僕と僕
蒼生「君は異常だね。」
心「いや君もなかなか異常だよ」
蒼生「僕は普通だよ
君みたいな能力もなければ
いたってどこにでもいる普通の人間だ
ただちょっと道がそれただけ。
人一人殺せない。すぐに殺されてしまうような人間だ
君は逆だろ
いくらでも殺せる。まったく殺されない人間
どう考えても君は異常だ。
人は死ぬんだよ」
心「反論はできないな
それでも君の事は評価もしている
うしろめたさもあったしね
君はいつからそんなしゃべり方になってしまったんだか」
蒼生「さっきタバコを買いに行ったときからかな
よく思い出せない
君だって、普段とは違うじゃないか」
心「今は交渉中の席だからね
友達であった人が目の前にいたところで関係ない
いわゆるビジネスモードの僕かな」
蒼生「お金なんてあまり興味がないくせによくいうよ
君はなんにでもなれるから恐ろしい
僕は結局僕にしかなれなかった
人間、やる気になれば変われるとはよくいったもんだ
人間は変われないし変わらない
結局根本的なものは何もかわらないんだ」
心「そうかな君のあの頃を見てる僕からすれば
君は変わってしまったけどな」
蒼生「あの頃の僕も僕だよ
ただそのときにあったパーツによって
あのときは少しだけおしゃべりになってただけ」
心「ずいぶん大きなパーツだったみたいだね」
蒼生「そうだね、でもこのパーツ今の僕には合わないみたいでね
それでも愛着があるのかな
そのパーツを忘れたことは1日もないな」
心「人間忘れるのが一番だと思うけどな
良いことも悪い事も 」
蒼生「良いことも悪い事も呑みこめるから
人間は人間をやってけるんだよ
でも僕は知らない人間を一人呑みこんでしまったせいかな
人間をやっていけなくなってきているのかもしれない 」
心「確かに君はあの頃とは変化をしてしまったけど
それでも、パーツを取り戻すために
がんばってきたんじゃないかな? 」
蒼生「僕の力で考えられることはそれなりにやってはいたよ
それでも、人間一人の心を動かすことさえできない
無力な人間だ。」
心「君は自分を過少評価しすぎている
あの日からの君は僕となんら遜色ないほどの強さがあるぜ」
蒼生「過剰評価しすぎだよ
僕にはなんにもない」
心「その何もないというのもすごいことであるんだけどな
彼らとは連絡はとっているのかい?」
蒼生「さすがにまだとっているよ
少なくとも僕がまともな生活を学生生活中できたのは
彼らのおかげだ
感謝以外のなにものでもない
彼らがいなかったら僕は今頃病院のベッドの上か刑務所の中にでもいただろう」
心「その通りかもね
でもそしたら僕が君をだしてあげたな
借りを返せたわけだし」
蒼生「何も感じない世界というのも、心地良いものかもしれないから
僕自身が断ったかもね」
心「そしたら借りは返せないな
その場合僕はずっと君に借りを作っていなければいけない
よかったよ君が生きてて」
蒼生「ただもう斉藤とかには会わないな
クラス会が二人とか寂しすぎだ
悪い思い出だ」
心「それは君たちが彼女達と関係を悪くしたせいだろ」
蒼生「悪くなったとしても、最後だぜ最後
もう二度と会わない人だってたくさんいるのにさ」
心「まあしかたがないんじゃないかな、それも人間だ」
蒼生「そうだね、
・・それでさ僕は社会にでて一度だけ伊田芽麻友に電話したんだよ」
心「随分思い切ったね」
蒼生「うん
僕の頑張っている理由を再認識してみたくなってね
仕事が嫌すぎちゃってさ」
心「仕事はやりがいがなければ
やってられないよね
それで、電話してどうだったの?」
蒼生「僕のイメージと伊田芽麻友が変わり過ぎてしまったのかな
少ししゃべったら、私のことは忘れてって言われてしまったよ
それで仕事する意味ないなって」
心「僕も忘れるべきだとは思うけどね。」
蒼生「・・・・そーいえば君は彼女とはどうなったの? 」
心「・・今も彼女だよ 」
蒼生「そうか、それはよかった。」
心「僕の能力を知って
まったく怯えなかったのは君と彼女くらいだ 」
心「今でも、君は僕の彼女が好きかい?」
蒼生「好きではない。だけど好みの顔だ」
心「あのときの君の心もそう言ってたよ
君は嘘をつかなくなったよね
それも強さなんじゃないのかな」
蒼生「弱くなったの間違いでしょ
人間嘘が上手いやつが生き残る
僕みたいな壊れた人間にはどうすることもできない 」
心「人間壊れているくらいがちょうどいいさ
ほら僕もそれなにりに壊れてるし」
蒼生「君に至っては壊れているというよりめちゃくちゃだ
この世界のルールを無視している生き物だ。
君は世の中のためには早く死ぬべきなんじゃないかな」
心「思ってる事をずいぶん言うね」
蒼生「君に嘘を言ってもしかたないだろ
まあ僕の場合つく気もないんだけどさ」
心「確かに
それで無職の君はこれからどうするだい」
蒼生「客をまって、2年間じっとしてるつもりだけど」
心「それは健康によくない
心が病んでしまうんじゃないかな」
蒼生「もとから精神的に壊れてるから問題はないよ
それにもうお客は間の前にいるわけだし、依頼はなんだい?1時間500円だ」
心「僕と一緒にしばらく仕事してくれないか?
今ちょうど仕事が大変なんだ。」
蒼生「2年くらいなら雇ってくれてかまわないよ
ちょうどあと2年暇なんだ」
心「時給は君のサイトの通り500円
これから24時間ずっと働いてもらうから
1日1万2000円
1か月で30万以上だ、なかなか悪くない給料だと思うよ」
蒼生「やる内容によっては、安すぎるかもしれないけどね
それでこれから2年間僕は何をやってればいい?」
心「この事務所にきたお客さんの相手をしてくれ
あとは君にまかす
30万から歩合制にしとくから
何かやってくれてもかまわないし、やらなくてもかまわない
それだけ」
蒼生「・・わかった引き受けよう
でも僕は何もしないよ」
心「大丈夫、僕は君を評価しているといったはずだ。
期待している。
じゃあ今日から君は僕の部下だ」
蒼生「わかりました上司様
でも2年後、こっちは客になるんだ
そっちの仕事も頼んだよ」
心「完璧にこなしてあげるよ」
「・・ただお前の依頼はもう2度と受けないからな」
吉田は学生時代に戻ったかのように言った。
「大丈夫これが最初で最後の依頼だ」
僕は何も変わらなかった




