詠唱を決める。そして、手品が気に入られる
《改稿版》の方は削除します。これからは通常版の方をチマチマと改稿作業に移りたいと思います。
※改稿版です
ユウマの朝は早い。地球と比べたらの話ではあるが。ユウマは今日もアラームのお蔭で起きる事に成功する。元々、朝は弱いのだ。
朝食を摂るために一階の食堂に降りる。いつもの様に朝食を食べる。いつもの様にと云ってはいるが、異世界にきて数日しか経っていない。朝食の後は部屋で準備をし、予定通りギルドに向かう。
ギルドに到着すると、クエストボードを確認して手頃の仕事を探した。そこで、新人にも優しいゴブリン退治と薬草の採取のクエストを受ける事にした。ニーナのところで受付を済ませて、ギルドを出る。
ユウマは門の近くの屋台から美味しそうな匂いのする焼き串を発見。速攻で買う事を決意。
「すみません、この焼き串5つ下さい」
ユウマは昼食用に焼き串を買う事にした。
「はーい。アリガトね5つで200Gだよ」
三十代のおばちゃんは、そう言ってから何の葉っぱか知らないけど、大きな葉で巻いた串を渡してくれた。
「そういえば、これって何の肉なんすか?」
ユウマは異世界生活歴が数日であるから、一般常識を身に着ける為に色々な事を聞くように心がけている。
「え? 知らないのかい?まぁ、いいや。 これはドードの肉だよ」
話を聞いてみると、どの町にも普通に出回っているお肉らしい。
お礼を言ってから、門を出た。
ユウマはさっき買ったドードの串をディメンションの中にしまった。これは、ディメンションの中は、どうなっているかを調べる実験である。
ユウマの推測通りなら、時間が止まるはずなのだ。以前に読んでいた、ライトノベルではそうだったからな。もし、このドードの串が昼に熱いまま出てきたら、ユウマの推測は正しい事になる。
数十分ぐらい歩き、やっと森の入り口に着く。それから、さらに数刻の時間を歩いていると鹿みたいな生物を発見した。
「みたいな」と前に付けた理由は、この鹿が地球にいるような鹿じゃないからだ。
体中から針を出している。そんな鹿は今まで、見たことがない。
針自体は、大した脅威にはならないのだが、三頭いる。一番大きい鹿の足元にゴブリンが数匹転がっている。そして、ゴブリンを食べる。
……グロイ。吐きそうです。ユウマは先刻、食べたばかりの朝食を吐きそうになるが、何とか抑える。
ユウマもゴブリンを殺した事はあるが、コレは無理だった。まず、匂いが無理。そして、描写がヤバい。
見た目は、ほとんど鹿と同じなのにゴブリンを食うとか……無理。
(近づきたくない。帰りたいです)
こんな時に魔法が使えたらな、ここから攻撃して仕留めるのに。ユウマはまだ氷結魔法使えない。
それでも、すぐに撤退しない。異世界に来ているのだから、頑張らないと。それでも、すぐに行動に移せないのは、彼がヘタレだからだ。
どうしようか、少し悩んでいると、魔法が使えなくても能力があることを思い出す。そこからのユウマの動きは俊敏だった。迷わずにフレアを使った。もちろん全力でだ。
凄い炎がユウマの前に出現した。一瞬だが、炎の塔が出来た気がする。その炎はすぐに霧散して消えたが、威力が凄まじい。集中しないと、すぐに炎も霧散し消える。
とりあえず、ゴブリンの討伐証の部分を剥ぎ取ろうと思ったが、ユウマはその場で膝を地面につける。何故なら、ゴブリンも鹿も墨になっていたからだ。
(……どんだけ威力があったんだろうか? 一瞬とはいえ、けっこうな魔力を消費した気がするからな)
確かにけっこう魔力を消費したが、ユウマの全体の魔力量の約二割ぐらいしか減ってない気がする。ユウマは知らない事だが、異世界人は総じて魔力が高い。その例に洩れずにユウマも魔力量は多い。その事に本人は自覚していない。
気を取り直して、森の中の探索を開始する。しばらく歩いてみると、ゴブリンを見つけた。今度は生きている。すぐに木の陰に隠れたからゴブリン達は気づいてない。ゴブリンの数は四匹。
