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学校を出て帰路につく
皆はどこに行ったんだ?本当に異世界に召喚されたんだろうか
そうだとしたら俺は何でこっちの世界に残ったんだろうか
どうせなら自分が好きだったアニメのように異世界に行って仲間と一緒に冒険なんかも面白かったかも知れないな
「あーあ、どっかに異世界に繋がる扉とかないもんかね」
誰に言うでもなく呟く
「なに言ってんのよ。そんなのあったら怖いでしょ」
いきなり後ろから声をかけられビックリした。
「何であんたがここにいるの?学校は?」
声をかけてきたのは彼の母親だった
どうやら夕飯の買い物に来ていたみたいでスーパーの袋を持っている
「人間の学舎は未確認現象によカオスと化したため終焉をむかえた」
適当な言葉を並べておく
「はーいはい分かりました、何があったかは聞かないけど大変なことが起こったのね」
この人は既に俺が嘘つきだと言うことを理解している数少ない人で適当に返しても何故かこっちの意図を理解してしまう
「さ、買い物は終わったから帰るわよ。持ちなさい」
買い物袋を無理矢理押し付けてきた。米や醤油なんかの重いものを買っていたようでかなりの重量があった
二人並んで帰る
家につくと母は昼ご飯の用意を始めた
「出来たら呼ぶから先に着替えてきなさい」
「ああ」
部屋に行き制服から私服に着替える
「始業式から疲れたな」
今日一日でどっと疲れてしまった
「明日からどうなることか」
明日から起こるであろう出来事を想像すると今からさらに疲れる
「ご飯出来たわよー早く食べましょー」
母がご飯の用意を終えて知らせに来た
「今行くよ」
「冷めちゃうから早くねー」
急かされてしまったので考え事は後にして今はご飯を食べることにする
「それでどう?クラスでやっていけそう?」
二人でご飯を食べていると母が急に学校のことを聞いてくる
「やっていけるも何も夏休みが終っただけだからクラスは変わらないよ」
「あー、そうだったわね。ママうっかりしてた」
この母は天然なのか計算なのかわからないがたまにこうしてお茶目ぶる時がある
プルルルル
その後テレビを見ながら食べていると、母の携帯がなった
「ん?誰かしら。食べ終わったら置いてていいからね」
それだけ言うと携帯を持って部屋を出ていった
俺に聞かせたくない話かな
母は彼に聞かせられない話の時には部屋を出てから電話に出る
逆に聞かれても言い話は部屋の端の方で話す
母が居なくなってしまったので一人で食べる。喋らないためかすぐに食べ終わってしまった
「ごちそうさまでした」
食器をシンクまで持っていき置いておく
部屋に戻り明日からの授業の予習を始める。彼は予習も復習も欠かさずにやっている
しかしテストではすべてのテストで平均点の少し上位の成績を取り続けている
勉強が終わると今度はアニメを見たり漫画やラノベを読んだりして過ごす
コンッコンッ
「ちょっといいかしら?」
母が来たようだ、何故か声に張りがなく元気がないように聞こえる
「いいよ」
部屋に入ってきた母は声から察した通りやはり元気がなかった
「どうかした?」
「さっきの電話ね学校からだったのよ。何があったのか聞いたわ、何が起こったのかは今調べているそうよ」
もう連絡が入ったのか。なかなか仕事が早いな
どうするか何を聞かれても答えられる気がしないんだが
ギュッ
「ごめんなさい。分かってあげられなくて
ママも駄目ね、あなたのことよくわかってなかったみたい
あなたがどんなに優しくて強い子かはママが一番わかってたはずなのにね」
母は涙を浮かべながら優しくて抱き締めてくる
こんなの前にもあったな
保育園で一人だったときにもこんな風に抱き締められたな
「俺は大丈夫だよ」
「うん、あなたは大丈夫だと思うわ。あなたはとっても強い子ですもの
でもね、もっと自分の感情に正直になってもいいのよ」
十分正直になってるんだがな
「聞いた話だけだけど怖い状況になっていたってことは分かったわ
でも、冷静に対応してくれたから助かったって言ってたわよ」
異世界に行ったかも、と思ってるから怖いわけないし、現実感がないから冷静でいられただけ
「そんな状態だったのに気づいてあげられなくてごめんね」
いつもと一緒だから違い何か無い筈なんだが
そのまま母が落ち着くまでじっとしておく
どれぐらいたったか分からないが結構な時間が過ぎてやっと母が復活した
「ごめんね、取り乱して
何か理解が追い付かなくて訳分かんなくなっちゃった」
「大丈夫って言ってるだろ」
「そうね。何が起こったかわかんないって言うのは不気味だけどあなたなら大丈夫よね
明日からちょっと大変かもしれないけど頑張りなさい」
「ああ」
「じゃあママは掃除とかご飯の準備とかしてくるわね」
母はそう言うと立ち上がり部屋を出ていった
はーあ、何か大事になってきたな
気分転換のために好きなアニメを見る
この状況は一体なんだろう
夕飯やお風呂を済ませいざ寝ようとしたら母がベットで一緒に寝ている
「今日ぐらいはママに甘えて良いのよ」
この人はもっと自分の容姿を考えた方がいいと思うな
中学生ぐらいしかない身長に超童顔のせいで子供にしか見えないのにスタイルは良くさっきから胸がポヨポヨ当たっている
そんな母と寝ると事実はともかく客観的な見た目がヤバイ
「流石に一緒に寝るのは」
「やっぱりママと一緒に寝るのは嫌かしら」(ウルウル)
早く出ていって欲しいんだが以前似たことをしたらガチ泣きしてしまったのでこちらが折れる
「はー、いいや。おやすみ」
「うんおやすみ」(ムギュー)
さっきよりも強く抱き締められているがほっておこう
スースー
しばらくすると母は寝たのか一定のリズムで呼吸している
明日から大変か、少し面倒だな
「皆の記憶は残ってんだもんな」
思ったことが口から出てしまった
チリン
鈴の音が聞こえたような気がしたんだが気のせいか?
彼の部屋には鈴など無いので聞こえることは無い
何だったのか分からんがそろそろ寝るか
ゆっくりと眠りについた




