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~一章 漆黒の男~

   あなたは、死後の世界を信じますか?

   

   あなたは、生きる目的がありますか?

  

   あなたは、大切な人を愛せていますか?



 人は己の価値観でしか物事を図れない・・・誰かに言われた。

 人の生を奪ったうえでの幸せなどはない・・・誰かに言われた。

 人を人として見ないうちは人じゃない・・・誰かに言われた。



 俺の目の前に広がる世界・・・殺風景な世界だ。

 砂と枯れ枝と永遠と続く漆黒の世界、そして俺の頭上には、また同じく永遠を小さく照らす月。

 それが俺の存在している世界だ。

 

 ?「ほら、きてるぜ・・・いつもの」

 心「あぁ、わかった・・」

 ?「今度お前どこよ?」

 心「・・・東京」

 ?「へーーーいいねぇ、都会はさ」

 心「そうでもないだろ・・おまえは?」

 ?「俺は神奈川・・・」

 心「そっか、大変だな」

 ?「まぁ、また31日後話そうぜ」

 心「あぁ、じゃあいってくる。」

 

 目を閉じて渡された紙をいつもどうり・・・破る。

 ビリッ・・


 ?「・・・・・いってらっしゃい。」

 

 ~死後からの使者~

 

 キーンコーンカーンコーン 

 

 高貴「ふあぁぁぁ・・ねみーーー」

 加奈「何寝てるんだ?またバイトか?」

 高貴「あ、加奈かーーー・・・そーなんだよまーた店長が無理なシフト入れてきてさーーもうマイリマンボーーー。」

 加奈「ふーん、頼りにされてるんだ良かったじゃん。」

 高貴「たりめーだろ、あの店俺がいねーとつぶれるからな、マジで」

 加奈「はいはい、それにしても暑いねーー」

 

 下敷きで胸元を仰ぐ加奈・・・

 こいつ最近妙に乳でかくなってきたよなーー。まぁ元が標準以下だからたいして大きくはないんだけどもね

 

 加奈「なによ、なにじろじろ見てんのよ」

 高貴「いや、お前最近きゅうに胸がでかくなったよなーーーってごべヴァーー」

 

 加奈の左拳が俺の美しい顔面へと特急列車のごとく入った


 高貴「いてえーーーーーーーいたいいいいしぬううぅぅ。」

 加奈「バカなこと言ってんじゃないわよ。」

 

 俺の名は上田高貴(うえだこうき 17歳)バイト有 収入有 知能無 彼女無 容姿上の中(自称)

 俺の17年の人生ステータス早見表だ、、まぁ人並みだ・・


 この俺の席の前にいるおっぱい絶賛急成長中女は吉井加奈(よしいかな 17歳)バイト有 収入有 知能有 部活有 スポーツ万能 彼氏無 資格多数所持 容姿上の上 両親は医者と教師 etc・・・

 

 へッなんかマンガみたいな女だよな、くそう。

 あーなんでこんなウルトラ完璧超人女と俺が一緒にいるかって?

 あれですよ、よくある幼馴染ってやつですよ、まぁ実際幼馴染って物心ついたころにはお互い恥ずかしくなって疎遠になったりするもんなんだろうが、この女の辞書に恥ずかしいなんて文字は登録されていないらしく今現在までずーーーーーーっとこんな関係です。

 恋愛対象にはならないのかって?あほか、こんな無敵女相手にできんの神様ぐらいのもんだぜ。

 いやほんと、心の底からそう思うぜ。

 もしこれと付き合いたいなんて思うやつは俺が必ず「この先危険」の標識をそいつの生活空間全域に張り巡らしてやる予定だ。

 

 加奈「あんた、最近あたしにセクハラばっかするでしょ、なんで?」

 高貴「そうか?そりゃすまねーな」

 加奈「・・そぅ・・はい、それよりさっきの授業のノート」

 高貴「あ、さんきゅ」

 加奈「昼休み中にちゃんと写しておくこと。」

 

 そう言い終わると加奈はどこかに走って行った。せわしないやっちゃ。基本面倒見はいいんだよな、そのおかげで俺が県内有数の進学校に入学できたのもあいつのおかげなんだよな。ま、おかげで授業の半分以上は意味不明だけどな(内容が難しすぎて)

 

 そんなこんなでノートを写し終えた俺は6時間目が終わるとまっすぐ家へと帰った。

  

 高貴「10時か・・・やべ宿題終わってねーし」

 

 コン・・・


 高貴「ん?窓に誰か何かぶつけたな。」

 ガラーーー窓を開ける。そこにはポニーテール姿の加奈がいた。

 高貴「俺の家のガラスを割る気か?」

 加奈「そんなことどうでもいいじゃない。それより下に降りてきて。」

 でけぇ・・・態度が・・ハァー

 高貴「なんすかねぇ?」

 加奈「宿題、どうせやってないんでしょ。あたしのノート貸すから。」

 高貴「あぁ、いつもすまん。今までバイトだったんだろ?そんで放課後は部活だったんだろ?」

 加奈「そうよ。」

 こいつはいったいいつ宿題をかたずけるヒマがあったんだよ。相変わらずすげーわ。

 

 加奈「・・・」

 高貴「どしたよ?」

 加奈「なんでもないわよ。」 

 高貴「そうかーー?」

 加奈「うるさいなー、なんでもないって言ってるでしょ。」

 高貴「へーへー」

 ま、こいつの悩みなんてどーでもいーや、わるいけどこいつの悩みなんて超完璧人間の悩みだろうから俺みたいな一般人にはわかりっこねーんだ。だから聞かない。それが俺からできる最高の優しさってもんじゃないかと思うんだよな。適材適所ってやつさ。

 

 高貴「じゃあ、ありがとな。明日必ず返すわ。」

 加奈「あ・・」

 高貴「・・・おやすみ。」

 加奈「・・・・・・おやすみ。」

  

 バタン、ガチャ。・・・・・宿題でもやるか。

 

 

 カクン・・・っなんだ立ちくらみ?視界が歪む?なんなんだこれは?・・・ドサッ




 心「・・・始まった・・・」


                                    つづく










 

  

 






 

 




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