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僕。異常  作者: ささ
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9,6 斉藤春樹の人間関係

お酒というものは怖いものだ


いくら気になる子を言ったからと言って

本当に好きになる必要はない

第一本当に気になる子など言う必要もない

適当に言っておけばいい。


なぜ俺はあのとき、ああいったのか

たしかに、確かに俺はあの子の事は可愛いとは言った

だからと言って好きになる必要まではないはずだ

でも、この気持ちはなんだろう。


彼女をみると、胸が痛くなる

自分で言っている事が不快過ぎて気持ち悪い。

胸がいたくなる。どこの少女マンガであろうか。


だが実際この現象が起きている。

こんな事は誰にも知られたくない


どうやら俺は今恋をしているようだ



同じクラスなのに俺は彼女と話したことさえない

話しかけて仲をよくしていけば良い話しなのだろうけど

そんな簡単なものではない

女の子とは普通にしゃべれはする

だが女の子と好きな女の子はまるで生き物だ。

しゃばれる気がまるでしない


そんな事を考えていると丸1日がすぎ

勉強にもまるで手がつかなくなっていた



ここは誰かを仲介するのがベストであろう

誰に相談をするべきか・・



まずは吉田に相談するのが妥当所だ。

吉田はムダに顔が広く、コミュニケーション能力が異常に高い。

川井さんと関わりがなくてもあの男には関係ないだろう


俺は携帯を取り出し吉田にメールを送った

「あのさ相談があるんだけど、明日の放課後暇?」

あとは返事がくるまでまた思考しよう


吉田以外で彼女と関わりのある人間、そして俺が離せる相手

・・・・


「・・狭山か」

あまり気のりしない

理由としてはいくつかある

1つ目の理由友達ではない

2つ目は苦手

3つ目は伊田芽と仲が良いこと


伊田芽という女は安達君に対してどうやらひどい仕打ちをしたらしく

安達君は名前も聞きたくないようであった。


この間、吉田や安達君達と遊んだときそんな話しを少し聞いたため

俺にとって伊田芽の印象は最悪である


安達君に今度詳しく伊田芽について聞いてみたいものだ。


狭山は、伊田芽と仲が良い

それだけで俺と安達君は気まずくなる。

それが1番の理由だ


なんとも微妙な関係だ

同じクラスというだけでそのような関係になるのはいかがなものであろう


そんな思考をしていると吉田からメールがきたようだ

「明日は無理

今からか明後日ならいいけど

会わんといけないほどの相談か(笑)」


俺は少しだけ考え

「じゃあ今からこっちこれる?」

そう送るとすぐに返信がきた

「すぐ行くから

ちょっとまってて」


・・・・・・・


「おじゃまします」

本当にすぐきた

どうやらサークルの帰りだったらしく

俺のとこに行く途中だったらしい


好都合だ


「飯食べに行こう」

吉田が玄関口からそう言ってきた。


しかたなく俺は車のカギをもち

車を走らせた。

「相談料としておごりね」

吉田は偉そうにしていってきた

「じゃあいわない」

「冗談だよ」

残念そうにしている所を見ると

あまり冗談には聞こえない


車を走らせ10分ほどするとラーメン屋についた

この店はボリュームがあり清潔感もあるので

学生はよく使っている。

店に入り席に着くと

吉田がにやけながら聞いてきた。

「で、相談とは」

この男はいつも楽しそうだ

「じつは・・あの・・さ・す・・すk」


「好きな人ができたんか」

ニヤニヤしてるこの男を俺は殺してやりたい

「で、だれなん?」

さらにニヤニヤしてる

「・・・川井さん」

恥ずかしい

「なるほど、でも俺川井さんと関わりないよ、川井さんのアドレスとかお前知ってるん?」

わりとまともな受け答えをしてくれた

「知らないから、ちょっと協力を・・」

「普通に言えばいいじゃん、アドレス教えてって」

さらっと、当たり前のように言ってくれる

これだからイケメンは・・

凡人のことも考えてくれ。


「恥ずかしいからできれば誰かに仲介をさ・・」

吉田は少し悩んでいるようだった

「・・そうだ狭山は?あいつそれなりに女の子と話したりしてるじゃん。伊田芽とも仲良いし、丁度良いいんじゃない?」


「でもさ安達君の件とかあるし、狭山とは仲良くしづらい・・」


「あー、そっかでもさ。安達の言ってること全部本当とも思えないけどな。このあいだ安達が伊田芽見かけたときに席を外してしゃべりかけに行くの見たし。だからお前もあんまり気にせず狭山と話してみろよ」