フレアの次はアクアを使ってみるか。剥ぎ取りしないと金にならない。つまり、炎だと調整出来ないのだ。
その点は水なら大丈夫だろう。水を勢いよく放出すればウォターカッターとかウォタースライサーみたいな攻撃技が出来ると考えているからだ。
ものは試しだ。とりあえず、試してみる事にした。
ユウマ魔力を多めに消費しアクアを発動した。イメージは、カッターの刃や剃刀の刃みたいなモノだ。
ユウマは右腕を振るった。すると、水が勢いよく放出された。その水は弧を描きながらゴブリンの身体が上半身と下半身を綺麗に分離した。それだけでは、足りずに後ろに生えてた木にも深く、鋭い切れ目が入っていた。幸い、倒れた木はなかった。
ユウマはゴブリンの討伐証を剥ぎ取り、更なる獲物を探す為に移動した。
少し移動してからユウマは昼食にする。その為、ディメンションでドードの串を取り出す。食べてみると、焼き立てのようにホクホクだった。
つまり、ユウマの仮説は正しかったのだ。
昼食を食べ終わり、散策を再開した。そして、薬草を発見。勿論、採取は忘れない。
さらに移動を続けると、何かの音が聞こえてきた。耳を澄ませて、音のする方に行ってみると、冒険者なのかは分からないが、数人が豚人間の集団と戦闘中だった。
ユウマはオークを始めて見たが、良い印象を持たなかった。まぁ魔物に良い印象なんて普通は持たないか。
良い印象どころか、キモイとさえ思っていた。だってさ、ヒトみたいな下半身に豚の頭って……キモイので遠慮したい魔物である。
戦況を見てみると、豚人間が八匹に対して冒険者っぽい人たちは四人だ。明かに冒険者達が不利である。
ユウマも加勢しようか悩んでいると、冒険者っぽい男性の一人が槍で胸を貫かれた。ユウマはそれを見た瞬間に飛び出して行った。
豚人間は急に出てきたユウマに驚いてから動きが鈍くなってたり、止まったりした。そこをチャンスと捉え、近場に居た一匹に回し蹴りを食らわせ、吹っ飛ばす。
「おい、加勢はいるか?」
ユウマは一応、礼儀として冒険者たちに声をかけると、すぐに「頼む」と返した。
ユウマはウォータースライサーと言って、水の刃でユウマに襲い掛かってきた二匹の首を胴体から離してやる。
少しすると、冒険者達と共闘をして豚人間の集団を全滅させた。胸を貫かれた男性は既に息絶えてしまった。
「すまない。助かった」
冒険者の一人が声をかけてきた。
「こちらこそ、すまない。もう少し、早く来ていたら仲間も助けれたかもしれなかったのに」
残りの三人は満身創痍って感じだ。何でも、ユウマが来る前にはもう三匹いたらしい。どれくらいの間戦っていたかは、知らないが大変だったのだろう。
そこから、豚人間の討伐証を剥ぎ取り始めた。ユウマが三匹分で、残りがあっちの分だ。
仲間の亡骸をそこで火葬してから町まで三人は帰るらしい。疲れ切ってる三人をそのままにしておくのも、不安だったので、ユウマも一緒に町まで帰ることにした。
帰りの途中に互いに自己紹介を済ませといた。
三人は、ガイエル、シャーラ、ゴーラという名前だった。
ガイエルがリーダーで大剣使い。性別は、男性。
シャーラは短剣使いらしい。性別は、女性。一応、風魔法も使えるが、弱いので基本的に使わない。
ゴーラは弓使いだ。性別は、男性。
全員はDランクらしい。
落ち込んでいる三人と無事に町に帰ってきた。そのまま、全員でギルドに向かった。
ギルドで三人と別れてユウマはニーナのとこに薬草採取の報告に行ってきた。
ゴブリンは一体分足りないから報告は、今日はしなかった。
ちなみに薬草の報酬は、一束25Gだから、250Gの報酬である。安い。
それから、ギルドを出てから、宿に戻った。
部屋に入って、ベッドで横になってから、考え事をしていたのだ。考え事とは、ガイエル達と町に帰る時にユウマさんは、無詠唱スキルを持っているんですねって聞かれたのだ。そこでは、上手く誤魔化しておいた。
