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しばらく進んでいると、目を疑うような光景が広がっていた


「ここが目的地だよ」

馬車を止めて全員が外に降りる


《人間の娘か……何しに来た

俺様の眠りを妨げてまでここに来るような用件なんだろうな》

全長がどれぐらいなのかも分からない蛇のような魔物がいた。その魔物は地面に空いている穴の中に体を入れているのでどのぐらい長いのかは分からないが顔だけでも五メートル位のサイズなので全長もかなり長いのかもしれない


「起こしてしまったならすまない。(ぬし)

しかし、聞きたいことがあってきたのだ」

《ほう。俺様に聞きたいことか、なんだ?》


「ついたー」

「ここの魔物は本当強いな」

「マスターが何とかしてくれてたからなんとかこれたしな」


朝、ギルドで同時にここへの調査を依頼された冒険者達が到着した

七つのパーティに依頼されたらしく、その全部が今到着した。主と呼ばれる魔物の回りには何故か魔物が全く近寄ってこずに安全地帯となっていた


「静かにしなさい!今は主との話中だ!」

たどり着けたことでザワザワしていた空気がピリッとした

「すまない。主よ。私の仲間達が失礼をした」

アンリエッタさんは頭を下げ主に謝る

《ふふふふ、相変わらずだな娘よ。覇気は全く衰えてはいないようだな。して、俺様に聞きたいことってのはなんだ》

主は大きな目でアンリエッタさんをじっと見る


蛇に睨まれた蛙かの様に、ここにいる何人かは恐怖で身動きができたくなっていた

五条、藤城、篠宮も動けなかった


「聞きたいことは昨日のことだ。近くに大量の魔物が来ていたんだが何故動かなかったのかと思ってな」

《ここの近くを通った魔物などいない。何者かの転移能力にて出現したようだ》

「転移能力?しかし、あの量の魔物を召喚できるものなど存在しているのか?」

《さぁな、しかし転移したのは確かだ。その中には俺よりも格上の奴もいたようだ、もし戦っていたら俺は今ここには居なかっただろうな》

「そんな奴もいたのか!?名前はなんと言うんだろうか」

《伝説の海の回遊者である、阿修羅神鮫(あしゅらしんこう)だ。しかし、安心せよ阿修羅神鮫(あしゅらしんこう)は穏やかな者でなこちらから仕掛けなければけして襲ってくることはない》


主ですら格上って言い張る魔物ってどんなのだろうか?少し気になるな

《それを聞きに来たのか》

「その通りだ、いや助かった。感謝するぞ主よ」

これで終わりらしい。他の冒険者が来た意味なかったな

もしも主が殺られていた場合とかのために、こんなにたくさんの冒険者を集めていたんだろうな


「さて、我々はもう帰ることにする。行きなり押し掛けてきてしまってすまなかった」

その声と同時に全員が馬車に乗り込む

《娘よ、今からでは暗くなる。戻るのなら急いだ方が得策だ》

主は心配してくれているのか少しだけ言葉に角がなくなった


「心配はないさ、ではまた。失礼する」

俺たちの馬車が先頭になり島の中を移動する。来たときに比べると比較的にスムーズに進めた。バブルロードを渡り島を出る


何もせずに終わったので全く疲れなかった、帰りはアンリエッタさん、サリアさん、アサヒさんに主のことやこの土地のことなんかを聞いて時間を潰した


しばらく進んでいると暗くなってくる

「これ以上は止めておこう、全員夜営の準備をしてくれ!見張りは各パーティで一時間ずつ、私たちが最初にやるから後は決めておいてくれ」

「「「はい」」」


簡単なテントを張り、見張りを一時間したら男女に別れて寝る

「やっぱりすごかったな。主って呼ばれる魔物はさ」

睨まれたら一歩も動けないぐらい……いや、動いたら死ぬという錯覚さえ感じてしまうほどのプレッシャー。あんなものもとの世界じゃ味わえるものじゃない

味わう機会があったら不味いが


「だな、俺たちももっと強くなって活躍したいもんだな!」

隆二はニカッと笑う。以前の創ならそう考えていたかもしれない。しかし、創の心には全く違う気持ちがあった


あんなのに勝てるわけないという恐怖が


クソッこんなのは俺じゃない!今までだってずっと俺が中心だったんだ!絶対俺がすぐに全員を引っ張れるぐらいに強くなってやる

「捧げよ……に……の願い…を…………与える」

この声も馴れてきたな、段々とハッキリ聞こえるようになってきてるし


二人とも寝袋に入り、目を閉じる

「お互いに頑張ろうぜ!お前なら佐藤にだって勝てるようになるって」

気遣うように優しく言ってくる

「ああ、何がなんでも強くなって見せるさ。どんなことをしてもな」

「はは、お前なら本当にやりそうだから期待してるぜ!」

励まされながら眠りにつく





「ふふふふふふふふ。大丈夫よ、貴方は王になるのだから

私の力を使って貴方は絶対的な支配者となるのよ

楽しみだわ、早く私を解放してね。一緒に高みを目指しましょう


私の可愛い可愛い坊や」






大きな音で目を覚ます

「なんだ?この音」

既に日は昇っている。寝起きの頭を動かし、状況を理解する

どうやら魔物が出てその撃退をしているらしい

「創!すぐに戦闘準備だ!!全員もう戦ってる!仁美と外にいるから急いでくれ」

鎧を来て今まで戦っていたであろう汚れている格好で隆二がテントに飛び込んできた


「分かった、すぐ行く」

準備をし外に出る。そこには大量の虫型の魔物がいた

「なん…だ?……これ」

数千匹の虫を見たことで動揺を隠せない


「急げ!創!この虫のせいで仁美がほとんど役に立たなくなってる。お前のスピードならこんな虫蹴散らせるだろ!」

なるほど、確かに仁美は虫にはとことん弱いからな。そのくせにこういう大変なときは力になろうと無理をするから心配だな


「分かった。すぐに行こう」

縮地を使いすぐに仁美の近くに行く

「大丈夫か!仁美!」

「創さん!なんでここに!」

馬車の中から弓で攻撃している仁美がこちらを向く。その瞬間にバッタに似た魔物が跳びかかったので縮地を使いつつその勢いのまま短剣で切る

「近くは俺に任せろ!遠くの援護と回復を頼む!」

「分かりました!ありがとうございます」



十数分後

「いつになったら終わるんだ!」

「さぁな、全く終わる気がしねーよ!」

「弓ももうありません!」

全く減ることのない虫に悪戦苦闘していた。虫の魔物は三方向から来ているらしくアンリエッタさん達はそれぞれ別れて対処している

冒険者たちも戦っており馬車を守るのですら苦労していた


「アサヒ!サリア!虫の出所を潰してきて!このままでは守りきれない!」

遠くで戦っているアンリエッタさんが大きな声を出して二人に指示を出す


二人の抜けた穴は他の冒険者がカバーしているが徐々に押され始めている。既に馬車は半壊してあるものさえある

アンリエッタさんは二人とは違い圧倒的な攻撃力でほとんどの魔物を蹴散らしながら進むので、抜けても余りにも影響はなかった

「クソッ俺にもっと力があれば!クソッ!」

守れない悔しさからそんな言葉が出る


「なら……私の力を使いなさい」


急に辺りが静になる

何事かと辺りを見渡すと全てが止まっていた


「なんだ……これ」

後ずさりしながら誰に聞くでもなく呟く

「これは私の力の一部です」

上から声が聞こえたのでそっちを見ると、不思議な雰囲気を纏う少女が浮いていた

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