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俺の幼馴染みは  作者: 時川
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訪問していただきありがとうございます。

唐突だが、俺の幼馴染みはイケメンだ。


背も高くスタイルもいい。頭もいい。運動神経も抜群。性格?悪かったらあんなにモテてないし。男にも女にも。

マジで、映画や小説、漫画のヒーローが現実にそこにいるみたいだ。


天は二物を与えず。


と言う諺を覆す奴だ。


奴の名前は、みなみ ひろ父方の祖父がイギリス人で母方の祖父もイギリス人で裕のお父さんとお母さんがハーフで果てしなく綺麗な人達だ。ミドルネームもあってオースティンと言うらしい。でも、裕は面倒だからミドルネームとかいらない。なんてコテコテの日本人の俺からすれば、贅沢な事を宣っている。


なんて、彼奴の事ばかり語ったが、俺の事も語ろう。俺の名前は、佐藤さとう 浩志ひろし。石を投げたらあたると言われている日本人に多い苗字。そして絶賛日本人体型だ。親父いわく、『俺よりマシだ。』なんていわれるけど、いつも隣にいる裕の足の長さをみたら…。いや、考えたら負けだ。いいんだ。フツメンで成績は並、運動神経は悪くない。抜群とは言わないが、それなりにこなせる。ちなみに、サッカー部。男友達は沢山いるけど、裕みたいに憧れられてるわけじゃない。別に憧れられたいわけじゃないからいいけどさ。裕いわく、俺の性格は良いらしい。


小さい頃からモテまくる裕だが、今のところ彼女という存在はいない。周りの人から見ればあの取り巻いている女の誰か一人ぐらいと付き合った事があるだろうと思われてるけど、裕は未だに初恋もまだだ。裕自身が言っているのだから間違いはない。中には勘違いして彼女面する女もいるが、裕は、そういう女の勘違いをすぐ正すこともできる。本当にスゲーと思う。まあ、あんなに綺麗な家族に囲まれてたらそこら辺の女じゃ裕のストライクゾーンにはいんないのだろうと思っている。本人は決してそんなつもりは、ない。と言い張るが。


ま、俺が女の事に関してこんな冷静に語る事が出来るのは、なんてったって俺には2年ほど前から彼女がいるからだ。


俺の彼女も、裕と幼馴染みで俺とも当然幼馴染みだ。小さい頃から、裕に夢中だった彼女だけど、あれは、中1の頃…。裕に彼女が告ったら、裕はまったくそんな気はなく、幼馴染みのままでいたい。と言われ、傷心の彼女を慰めたのが、俺と彼女の始まりだ。美優が裕に振られた事でギクシャクしてしまうと思われた幼馴染みという関係だが、裕も美優もさっぱりしていて、告白する前の感じだ。そして、俺と美優は、ラブラブだ。若干…裕に言わせればかなり俺のテンションが高めだが。

ちなみに、彼女の名前は、鈴木すずき 美優みゆ。名は体を表す美優は、優しくて綺麗だ。俺と同じコテコテの日本人なはずなのに、スタイルいいし、性格もいい。成績は、俺と同じぐらい。サッカー部のマネージャーになってもらった。綺麗なだけに、男に人気がある。が、裕と仲が良すぎて一部の女子から敵対意識をもたれている。ま、そこをなだめて平和にするのは裕だけど。俺も一応役にはたっている。なんといっても、美優の彼氏だからな。


そんな俺達は、同じ高校に入学し1週間ほどがたっている。学力は違うが、この学校には特進クラスがあって、裕は特進コースのクラスでクラスの9割が男ばかりで校舎も違う。なのでこの1週間校内で裕に会うことがなかった。多分、校内で会うことはこれからも少ないだろう。学校には3人で行ってるから毎日会っているけどな。しかも、昼飯は一緒に食ってるし。特進クラスの裕と一緒に食ってたこの1週間、普通クラスのクラスメイトやら、普通クラスの先輩、他のクラスのサッカー部員やらに驚かれたけど、幼馴染みだとわかると成る程と納得された。それほど、特進クラスと普通クラスの間に隔たりがあるってことだけど、裕はそんなのどこ吹く風だ。自分のやりたいように過ごす彼奴は、流石だと思う。


が…今日の裕は、どこかおかしい。今は絶賛昼休み中。いつものように3人で普通クラスと特進クラスをわけている技能教室校舎の中庭のテラス席に陣取り俺と美優はいつものように昼飯を食べ始めたが、俺の向かい側に座る裕が弁当の包みをもったままいっこうに動かない。裕が動かない事を気にして見ていたら、美優が俺が裕を見ていることに気がついて、こそっと俺に聞いた。裕くんどうしたの?と。さあ?とそれに返事をしてから、俺は裕にむけて聞いた。


「どうかしたのか?裕。」


聞こえてるはずなのに、返事がない。弁当の包みをもったまま固まっている。


「ひーろ。裕!」


ぼーっとしている裕の目の前で手をヒラヒラさせるとやっとの事で、俺達をみた。


「え。何?」


…こっちがききてーよ。と思った俺は悪くない。


「何弁当持ったまま固まってるんだ?」


「ああ、うん…。」


「つか、返事になってねーし。腹でも痛いのか?」


「え。いや、…うん。」


「どっちだよ。」


苦笑いで裕をみるとやっぱりまだ弁当をもったまま固まっていた。


「…胸が…変だ。」


裕のつぶやきに俺と美優が目を見開いて顔をあわせた。


4月17日の昼休みーーーーーーーーーーーーーーーーー












新作はじめました。楽しんでいただければと思います。

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