そこで、今度から能力の発動にも詠唱を唱えようと思い、考えている。数時間ぐらい考えていたと思う。
ユウマの厨二脳がカッコいいスペルや詠唱をいくつか考え出したのだ。
例えば、今日オークに使ったウォータースライサーの場合は。
「水よ切り裂け!《ウォタースライサー》」
水で龍を作って攻撃する技も考えたのだ。
「我、放つは水龍!《ウォータードラゴン》」
水の弾丸を飛ばす技も考えたのだ。
「我、放つは水の弾丸!《アクアバレット》」
「我、放つ」って詠唱は、かなりカッコいいと思う。基本的にはこれを採用した。
他にもいろいろと考えたが、とりあえずこれぐらいで良いと思い、中断してから夕食に向かった。
明日からも、能力開発を頑張ろうと思いながら、睡眠に入った。
翌朝もユウマはアラームで起きた。そして、食堂に行き朝食を食べたのだ。
いつものようにギルドに向かって、クエストボードを見る。
.トリコール子爵のご令嬢のお守り
報酬.1000G~10000G
人数.五人まで
これは、楽そうだな。しかも、報酬も高いし。この依頼を受けるとしようか。
受付のニーナのところに行ってからクエストを受けた。
それから、トリコール子爵の屋敷まで行き始めた。トリコール子爵の屋敷があるのは、裕福な者達が住むとされる北側エリアだ。通称.貴族エリア
ちなみにギルドとかがあるのは、西側エリアだ。通称.商業エリア。東側も商業エリアだ。
南が貧民街とされているらしい。
それから数刻歩き、貴族エリアに入った。
これは、凄い! 何がすごいかと言うと、建物の大きさが今までのエリアとは桁違いだ。まぁ、現代日本に住んでたユウマからしたら、ビルやデパートとかもっと大きな建物を見ているが、屋敷って感じの建物はあまり見たことがないのだ。
それから、少し歩いてみると 目的地のトリコール子爵の屋敷まで着いた。呼び鈴みたいなモノを押してみた。
少しすると、高齢な執事さんが出てきた。
「失礼ですが、どこの、誰でしょうか?」
執事は物腰が柔らかそうに訊ねる。
「これは、失礼しました。自分は、冒険者ギルドから仕事を受けたユウマ.ジンノと申します」
「おぉ、そうでしたか。では、こちらへどうぞ」
そう言い、屋敷の中に案内してくれた。客間に案内してもらった。
「ここで、少々お待ちください」
執事は部屋を出た。
客間を見てみると、既に三人が来ていた。
「ユーマじゃんか」
「あれ? ホントですね」
「奇遇だな」
ガイエル、シャーラ、ゴーラの三人がそこには居た。昨日、ギルドで別れたばかりなのに早い再開だ。
「ホント奇遇だな。まさか、お前たちもこのクエストを受けていたとはな」
昨日、森で会った三人が居た事にはユウマも意外だった。世界は狭いとは、よく言ったもんだぜ。
「これで、四人ってことはあと一人来るのか?」
「あれは、最高で五人までってことだろ?」
「下手したら、四人かもってことだな」
そんな話をしていたら、執事と一緒に十代後半ぐらいの綺麗な女性が来た。
「これで、全員ですね」
執事がそういうと、付いてきてくださいと言った。
なんでもお嬢様に会わせるらしい。ある部屋の前で執事が止まって、ノックをした。
「私です。お嬢様、冒険者の方々がお見えになりました」
すると、「わかった、入れ」と返ってきた。
「失礼します」と言ってからユウマ達五人は部屋に入った。
「私が、プリムロ.トリコールである」
ずいぶんと偉そうなガキだな。見た目は十代前半ぐらいの赤髪のツインテール。顔はけっこう可愛い子だ。貴族って感じがする。
「私は、暇なのだ。面白い事をしろ」
ユウマ達がポカーンとすていると、執事さんが要約してくれた。つまり、暇を持て余しているお嬢様を楽しませる事。
報酬はお嬢様が満足すれば、増えるらしい。
ユウマ達は順番に面白い事をすることにした。順番は来た順番ということになった。