そういうことを笑顔で言ってしまうところ、このイケメンはやはりもてるのだろう


「・・そうだな、明日あたり言ってみるよ。」


「さラーメン食おうぜ」


翌日の朝

重い体をおこし、顔をあらい歯を磨く

今日は狭山に昨日の件をいうのか

気が重い・・


だが川井さんとしゃべれないっていうのも嫌だ


今日は蝶ネクタイでもしてきたい気分だったので蝶ネクタイにあった服を選び

学校へ行く準備は完了した。

「狭山に会いにいきますか」

そう独りごとを言い。

部屋の鍵を閉めると学校へ車を走らせた。




教室につくと、用事のある狭山が伊田芽といちゃついている


この男と女は・・


早くお前ら付き合えよ

仲よすぎ

朝からボールで遊んでんなよふざけんな勉強しろ

せめて一緒に勉強しろ



そんなことを思いながら

俺は少し呼吸を落ち着かせた

「狭山!」

「いた」

どうやら驚いたようでボールが顔にぶつかったようだ

「・・・何、斉藤君?」

狭山は何かの間違いではないかと思いながら、近づいてきた

「朝からボールで遊んでんな勉強しろ」って言ってやりたいがここは抑える


「今日の放課後暇だったらちょっと買い物に付き合ってくれ」


・・

どうやら狭山は驚きすぎてるようでフリーズしてる

この男の眼の濁り具合はどうにかならないのだろうか

「ダメか?」


「いいよ、ぜんぜんオッケー」

焦って返事をしてくれた。



そして狭山はまた伊田芽のところへ行きボール遊びを再開させていた。


狭山 蒼生 死んだ魚の眼


彼は入学当時より友達関係も増えてきているようで

伊田芽以外にも男友達がいる。


その男友達は俺たちのグループとは違い

この学年だと目立つグループ

飲酒運転あたりまえ学生楽しんでます。

死語になりつつはあるがリア充の代表メンバーと仲が良い



狭山自身はイケメンってわけではなく

普通の中の普通という容姿だ

可もなければ不可もない

ただ普段は目が死んでいる


伊田芽といるときだけは死んでいないが

それでも基本的にダルそうだ。

そしてこの男の笑顔は見た覚えがない


放課後になると狭山と合流し

用事もなかったのだが買い物に付き合わせることにした。


主に文房具などを見たりしていたのだが

この時の狭山はまったくしゃべらない


そして買い物の最中に消えるという

一緒に買い物はしたくない人物だということだけはよくわかった。

正直怒りたい。


文房具も買い終り

しかたなく俺は話しを切り出した

「狭山、お前川井さんのアドレス知ってるか?」

少し不思議そうにした狭山だったが

「知らないよ、でも俺が聞くより斉藤君本人が聞いた方がいいんじゃないかな?」

そこまでバカではないようで、要件をつかんでいたようだ

「そうかもしれんが、さすがに話しかけたこともない人にいきなりは言えない・・」


「意外だね、斉藤君がそんなこというなんて、

好きな人には普通に好きだっていう人かと思った」

狭山は半笑いをしている。

少しの殺意は芽生えた

「川井さんは大変かもよ、何考えてるかいまいちわからない感じ。それに可愛いしさ競争率も高いかもしれない」


「たしかにな、でも少しはしゃべってみたい。」


「・・・・・・じゃあ今度のクラスで演習するとき

一緒に座ろうそしたちょっとはしゃべれるかもしれない。」

狭山は笑った。

このとき初めて狭山蒼生の笑顔を見た。


「ほんとうか?・・・ありがとう」

狭山に頭を下げたのもこのときが初めてだ


「・・実は吉田君からこの件頼まれてたんだ。じゃあ帰ろうか斉藤」

狭山は少しにやけながら歩き始めた


そして吉田

お前は気が利きすぎているのではないだろうか。


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