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俺の幼馴染みは  作者: 時川
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訪問していただきありがとうございます。

ゴールデンウィークも終わり、校内は文化祭の準備におわれている。俺達のクラスは、人生ゲームを教室で行う事になった。最大四人のチームで、五人目として俺達のクラスの一人が一緒に銀行(監視役)として回るので仲間同士でのずるはできない。ランキングをつけて、ゲームマネーを沢山もってあがった人1位から3位に景品をあげることにした。受付でこの学校ならクラスと名前のみ、外部の人なら連絡先と名前を書いて貰うことにした。ただ、外部の人は、連絡先を教えたがらない人も多いだろうから、無理にとは言わない予定だ。景品がほしい場合のみ、外部の人に連絡先を書いてもらうことになっている。この学校に知り合いがいる場合、知り合いでもいいので、本人と知り合いの名前を書いてもらうことにした。


裕のクラスは…と言うか特進は学年単位で1つの出し物をすることになっているため、1Aと合同だ。流石に20人で1つの出し物は準備が大変だからという事らしい。1年は、2教室つかってリアル脱出ゲームをするらしい。当然頭のいい奴等が考える問題だから、きっと脱出できない奴等が沢山だろう。


サッカー部の先輩によると、普通クラスも文化祭のこの時ばかりは、特進校舎に行っても、特進クラスの生徒に無言の圧力をうけないらしい。特進クラスの生徒も、普通クラスの出し物を見に来たり参加しにきたりするらしいから俺達のクラス委員が人生ゲームをリアルに再現するとはりきっていた。


「浩志。次これ。」


「おー。」


ゲームマネー用にデザインした紙をカラーコピーしてそれを綺麗に切る地味な作業だけど、こういう細かい作業もリアルさを追求するうえで大事だと、委員長が率先して一緒に綺麗に切っていた。


「ところで、特進にいるお前の幼馴染み、俺らのクラス来るの?」


「ああ。…ちょ。」


内緒話をするように、こっそりと委員長、芦田孝哉あしだ たかやに近づく。


「ここだけの話な。来るっていってた…と言うか俺と美優と一緒に回る予定。」


「え。マジ?誰が当番の時にくんの?」


「そりゃ、孝哉君の時だよ。ここだけの話にした意味ねーじゃん。」


「マジかよ!?」


「ちょ、声っ。」


うをっといって口を押さえる委員長。人生ゲームの回る人数は最大4人だから、一人でまわってて待ってる人がいないかぎり3人で回すことにしている。二人組が二組いたら、同じ回で4人で回し、二人組の前に一人で回ってる人がいたら3人で回すことにした。3人の前に一人で回ってる人がいないかぎり、3人はそのまま回したほうがいいだろうという結論に達した。


「わりぃ。わりぃ。」


「お前、松岡と石井と一緒だったよな。」


「ああ。まぁ、彼奴らなら一緒に銀行でまわっても大丈夫だろ。問題は受付の女子…いや、鈴木がいるから大丈夫か。」


「そゆこと。俺もいるし。」


そんな事を話していると、きゃあっ!という女子の黄色い声とおおっ!という野郎共の声が教室内に響いた。


声のしたほうに顔を向けると、声に少しびっくりしたような裕が教室の戸口に立っていた。


「裕っ!」「裕くんっ!」


俺と美優の声が重なった。なにしてんだ彼奴。今は放課後で殆どの生徒が教室で作業をしているはずなのに。


「どうしたんだよ。」


俺と美優が裕のところに一緒に行くと、1SAのサッカー部員、松島まつしま 大翔やまとが一緒にいるのに気づいた。


「あれ?大翔も一緒?」


「おう。買い出しの帰りついでによったんだ。浩志、このあと部活のほうの準備行くだろ?」


「ああ。そのつもりだけど。」


「俺、後一時間位クラスのほうやってから行くつもりなんだけど、一人で行くと部長五月蝿いから一緒に行こうぜ。」


「おー。そうだな。」


「んじゃな。また後でくる。」


「おー。」


俺が返事をすると、裕は一言もはっしないで大翔と一緒に特進校舎に帰っていった。


「やっぱ、かっけえなー。」


裕が特進校舎に帰ってしまった後も、まだ教室内がざわついていた。


「まぁなぁ…。あれで性格も頭も運動神経もいいからなぁ。」


「スペック高すぎだろ。」


「ほんとにな。」


なんて、返事をしたけど、七海あのこを前にした裕を知らない孝哉にしたら…というか、他の奴等からしたら、裕は、カオスな存在なんだろう。

俺からしたら、役者だよなと思う。裕の気持ちを知っている俺達だからわかるだけなのかもしれないけど。


教室内はざわつきがおさまらないまま一時間がすぎていた。俺達は、黙々と作業に戻ったけど、クラスの半分以上は裕の事を話していた。


「浩志。」


教室の中が一瞬ざわめいたけれど、さきほどとは違い裕が立っていないだけですぐ静かになった。

少しだけ苦笑いを噛みしめ美優を誘い、委員長に部活の方に行くことを告げ、鞄をもって戸口に向かうと戸口に立っていた大翔も苦笑いをしていた。


「あからさますぎだろ。つか、俺も一応1SAなんだけどな。」


という呟きにかみしめていた苦笑いをやめた。




登場人物を少なくしたい今日この頃。

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