ガイエル達は、今までの冒険の話をしていた。しかし、面白くなさそうにしている。不評である。
実際にどうでもいい事を話しているのだ。ユウマも聞いていて暇だった。
「次!」
プリムロがそう言ったので、ユウマの番になった。
「次は、俺の番みたいだな。これから、手品をします」
そう言って、ポケットから真っ白なハンカチを取り出して見せた。手には、ハンカチ以外持ってない事を確認してもらい、左手をハンカチで隠す。
「いきますよ。では、1.2.3 ハイ!」
ハンカチをどかしてみると、100Gの銅貨が在ったのだ。
「えっ!? 銅貨がある!? どうしてなの!?」
プリムロお嬢様は、凄く驚いているようだった。いや、この部屋に居る全員がか。
「手品ですから」
ユウマはドヤ顔でそれだけ言ってからハンカチをもう一度左手にかぶせた。
「1.2.3 ハイ!」
ハンカチをどかしてみると、銅貨が銀貨に変わっていたのだ。
「1.2.3 ハイ!」
次は、銀貨が金貨になっていた。
「1.2.3 ハイ! 」
金貨は消えて左手には、ハンカチしか残らない。
みんな唖然としていた。
「ありがとうございました」
ユウマはそう言って頭を下げたのだった。
プリムロお嬢様にも好評だったから、良かったと安心していると……
「他には?」
お嬢様は、もっと見たいみたいだ。
「すみません。他のは、ネタを仕込んでいませんので」
ユウマはやんわりと断った。
「なら、ネタを仕込んでくるのじゃ」
え?…マジですか orz
「今からですと、時間がかかってしまいますよ?」
ホントは数時間もあれば余裕だけどな。
「明日までに間に合わせれば、良いぞ」
ユウマは執事の爺さんに助けを求めるかのように目を向けてみる。
「明日はお嬢様のご友人方が来られるので、是非、ユーマさんのマジックを見せたいのでしょう」
執事さんが口を開いたと思ったら、助けてくれないのかよ。執事はユウマにだけ聞こえるぐらいの声で「報酬もありますよ」と言ってきた。
明日の準備という名目で今日は自由になった。ちなみに今日の報酬は10000Gだった。
それから、ギルドに報告に行った。ギルドを出ると、雑貨屋に行く。明日に使えそうなモノを探す為である。
雑貨屋を転々としながら、気に入った物を買う。買った物は、羽根の付いてる青い毛のライオンのぬいぐるみ、シルクハット、タクト、トランプである。この四個の品を買った。
合計で3000G程したが、必要経費だろう。一番の驚きは、こっちの世界にトランプがある事だろう。
それから時間もあるので、アンソル武具店に行く。
「らっしゃーい!」
アンソルだ。久しぶりな気がする。数日しか経ってないけど。
「アンソルさん、久しぶりです」
そこにはドワーフの男性が居た。
「小僧か。久しぶりって程でも、ないだろ」
暇になったので、武器とかを見に来たと伝えてから、てきとうに見始めた。
ユウマの無刀流は、武器を持てば、持つほど能力が低下するからメインでは使わないが、牽制等に使う予定である。
剣を一本にナイフを五本買った。ついでに手袋も売っていたので、買った。
この手袋には、耐寒性という能力が付与されているらしいので、冬場に重宝するらしい。真っ白で滑らかな素材で出来ていたのを気に入ったのだ。
何かのアニメで見た、炎で戦う大佐が着けているような手袋だ。
合計で4500Gもしてしまった。宿の部屋で能力を使った手品の練習をしてみた。そのあとに、夕食を食べてから、すぐに眠る。明日は、最後の仕上げがあるから朝から忙しいのだ。既に手品のプロットは構成してある。
翌朝はいつもより少し早い時間にアラームで起きた。朝食を食べてから、トリコール子爵の屋敷に向かう。屋敷に着き、呼び鈴を鳴らした。
「おや、お早いですね」
あの執事の爺さんが出て来てくれた。
「朝早くにすみません。最後の仕上げがあるんですよ」
ユウマは屋敷の中に案内された。
「今日、来られるお嬢様のご友人は、何名かわかりますか?
