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僕。異常  作者: ささ
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9,7 斉藤春樹の思考内容


昔の人は電話なんてもっていなかった

ちょっと前の人にはメールなんてものはなかった

そう考えると昔の人はどうやって好きな人と連絡をとっていたのか、聞いてみたくなる。


今の時代はどこでも手軽に相手としゃべることも連絡をとることができる

便利な時代だ


ただそんな時代のためか、連絡をとりあうことが逆に難しくなってきてはいないだろうか?


いつでもどこでもしゃべれる。

それは優先度が低ければ低いほど後回しにされてしまうことだ


昔ならこの連絡をとる手段事態が非常に優先度の高いものであったはずだ

それなのに今の時代ときたら・・


そんな事を考えてみたが

やはりありがたい時代である


俺はベッドに寝っころがりながら携帯電話をもちメールをうつ。

先週狭山が川井さんのアドレスを入手してくれたため

俺は今川井さんと連絡を取り合える状態だ。


メールを送ればいいはずだけなのに

もしかしたら返ってこないことも考えられる

そんな事を考え出すと

どうしてもメールを送れなくなってしまっていた。


まずはメールの文章が大切だとわかっている俺はいくつか作成はしてある


「はつメールです

よろしく」

味気ないくらいが

川井さんには丁度いいのかと思った結果の文章




「初メールです。普段学校ではあんなり話せないから。

嬉しいです(笑)川井さんはどんな音楽きくの?僕はジャズやクラシック、R&B何でもきくんだけど、特にロックが好きかなあの心の叫びみたいな。だからぜひ川井さんにもいろいろ聴いてみてほしいな。あとさ今度どこか食事でもいこうよ、美味しいかつ丼屋さんを知っているんだ。ところで彼氏はいるの?」


もっと長い文じゃないと、その人となりがわからない

そしてなおかつ、相手に興味がもってもらえる文章。そして相手のこと自分のことがわかり、返信がしやすいこと。短すぎず長すぎず

それを考えるとこんな文章だろうか


この1週間メール作成をしながらいつも朝を迎えている


そろそろ送ろう。本当に・・



テレビの音がどこからか聞こえる

俺はいつの間にか寝てしまったようであった

眼を開け起き上がると

ソファーに吉田が座っていた


俺は実家をでて一人暮らしのため

この男が勝手にゲームをしていることはそこまで問題はないのだが


夕べこの男を家に泊めた覚えが俺にはまったくない

「なんでここにいる?」 

「ちょっとまって」

テレビゲームをやっている吉田。

どうやら俺よりゲームを優先したようだ

「なんでここにいるんだよ」

俺は少しの怒りと呆れを含めながら衝動的にゲームのコンセントを抜いた。

「な!!まだセーブしてない。セーブしてないんだけど。どうすんだよ

せっかく5時間もやってたのにまだセーブ・・セーブが」

ものすごい勢いで動揺をしている

この男にしては珍しい


この男5時間もゲームをしながら、セーブを一度もしないとは・・

集中しすぎだ。

俺自身はこまめにやる癖があるからそのあたりは理解がしづらい。


そしてこの男どうやってこの家にはいってきたのだろう

ほぼ不法侵入ではないのであろうか

「で、なんでここにいるんだ?」

「俺の5時間が・・5時間が・・」

この男話しをきいてない・・

バン

とりあえず吉田の頭を叩いてみた

吉田はしぶしぶと答えだした

「・・鍵あけた、あとは企業秘密」

この男何者

「俺チェーンもかけてたよな・・」

「あー。チェーンもろかったからちゃんと替えたほうがいいと思うよ」


それを聞き急いで玄関に向かうと、そこには壊れたチェーンがあった


この吉田という男。

見た目こそハーフ顔で目も大きくイギリスにいてもあまり遜色のない顔立ちだが。

中身はめちゃくちゃである。



気もきくし、話しもうまい、女子からの人気も高い、運動真剣も良い、一言で言えば万能なんでもできる。


だがネジが壊れているのか、この男は気づけばどこにでもいる。


このあいだは俺が駅前を歩いていると

ホームレスのおじさんと仲良くお酒を呑んでいた。

お昼の生放送のテレビに紛れ込んでいたこと

夕方のニュースになぜか写っていたこともある


そして今回は不法侵入

万能を通り越してこの男は何処か変である

身勝手だ。自由すぎる

この吉田という男はどうもわからないことが多すぎである。

ただ悪い男ではないということも確かだ



「チェーンの修理代あとで請求するからな」

そう言い俺は吉田を帰らさせた。

時間を確認すると11時


どうやら俺はお昼まで寝てしまったようだ

毎日朝まで起きていると、生活のリズムがくるってくる。


最近では遅刻もしそうになってきた、ことにも危機感を覚えてきた


早くメールを送るしかない

そんなことを思っていると。

携帯が震えだした。


吉田からだ

「あのメールはやめたほうがいいよ(笑)」

俺の携帯ロック機能ついていたはずなんだが・・

・・・


「どんなメールがいいと思う?」


「5時間を返せ!」

・・・・・


「うちきていいよ」

「あざっす」

すぐに吉田がきた

「おじゃましまーす」

この男どうやら家の前で待機していたようだ


家に入ってきた吉田は本棚をあさりだし

ソファーに寝転がると、マンガを読み始めた

「おいマンガ見る前に教えてくれ

それでどんなメールがいいんだ?」


少し悩み吉田はこう言った

「まずは川井さんに興味をもってもらう。以上」

俺は吉田を家から追い出した


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