11.5 狭山蒼生の入院
「まだ僕は君のことが好きなんだけど・・」
僕はベッドから起き上がり、彼女に言った
「・・・・」
彼女はしゃべらない
あの事件から数週間
僕は病院へ入院することになってしまった
彼女は元気そうで、事件のときの意識はまったくなかったらしい。
「死ねって言ったのは本当にごめん」
僕は深々と頭をさげた
「その件はもういいよ、でも死ねは絶対に言っちゃダメ。いくらお酒の席だったとしても」
彼女は笑わずにしゃべりだした
いつも笑っている彼女とはまた別の女性のようであった
「はい。
・・・それでまだあきらめきれないんだ
麻友といるときだけが幸せで、笑顔でいれた
・・僕と付き合ってほしい」
「・・その言葉をあのとき言ってくれればな。
・・あの頃は君のこと好きだったよ
本当に」
彼女は冷たくしゃべりだした
「・・君はさ
わたしが一緒に死んでって言ったら
一緒に死ぬ?」
「うん」
ぼくは即答した
「そういうところがダメだよ
私は止めてもらいたいんだ・・」
空気がさらに冷たくなっていくのを感じる
「今の彼氏・・君にとっては元彼か
確かに不満もあるし、私のことを束縛して嫌にもなってるよ
・・・もう少しだけ時間くれないかな。もう今日は帰んなくちゃいけないし。
答えだすから」
「・・わかった。
今日は・・ありがと」
僕は途切れそうになりながら答えた
「ありがと、また学校でね」
彼女は帰っていってしまった。
もうあの頃には戻れないとお互いがわかっていたのだろう
特に彼女はそれを一番感じているようであった
ただ笑っていられただけの関係には戻れない。
忘れることはできない
彼女がいつ元カレと別れ、いつ元カレのところに戻ったのか僕は知らない
戻ったのは彼女が意味もなく僕に謝ったときだろう
なかなか会えなくなったときだろう
キスをしなくなったときだろう
手をつながなくなったときだろう
あまり笑わなくなったときだろう
ケンカをする前から僕らの関係は壊れていた。
ただその壊れた関係をぼくがさらに壊しただけだ。
そして僕は壊れていった。。




