー、五条の話だろ。俺達を見つけて何がしたかったんだ?」
早く帰りたいので俺から話を振る
「そーそー、その話だったね。
まぁ...端的に言うと、私たちと一緒に来てゴジョー君を止めてほしいんだ」
「うん、やだ。じゃ」
速攻で断り光を通って帰る




