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互いに譲れないもの

俺の目の前には国王陛下が居るのだ。

(しまった。もう少し早く移動すればよかった)

俺は後悔していた。

「エクリサーを持っているらしいな。それを譲ってもらいたいのだ」

国王陛下が睨む様にこちらを見ながら、尋ねてきた。

俺は助けを求めるようにジャスティンの方を伺った。

(頼む、気づいてくれ。俺には荷が重い過ぎる)

ジャスティンと目が合った。

しかし、目を逸らされた。

何だと!!!!

仕方ない、自分で切り抜けよう。

俺が決心したところで助け舟がきた。

「貴方、エクリサーを譲ってもらってからティアラが健康になったら、また勝手に婚約させるつもりですか?」

「何を言っている。ティアラの事を思ったら当然じゃないか」

「その本人が拒否したら、それを認めるんですか?」

「何を言っている。ティアラは、まだ16歳だぞ!良い相手の区別なんかつくわけないだろう。だから、余自らが数多あまたの候補から選別したんだぞ」

(ティアラって16歳だったのか!?同い年には見えないな)

その時、俺は全く関係ない事を考えていた。

「それを嫌がっているんですよ」

「ええぃ!その話は後だ!!小僧、エクリサー売ってくれ。いくらだ?」

エクリサーの相場っていくつなんだろうか?

いや、当初の予定通りに断ろう。

「すみません。お譲りする事は出来ません」

「何故だ!?」

国王が怒鳴ってきた。

「私はこれからブルング帝国にエクリサーを持って行くからです」

(本当は行かないけどな。逃げるための嘘だ)

「何だと!!昨日は譲ってくれると言っていたのではないのか!」

「それは、ティアラ様が望んだ場合です。昨日、譲ろうとしたのを拒否されたので」

一応、様を付けておいた。

「余が望んでいるのではダメなのか!?」

凄く怒ってるよ、怖いぜ。

「はい、私はティアラ様とジャスティン様に御恩がありますが、本人が拒んでいるので、たとえ国王様にも譲れません。ご本人を説得してみてはどうですか?」

「あまり、余を怒らせるなよ!!ここで貴様からエクリサーを奪ってもいいのだぞ!」

(マジか!怖いぞ。キレそうだな)

「お言葉ですが、私は現在エクリサーを持っていませんよ。なんなら確認しますか?」

(まぁ嘘だけどな。ディメンションの中に入れてるだけだ)

「わかった。おい、確認しろ」

国王が側近の一人に指示を出した。

現在の俺の手持ちは、普通の鞄だけだ。アイテムポーチとかは全部ディメンションの中だ。

服とかも見られたが、見つけられなかったみたいだ。当然だけどな。

「おい、どこにあるんだ!」

「それはお答え出来ません。もし、ティアラ様が心の底から納得したのでしたらお譲りします」

「わかった。これから納得させるから、貴様も来い!その間に逃げられたら困るからな」

そのまま、俺の服の首根っこの部分を引っ張られてから連れて行かれた。

(何か俺の扱いが雑じゃねーか)

途中から自分で歩いたが。

ティアラの部屋に行ってみたが、居ないらしい。

それから中庭に向かっている。


中庭に到着した。

ティアラを発見できたのは、良いんだけど...これから面倒事になるんだろうな。

「ティアラ、こんな場所に居たのか。お前に話がある。

話と言うのは、何故エクリサーを拒むのだ?」

国王がティアラに質問をした。

「わかりました。話しましょう。

結婚したくないからです。でも、結婚自体には憧れています。

結婚とは人生を大きく左右するものです。

だから、その相手は自分で選びたいです。お父様が選ぶのではなくて自分が」

今のティアラの迫力がすごい。

真剣さが凄く伝わってくる。

「しかし、な。ティアラよ、お前はまだ若いから良い相手を選べないだろう。

だから余がキチンと選別しなくては。お前の幸せを思うからこそ、余が選ばなくてはいけないのだ」

「お父様の基準は何ですか?家柄や財産や権力ですか?

そんなものを私は望んでいません。その人の人柄を見ようとしないお父様が勝手に選んだ相手なんか知りません」

二人の言い争いは白熱している。

どんどんヒートアップしているみたいだ。

(あっ!そろそろ昼来るから帰りたいな。アルトルさんと約束あるしな)

「ユウマ君、昼から用事があるって言ってたけど、そろそろ行かなくて大丈夫なの?」

ジャスティンは俺が昨日言っていた事を覚えていたみたいだ。

「ああ、そろそろ行かないとな。でも、今って凄く出ずらいんだけど...」

「そうみたいね」

俺達が少し話していると、国王がこちらを睨んでから

「だいたい、お前がさっさとエクリサーを譲れば問題ないんだよ!

Fランク冒険者の癖に生意気なんだよ!!何故、お前みたいな雑魚が余のティアラと親しくなってんだよ!そこから気に食わん」

(何か標的変更されたみたい。てか、今はEランク冒険者だっての。つーかイラついてるのは分かるけど、ここまでボロクソに言われたら頭にくるな)

「お父様、言い負かされたからってユーマさんに標的を変えるなんて卑怯ですわよ」

言い負かされたのかよ。まぁ、脳筋って言葉が似合いそうな人だしな。

「国王陛下、ランクだけで全てを決めるのはどうかと思いますよ。それと、現在はEランクに昇格しました」

「EもFも雑魚に違いはないわぁ!!そうだな、そこまで言うなら余と勝負しないか?貴様が勝てばティアラの意思を尊重しよう。どうだ?」

どうだ?と聞かれてもな。

そんなの答えは決まってるぜ。



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不慮の事故で死んでしまった主人公。だが、彼の人生は終わってなかったのだ。 天使のお爺さんに異世界に転生してもらい、憧れの異世界ファンタジーの世界に行ってから彼は何をするのだろうか?自分の厨二と直感を信じた、彼の物語が幕を開ける。
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