街の防衛戦④~防衛線をさげました
次回も3日~5日ぐらいの予定です。
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絶体絶命の状況だったけど、”フラッシュ”のお蔭で危機を逃れれたのだ。
「ユーマ、逃げるぞ」
「俺達じゃ勝てねー」
ルドルフとオリュンが傍まで来てから、逃げる事を伝えに来た。
「ああ、わかった。急いで逃げよう」
俺達3人は鬼に背を向けて、ギルドに向けて全速力で走りだした。
他の人達も逃げ出したようだ。
「待ッテロヨ!!ムシケラ共ガ!!必ズ殺シテヤルカラナ!」
鬼が怒り狂った様子で叫んでいるのを無視してギルドまで走った。
ギルドの中に入ると、数十名の冒険者が居た。
(怪我をしている者も多いな)
「お前らも無事に逃げれたのか、良かったな」
「さっきの鬼については報告しておいたぜ」
さっきまで一緒に戦っていた人たちが話しかけてきた。
(治癒魔法使いと長剣を持っていた人は、見かけられない)
「ああ、そっちも無事で良かったよ」
「俺達も何とか逃げれたぜ」
「あの鬼について何か分かったのか?」
あの鬼について俺は聞いてみた。
「君たちが接触した鬼について分かった事を儂が教えよう」
お爺さんが話に割り込んできた。
「あっ、ギルドマスター!」
(そういえば、ギルマスだったわ。一度しか見たことがないから忘れていた)
「あの鬼は”魔人”と呼ばれる存在じゃ。魔人とは何かしっておるかの?」
俺達の全員は首を横に振った。
「魔人とは魔物の進化した存在じゃ。人語を理解出来る程の知能に加えて、強力な肉体を持つ存在じゃ。魔人は基本的に最低でもSランク程の実力を持つとされているぞ」
(そんな危険な奴と戦っていたのか!もう、戦いたくないな)
俺達がギルドで身体を休めていると、大慌てで騎士が一人走り込んできた。
「伝令!ギルドマスターのブルドル殿は御られるか?」
(ギルマスの名前ってブルドルっていうのか)
「儂がブルドルじゃよ。そんなに慌ててどうしたんじゃ?」
偶然、近くにいたブルドルさんが騎士に問いかけた。
「”一角の鬼”が出現した所為で前線はもう少しで崩壊するとの事です。
第二防衛線まで撤退との事です。冒険者の方も防衛の方に専念してほしいとの事です」
ブルトルさんは深刻そうな顔で頷いた。
「うむ、了解じゃ。”一角の鬼”以外にも魔人が居ると団長に伝えておいてほしいのじゃ」
(え!?一角の鬼って魔人なの!!)
伝令役の騎士は急いで、戻っていった。
「報告は聞いたな!これより、南側は放棄する。
北側の防衛に専念するのじゃ。怪我人を連れて北側―――領主の館まで行くのだ」
それからは迅速に移動を開始した。
30分後には領主の館まで来れた。
鬼にも数回出会ったが、ギルマス―――ブルトルさんが土魔法を使って、瞬殺してくれたのだ。それと、途中に出会った冒険者達にも北側の防衛の事を伝えながら来た。
現在、領主の館には多くの住民が避難している。
100名の騎士が領主の館を守っている。南門の防衛をしていた騎士たちもこちらに向かっているらしい。
冒険者は、戦える者は100名程だ。怪我人も多い。
ブルトルさんが土魔法で館の周りに壁を創っていると、数十名の騎士達が来た。
「ブルトル師匠お久しぶりです。このたびはよろしくお願いします」
騎士の中で一際立派な装備を身につけている騎士がブルトルさんに声をかけている。
「アントニィか、久しいの。この中で魔人と闘えそうな奴は僅かしかおらんぞ。
やはり、儂とお前で倒すしかないようじゃな」
アントニィと呼ばれた騎士の表情がわずかに曇った。
「やはり、Sランク以上の冒険者は師匠だけでしたか...」
「儂はもう引退した身じゃから、どこまで戦えるかは分からんがのぉ」
それから防衛の持ち場が決まった。
ほとんどが領主の館の周辺は3つのチームに分かれている。
怪我人や遠距離型の人は館の近くや館の中に居る。ランクの低い人もだ。
ちなみに、俺は館の周辺の西側が持ち場だ。
真ん中――南側はアントニィと呼ばれていた騎士が率いる騎士チームだ。。
東側はブルトルさん率いる冒険者チームだ。
西側―――つまり、俺達は...騎士団と冒険者の混合だ。数も一番多い。
他のチームが30ぐらいに対して50~60ぐらいだ。約2倍である。
残りは民間人の護衛だ。ざっと―――200名程。怪我人も含めだけど。
後は、鬼共が来るのを待つだけだ。




