おでんとの出会い
宿に戻ってから、夕食をたべてからシャワーを浴びて部屋で19時前まで休む事にした。
それから、待ち合わせ場所のギルド前に向かった。
ギルド前に着くと、アルトルさんが酒瓶を片手にいた。
「アルトルさん、これから飲みに行くのにもう飲んでいるんですか」
「この程度の酒なら誤差じゃよ。さてと、行くとするかの」
アルトルさんに付いて歩き出した。
10分程歩いてお店に着いた。
お店ってか、屋台だろ。
ドラマとかでたまに見るやつだ。
椅子が10個程置いてあり、既に5人程お客がいた。
「オヤジ、いつもの二人前頼むわ~」
「ジイサンにオヤジって呼ばれると違和感があるからマスターと呼べと何度も言ってるじゃんかよ」
アルトルさんはここの常連っぽい。
今も、オヤジさんと冗談を言い合っている。
すると、おでんが出てきた。
俺が驚いていると、
「おや、そっちの兄ちゃんはおでんは、初めてかい?」
「あっ、はい」
オヤジさんが声をかけてきた。
別に嘘は言っていない。こっちの世界だと、初めてだしな。
「いただきます」
俺は一口食べてみた。
日本で普通に食べていた味だった。
「どうだい?」
オヤジさんが感想を聞いてきた。
「美味しいです。それになんだか懐かしい味です」
ホントに懐かしい。
「このおでんって料理はな、ここのオヤジの親父さんが編み出した料理なんじゃよ」
アルトルさんが教えてくれた。
え? 日本人って事か!?
「そうなんですか、その人の名前ってなんていうですか?」
「儂は、知らんよ。いつも、オヤジと呼んでたしな」
「親父はタロウって名前だよ」
完璧に日本人だぁ~!!!
「あ、あの~? タロウさんにお会いしたいんですけど、大丈夫ですか?」
二人の顔が少し暗くなった。
「親父は、二年前に他界したよ」
「そうですか、すみません」
「どうして、急に親父に会いたいって聞いたんだ?」
「同郷の事を聞きたかったんですが……」
(あっ! つい、本音が! )
「「えっ?」」
(失敗した~、絶対変な奴って思われたよ~)
「兄ちゃんは親父と同郷だったのか」
「ユーマよ、オヤジの親父さんの故郷がどこか知っておるのか?」
「はい、日本ですよね?」
「「まじか!?」」
(さっきから思うんだが、何故二人してハモってんだよ)
「親父が昔言ってくれた名前と同じだな、ってことは異世界から来たって事?」
「そ、その通りです」
「親父が死ぬ前にそんな事を言っていたが、耄碌したなと思ってから、流していたらホントだったのか...」
「ニホンから来た者の大半の人は、不思議な力を宿しているらしいな」
アルトルさんが聞いてきた。
「それは、その人にしかわかりません」
それからは、辛気臭い話を終えてから、普通に飲み食いを楽しんだ。
数時間後に解散をした。
俺が帰ろうとすると、オヤジさんに呼び止められた。




