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13,9 狭山蒼生の依頼
「あのとき助けてくれたのは君だったからね
ありがとうとお礼を言っとくよ
さすがに知らない死体と一緒に死にたくはなかったからね。」
「借りをかえしただけ
あと一つ返せば俺の仕事は終わり」
彼は照れくさそうな顔をしている
「それでも君には殺されそうになってるけどね。」
「あれは仕事だったからな、仕方ないだろ
依頼完了後はちゃんとお前を助けに行ったじゃん」
「僕が壊れてからね」
彼は俯いてしまった
僕の目の前に座っている男性
吉田 心
僕の命の恩人である。
僕が手首を切って意識を失ってから助けてくれたのは彼だ
それと同時に伊田芽麻友を誘拐した犯人でもある。
僕が入院しているときに吉田から全てを聞いたが
あまり怒りは湧かなかった。
「・・・それで、お前からめずらしく連絡をくれたってことは
依頼でいいんだな?」
吉田は真剣な目つきになった
仕事の話しになるといつもこうなのだろうか
「うん
この依頼をやってくれれば君にとっての借りは終了だ」
「それで依頼の内容は?」
「伊田芽麻友を拉致する
僕の指示通りに最後まで協力してくれ。」




