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「お前は?」
「私は貴方のスキル
貴方が与えられた支配者のスキルである、暴君のスキルの思念体です」
少女は淡々の語る
「この状況を覆したいですか?」
分かりきってることを聞いてくる少女にイラッとしながら
「当たり前だろ!クソッもっと力があれば」
「ふふふふ、ふふふふふふふふふふふ」
少女は不気味に笑っている
「何がおかしい!俺はみんなを助けるために!」
「ごめんなさいね。貴方が余りにも愉快だったからつい」
何なんだよこいつは!人を見下して
「もう一度聞きましょう。この状況を覆したいですか?」
「当たり前って言ってんだろ!」
「ならば!
私と契約しなさい!さすれば貴方は支配者へと至れるでしょう。さぁ、私の力を振るいなさい」
手を横に広げゆっくりと近づいてくる。ずっと浮いてはいるが
「お前と契約したら強くなれんのか?」
「もちろんだとも、君にその気さえあれば絶対君主、支配者になれる力だ」
ずっと微笑を浮かべているのが気になるが今はこいつの力を使うしかないのかもしれない。このまま戦っていても被害が大きくなるだけだ
ならば、その前に全部を倒すしかない
「分かった。契約しよう」
「ふふふふふふ
そう来ると思ってたよ。良いね君、最高だよ。私の力を貴方に与えます!存分に使いなさい」
その言葉と同時に少女の体が消え始めた
少女は消える瞬間に「貴方の身が滅びるまで待っています」と言ったがそれはダレニモ届かなかった
時間が動きだし、戦闘が再開される
創は自分のなかに無かった力を感じていた。それをスキルを使う感覚で使うと
《特殊スキル:暴君の解放をします》
機械音声のような声がして、スキルが発動した
な、なんだ、これ、頭が割れそうだ
「創!」「創君!」
二人の声がしたのでそっちを見ると、魔物が目の前にいた。どうやら二人は危険を知らせてくれたみたいだ
クソックソッ体が自由に動かない。動け!動け!!
創は気を失い隆二が馬車に放り込んだ
仁美が様子を見ているがただの疲れのような症状であったため余り重くは考えてなかった
三分ほどたった時
「心配をかけたな隆二、仁美」
創が起き上がった
「良かったです、急に倒れたから心配したんですよ」
仁美は心配してくれていたらしく安心した表情をした
「おーい!大丈夫なら手伝ってくれ!もたなくなっちまう」
隆二が一人でこの馬車を守っていてくれてたようだ
「大丈夫さ、すぐに終わる。いや、終わらせる」
創は外されていた武器防具を持たずに馬車を出る
「創君!装備装備!」
仁美が持ってきてくれたが必要はない
「要らないさ、何故なら」
創は左手を上にあげて
「頭が高けーよ。『ひれ伏せ』」
バッッッッ
回りにいた冒険者、魔物全てが動きを止め創に向かってひれ伏した
「はははは、ふふふふ、ふははははは
てめえーらはもう俺の兵士だ、駒だ
俺のために戦い、俺のために死ね!てめえーらはそれしか価値がない家畜なんだよ!返事は!!」
「「「「……」」」」
誰も反応できず黙ったままでいた。反論しようとしても口も体も動かなかった
「ほーーーーー、なるほどなるほど。俺の命令に逆らうってのか?あぁ?」
すっかり正気をなくし、暴走状態になっている
これこそが特殊スキル暴君の効果だった
「支配者に楯突く奴がどうなるか教えてやらないとなーー」
創は動けないでいる冒険者の一人に近づき
「おい、その剣で喉を切れ」
そんな命令をした
おいおい、マジかよ!こんなのありか
全く動けないし声も出せない。仁美も同様見たいで動けないでいる
命令された冒険者は自分の喉に剣を突き立てている
「さぁ、早く切れ。見せしめとなれ!!」
創が叫んだ瞬間
ぶしゃあああああ
「ははははは
本当に切りやがったぜ。なあ?お前らも見てたよな!聞いてたよな!支配者が誰なのかをよ!
もう一度聞くぞ!てめえら俺に従うしか出来ない能無しの家畜だ!そうだな!」
一瞬の沈黙のあと
「…は…い」「は…い」「……はい」「はい」
ちらほかと返事をした人がいた
「はあーーーあ
まだ殺されてー奴がいるみたいだな?おい!
最後のチャンスだ。てめぇらは家畜なんだよ!返事は!!」
「「「「はい」」」」
全員の声が重なった。全員が理解したのだ、今の創には逆らってはいけないと、逆らったら殺されてしまうと
「そうだよ。それでいいんだよ!やっと自分の立場が分かつたみたいじゃねーかよ。そうだ、それでいい、てめぇらは這いつくばって俺の命令だけ聞いてればいいんだよ!」
このとき創の理性は完全に消失していた
閉じ込められていたり、眠っているのではない。文字通り消失しているのだ
つまり、たとえ彼を止める者が現れたとしても、以前の彼のようになることは絶対に不可能なのである
体が動かないんじゃ何も出来ねーな、怪力のスキルを使ってもピクリとすら指も動かせないしマジでヤバイな。どうやって止めるか
仁美の回復魔法でも解けないみたいだし絶体絶命だな
「さぁ虫どもよ、俺に従ってない虫を殺してこい!ただし、ギルマス、サリア、アサヒの三人に怪我させたら殺す!行け!!」
命令された虫たちは自分達の仲間を殺すために戻っていく
「ふふふふ、俺は最強だ!俺はやりたいようにやってやる。誰も邪魔させねえ。さぁもう自由にしていいぜ!ただ、お前らは俺の家畜だってことを忘れるなよ!」
「全員すぐに退避準備をしてください。すぐにこの場を離れます」
サリアさん、アサヒさんが戻ってきた
「二人とも無傷みたいだな」
創は二人に近づいていく
「ええ、私たちは平気です。しかし、このままここに居たのでは大変なことになります!すぐに移動します」
どこか焦ったような余裕のない表情を浮かべている
「二人とも」
「何ですか?」
サリアさんが返事をしてアサヒさんは他の人に指示を出している
「『ひれ伏せ』」
「!?」「なっ!」
強制的に従わせて二人とも創にかしずく
「やはり俺は最強だ!全員俺の命令には逆らえねぇ!いいぞ!いいぞ!最高だ!
おい!ギルマスをここに連れてこい!自然にな」
「「はい」」
困惑の表情を浮かべながらも返事をしてアンリエッタを探しに行く二人
「てめぇら!早く帰る準備を整えろ!あいつらが戻ってきたらすぐに帰るぞ!
ふふふふ、支配してやる。俺が支配者なんだ、逆らうことは許さねぇ、全員家畜だーー!」
それから数十分
「おい!まだあいつらは戻ってこねぇのか!」
ギルマスを呼びに行った二人は戻ってこず、通信手段もないため二組のパーティと配下にした虫を待機させて帰る
どうせ帰ってくるんだ、焦る必要はない
創は完全にギルマスを自分のものにする気満々だった
「はー、はー
ここまで来れば大丈夫だ!一旦休憩するぞ!」
遠く離れた場所に傷だらけの三人の女がいた。全員がボロボロになり重傷を負っている
「これからどうするんですか?」
「彼らと合流する」
「何処にいるか分かっているんですか?」
「大丈夫です。私のスキルなら追えますので」
「なら、出発しようか。何処かで装備も整えないとね」
「はい」