ユウマは執事に訊ねる。
「四名の予定と記憶しております」
ユウマは一度お礼を言ってから、この屋敷の庭師のところに案内してもらった。
庭師をしているのは四十代半ばの男性である。庭園の木の剪定をしていた。
てか、屋敷の庭園に来てみると、パーティ会場のように飾り付けられていた。
庭師のおじさんに花束を五セット作ってくれるように頼んでみた。お嬢様とそのご友人の為にと執事が事情を説明すると、作ってくれると約束してくれた。
ユウマが手品を披露するまでに作っておいてくれるらしいので、安心だ。
「これは、何の飾りなんですか?」
執事に訊ねる。
「今日はお嬢様の生誕パーティなんですよ。パーティと言っても、身内やお嬢様のご友人とその保護者ぐらいしか来ませんので、ご心配なく」
いや、十分心配するよ!貴族達が気に入らなかったら、どうすんだよ!!
そうだ、仮病を使おう。
「あの、すみ―――「旦那様、おはようございます」
ユウマの話の途中で執事が急に挨拶をした。
え? ……旦那様だって!? ヤバくね。詰んだ。
「うむ、朝早くからご苦労。こちらの少年は、どなたかな?」
旦那様と呼ばれた三十代の男性が聞いてきた。
「ユウマ・ジンノと申します。本日は、お嬢様の為に手品を披露する為に呼ばれました」
ユウマの切り替えは早かった。急いで答えた。だって、トリコール子爵は凄く厳ついのだ。
筋肉は多すぎず、少なすぎずとバランスのとれた体型で身長は高い。180cmぐらいあるだろう。髪は金髪だ。
「そうか。昨日、プリムロが言ってたのは、君の事だったのか。今日は、よろしく頼むよ」
そう言って、トリコール子爵は去って行った。
「は、はい! 一生懸命頑張ります」
ユウマは去って行ったのを確認して、ため息を吐いた。
執事の爺さんが時間は、まだあるので、休んでいていいですよって言ってくれたので、手品の準備をする控室みたいな部屋に案内された。
そこで、休憩と言う名の現実逃避をしていた。
いつの間にか、少し眠っていたみたいだ。
庭園の方から何かの音楽が聞こえてきた。すると、部屋をノックしてくる音が聞こえたので、返事をした。執事が呼びに来た。
「十分休めましたでしょうか? もう、パーティが始まりますので、御呼びに上がらせてもらいました」
ユウマは分かりましたと返事をして部屋を出て会場に向かう。
外に出てみると、驚いてしまった。十人近くの音楽隊が演奏をしている。流石は貴族様。
執事さんに庭師を探してもらえますか?と頼んだ。
庭師に頼んでいた花束を回収しないと困るからな。しばらくして、執事さんが庭師と一緒に来てくれた。
二人の手にはキチンと五セットの花束があった。
そのまま、控室まで運んでもらって、二人にお礼を言ってから部屋を出てもらった。
ディメンションに花束を回収する。五分後に、ユウマは外に戻ったのだ。
執事のとこに行き、下準備が出来たと伝えた。
そうしたら、トリコール子爵と知らないおじさんがこっちに来た。
執事が一礼して、ユウマのの準備が終わった事を伝えた。すると、おじさんと子爵が頑張ってくれと言ってきた。
十分後に始めるから、そっちのステージの近くに行っておいてくれって言われたので、控室に戻ってからディメンションでシルクハットと手袋を出してから移動した。
少し、すると子爵がステージに上がって行くのが見えた。
「これから、余興があるから楽しみにしといてくれ」
それから、子爵に名前を呼ばれたので、ユウマもステージに上がった。
ステージ前には、プリムロお嬢様とその友人と思われる子供達が五人来ていた。
ユウマは覚悟を決めた。その場で深呼吸をする。




